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2年間が教えてくれた私の人生に必要なこと

旅に出なくたって死ぬわけじゃないと言われるかもしれない。だけど実際のところ、私は旅に出ないと心の具合が悪くなるのだ。

物心ついたついた頃には国内外問わず、年に数回旅をしていた。そういう家族のもとに生まれたから旅行は特別とか海外は怖いなんて感覚は一切なかった。

だから社会に出てからも毎年ちょくちょく旅をしたし、友達と予定が合わなくなってきたことを理由にひとり旅も始めた。

そんなこんなで25歳までフリーターで旅をしながら生きてきた。

定職に就くと、旅ができないような気がしていたからだ。安定した仕事を得るより、安定して旅が出来ることが当時の私にとっては重要だった。

そんな私も25歳でとうとう年貢を納めた。正社員になったのだ。

はじめのうちはなんだかすごく大人になって偉くなった気がしていた。なんたって25歳までフラフラとしていたわけだから、会社員になっただけでも私にとっては大統領選に出馬したぐらいの大ニュースだった。

なかなかの忙しさにすぐに1年が過ぎた。かと思えば瞬く間に2年が過ぎた。異変が起きたのはここら辺。

心がずーんと重くなって、ストレスの塊になった。高校時代は無遅刻無欠席で3年間を終えて、寝坊なんてほぼほぼした事なかった私がどんなに目覚ましを鳴らしても朝起きられなくなってしまった。

そして月に1回熱が出て動けなくなるようになった。

これは自分でも驚いた。

生まれてこの方、2年間も旅をしなかったのは初めてだった。

だから旅に出ないと自分がどういう風になってしまうのかを知らなかった。

私は旅に出ないと心の具合が悪くなって、うまく体が動かなくなってしまうらしい。嘘みたいだけど、実際に身をもって体験してしまったのだから事実なのだ。

それからは年に数回、国内外を旅している。

人は変わらない事を好む。これは遺伝子としては正常だ。だって、食べたら死ぬものとか通ったら死ぬ場所とか太古の昔から生き抜いてきた知恵としていつもと同じことをすることが一番リスクが少ないのだから。

ただし、どうやら私は劣等種らしい。変わらない事がストレスでしかない。さすがに毎日すべてが変わってしまう事には動揺するけど、1年も2年も毎日同じことの繰り返しだと脳みそが解けそうになる。

だから私は旅をする。知らない土地と文化の中で出会う刺激がとても心地よい。私にとって旅をしないという選択肢はどうやら人生の中にはないようだ。


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