見出し画像

「夢十夜」第一夜にときめく

「夢十夜」を買った。ヨルシカ×新潮文庫のコラボカバーの本。ヨルシカは好きな曲もあるし、ステキなイラストなので買うことにした。これじゃなかったら、すれ違って終わっていたかもしれない。
第一夜を読んだ。なんだこれは、と思った。真珠貝で墓を掘るとか星の破片(かけ、と読むそうです)を墓に飾るとか。極めつけは、女の死ぬ間際の「百年待っていて下さい」「きっと逢いに来ますから」。そして女の死後、日々は過ぎ、男は遠い空の暁の星を見て「百年はもう来ていたんだな」。
美しすぎる。長野まゆみ先生を彷彿とさせる(逆流)。途中の百合の描写も良い。「坊っちゃん」「心」とか、教科書レベルの話しか知らないわたしにとっては晴天の霹靂だった。
文豪の知らなかった一面。世界は思いがけないところに、向こう側に通じる小さな扉を隠している。

ヨルシカの曲も聴こう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?