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聴導犬かわゆす~手話の世界へGO!してわかったこと~

前回(2023年12月4日)、神奈川県主催の手話イベントに参加した話の入り口を投稿した。今回は参加体験記を記したい。

 ▼当日(2023年11月26日)のスケジュールは以下の通り(チラシより)▼

タイトルは「手話の世界へGO!~めざそう!手話で話せるかながわ~

手話紹介やパフォーマンスが披露されるステージと、手話講習会などのイベントを開催するミニブースが同時並行で開催される。私はステージの前半と個別ブース(盲ろう者とのコミュニケーション体験、デフリンピック体験)に参加した。

ステージに登場した横浜富士見丘学園の生徒によるパフォーマンスの様子が同学園のホームページに記載されていた。
第一部で3校(中学・高校・大学)の生徒が手話に取り組んでいる姿を目の当たりにできた。自分の中高時代を思い起すと、誰かの役に立ちたい、なんて考えず生きてたよなあ、と1人感心している自分がいた。

全体を通して参加して良かったと思うことは、以下の3つ
その理由は「新たに知ったこと」だから


①盲ろう者のコミュニケーションの取り方

手話に興味を持っているので、聴覚障害を持つ、いわゆる「ろう者」については知っていたが、聴覚も資格も持たない「盲ろう者」の存在はこの日まで意識していなかった。
ヘレンケラーに代表されるように、複数の障害を持つ方もこの世にはいるのだ。日本全国で1万4千人もいることを初めて知る。興味のないことは全然知らない自分がいることを思い知らされる。
見ることも聞くこともできない盲ろう者は1人で外出することもままならないのである。

それにしても、聴覚も視覚もない世界なんて自分にはまったく想像がつかない。ステージでは、そんな盲ろう者の方が落とし物とした際の聴者とのコミュニケーションの難しさをケーススタディとして演じていた。
そして盲ろう者の方(2名)は、通訳士と思われる方と手をとりあってコミュニケーションをとっておられたのが気になった。
これは盲ろう者向けの手話?手話は見えないのだから、別の手話はあるのかな?などと想像した。

疑問に思ったこともあってステージ見学後、勢い?で「盲ろう者とのコミュニケーション体験」に参加した。お相手はステージで紹介されていた2名のうちの男性の方。年齢は自分(58歳)より上だと思う。
まず通訳の方から「手話はできますか?」と聞かれた。
「できない」と答えると、ちょっと困った様子で「どうしましょうかね」という感じにさせてしまった。
そう、途中で通訳の方に聞いてわかったのだが、盲ろう者の方は手話を手で触ることで読み取っておられるのだ。
結局、盲ろう者の方の質問(しっかりと言葉を発音される!)に対し、手のひらに文字を書くことでコミュニケーションをとる。が、それでは一文字一文字を書くために時間がかかり、「どこに住んでる」とか「名前は?」とか程度の会話でどんどん時間が経っていく現実があった。
何よりも、私自身がいざ盲ろう者の方と対峙するとどうして良いのかわからなくなり無駄に焦って、すっかり汗だくになってしまった。

「声を出して伝え相手の声を聞く、動作で相手に知らせる」ことでコミュニケーションをとっている自分にとっては、いきなり知らない言語の外国人と話せと言われているに等しい感覚なのだ。しかも身振り手振りも通じない。

最終的には、盲ろう者の方に簡単な手話を教えていただきながら体験を終えた。気がつけば、私からは何も質問や問いかけすることができなかった。

こんな感じで、正直言って自分にとっては後味の悪い体験であったが、飛び込んだからこそわかった事実であった。こういうことは体感して初めてその問題の大きさを実感できるのだ、とわかった点は良かったと思う。

②聴導犬の存在

体験コーナーを歩いていると、想定外の犬!がいる。(表題の写真)
聴導犬というのだそうだ。盲導犬は知っていたが、聴導犬もいるのかと2つ目の新たな発見があった。「音」を運んでくれるのだそうだ。

何だか切ない目というか表情、かわいい

③次のデフリンピックは東京開催!(2025)

そして、ステージ第一部の最後に東京2025デフリンピックに出場予定の選手たちの紹介があった。
デフリンピックのことは読書から情報を得ていたが、再来年の大会が日本で行われることを知らなかった。
登場選手は神奈川県在住の3名
・佐藤 湊 選手(陸上)
・中田 美緒 選手(バレーボール)
・滝澤 佳奈子 選手(陸上)

左から中田選手、滝澤選手、佐藤選手
いずれの選手も有力メダル候補

そしてステージ終了後は、会場の入り口で催されていた「デフリンピックの陸上スタート体験」に参加してみた。先ほどのステージで紹介されていた3名の選手たちがサポートしてくれる。
この日はとにかく寒かったせいもあり参加者は少なく、おかげですぐ体験することができた。

聴覚障害者は音が聞こえないから、当然、ピストルの合図でスタートすることはできない。従って、スタートラインに設置された装置の色の変化でスタートのタイミングを認識する。信号と同じで、緑がスタートの合図と記憶している。
学生時代、ピストルの音ってデカくていやだな、という思い出と「いつ鳴るのかわからない」ドキドキ感が印象に残っていたので、目の前で色が変わる、というのは直感的に「スタートしやすい」と思った。
率直に感想を述べると、佐藤選手から「やりやすいという意見は珍しい」とのコメントをいただいた。
(もちろん、選手でなく気楽な体験参加だからそう感じたのであろうが)


これがスタートラインに設置されていて、点滅が始まる

体験終了後、寒さの影響であまり参加者も少なく、選手も雑談しているようだったので、ふと「せっかくだから選手のサインをもらおう」と考えた。
そしてスタッフの方に頼んでみるのだが・・・意外な展開に…

ここで私が1回の投稿目途にしている2000文字を大きく超えたので、次回にこの話は述べたい。

また続くんかい!笑

参加してから2週間以上が経過していますが、私の手話イベント体験記録の続編を最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。
今回記事にした3つに加え、神奈川県に手話言語条例があることも初めて知りました。これまで、私がいかにこの業界というか、社会課題に興味を持っていなかったかがわかります。
手話に挑戦するかどうかもまだわからない段階の私ですが、少しでも多くの方にこの業界のことを知ってもらうことは自分でもできるのではないかという思いもあり、記事にしました。
そして続編後、挑戦記録が書けるよう行動に移してみようと思っています。

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