酩酊石打刑

昨年古希を迎えた。 孔子先生は「七十而従心所欲不踰矩」とはおっしゃるのだが、 なかなか…

酩酊石打刑

昨年古希を迎えた。 孔子先生は「七十而従心所欲不踰矩」とはおっしゃるのだが、 なかなか矩に収まりきらない心に悩まされている。

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最近の記事

川は流れる ―笑う膝 3ー

つい先日『川は流れる』のことがふと頭に浮かび、早速YouTubeで聴いた。 そんなことがあったばかりの昨日、ネットニュースで仲宗根美樹さんの訃報に接した。なんとも偶然の一致。 https://www.youtube.com/watch?v=3O5zNfaC7kI 〈わくらば〉なる聞きなれない言葉で始まりなんとも暗く重苦しい曲調は、バカな小6生だったわたしに強烈な印象を残した。 時は1961年、〈歌声喫茶〉で評判となり100万枚を売り上げる大ヒットだったらしい。 人の世の 塵

    • みかんの花の香り ―笑う膝 2ー

      今年はやたらと散歩中にみかんの花の香りを感じる。 詳しいことはわからないのだが、みかんというのは柑橘類全般。夏みかんだったりキンカンだったりレモンだったり、普通のみかんだったり庭木として植えられているような灌木の類だ。 迂闊なことながら、みかんの花の香りに気づいたのは2年ほど前のこと。散歩中に畑の脇に植えられた夏みかんの木の側を通った時だ。梅も沈丁花も木蓮も終わったころなのに、風に乗って仄かに花の香りを感じた。きょろきょろと辺りを見回すと、夏みかんの木に白くて可憐な花が咲

      • 雲と白線 ー笑う膝 1ー

        春の陽気に誘われ散歩。 朝―雨、昼-春、夜-冬。天気予報のキャスターがそんなことを言っていた。 昼食を済ませ、13時ころから近所のいつものコースの一つを、妻と二人で歩き始めた。約一時間ほど歩いていたらほんのりと汗ばんできた。マフラーを取り、上着の前のファスナーを開け、人のいない道ではマスクを顎にずらす。「北風と太陽みたいだね」などとつまらない話をポツリポツリと妻と続けながら。 家のすぐ近くのホームセンターでちょっと花を見て、駐車場を通って家までもう一歩。その駐車場から見

        • 「雨が降りそうね。 まわりの空気が湿ってくると、 なんだか子宮の辺りが動き出すような気がするの。 変かしら」 「いや、そんなことはないよ」 〈水の惑星〉という言葉が頭に浮かんだ。

        川は流れる ―笑う膝 3ー

        • みかんの花の香り ―笑う膝 2ー

        • 雲と白線 ー笑う膝 1ー

        • 「雨が降りそうね。 まわりの空気が湿ってくると、 なんだか子宮の辺りが動き出すような気がするの。 変かしら」 「いや、そんなことはないよ」 〈水の惑星〉という言葉が頭に浮かんだ。

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        • 宇野常寛と遊ぼう
          1本

        記事

          「静かね。海の底みたいに」

          「静かね。海の底みたいに」

          「さて、やろうかな」 静かで薄暗い部屋の中で、 碧衣は口に出して言ってみた。

          「さて、やろうかな」 静かで薄暗い部屋の中で、 碧衣は口に出して言ってみた。

          「あっ、動いた」 「え、何が?」 「時々、ふーっと空気の移動を感じるの」 別に霊とか、気とか、オカルトっぽいんじゃないんだけど……」 「単に風が動いたってこと?」 「そうかもしれないんだけどね……」

          「あっ、動いた」 「え、何が?」 「時々、ふーっと空気の移動を感じるの」 別に霊とか、気とか、オカルトっぽいんじゃないんだけど……」 「単に風が動いたってこと?」 「そうかもしれないんだけどね……」

          二枚のマスク

          先日、妻が手製のマスクを2枚作ってくれた。 その翌日に、安倍首相による〈アベノマスク〉配布の発表があった。 ずっとマスクを作ろうと思いながら、果たせないままだったのだけどやっと作ってくれた。妻とその完成に盛り上がっていたのだが、その気分に一気に水を差されたようで、不愉快だ。 コビット19騒動の中、マスク確保協奏曲は悲しくなる。そもそもマスクの効用性を考えるにかなり限定的だ。予防の効果については、ウイルスの大きさを考えると効果は薄い。自分が感染している際に他人へうつさない

          二枚のマスク