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タコヤキヤ

※この日記は2011年02月16日にmixiで書いたものです。



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2週間ぐらい前の話。休みの日に
「あっタコ焼き食いてぇーーヤベェェェーー!!」ってなった。

その直前までタコ焼きの事なんて微塵も考えてなかったけど
急にトップギアに入りました。
こういう事は誰にだってあるだろ?

ちなみに俺はタコ焼きのタコを抜く派なんだけど、
それって一体 何焼きになるんだい?

で、まぁ時間もあるから彼女と
タコ焼き食いに行こうって事になった。

俺が個人的に好きなタコ焼きってのが
『くくる』って店のタコ焼き(外フワ中フワ)で、
久々にくくる食い荒らしてやるぜオラーって思ってた。

そしたら彼女が
「地元にも美味しいタコ焼き屋があるからそっち行かない?」

って言うもんだから、
内心すげぇくくるに行きたかったけど
俺の口からは何故かイエス!という言葉が出ていた。

イエスマン “YES”は人生のパスワードってやつです。

車で小一時間ほどかけて目的地『ほていや』に向かう。
頭の中はタコ焼きと将来の不安で一杯だった。

これで美味しくなかったらどうしてくれようか…
とりあえずスクランブル交差点の真ん中で
思いきり四股でも踏んでもらうか…
てかムーディー勝山ってどこ行ったんだ…

などと考えていたら着いた。


中に入ると客はおらず、
店のおばさん2人が暇そうにしてた。

タコ焼き10個で350円。安いな。
迷わず10個入りを頼んで座る。

壁を見ると色々なTVとかで宣伝されたみたいで
なんか写真とかサインとか結構あった。
板東英二も写ってた。このおっさん神出鬼没だな。

中にはスピードワゴンの井戸田と安達祐実の
プライベートっぽい時の写真まで飾ってあったけど
こいつらもう離婚してんじゃん。
こんなんあったらココが地元の井戸田は
もう気まずくて来れねーだろ。

5分くらいでタコ焼きが出来上がったので食す。
かつお節も青のりも何もかかってないけど、
醤油の味が染みてて美味かった。

まぁでもやっぱ俺はくくるのが好きだったな!

熱い熱い言いながらもペロっと食い終わりまして、
ごちそうさまでしたーと店を出る。


しかし店を出て少し歩いたところ、
妙な違和感を覚えた。

あれ ちょっと待てよ?と。


ざわ…ざわ……いや…まさか、な…


頭の中で浮かび上がった疑惑を
それとなく彼女に聞いてみた。


俺「美味かったね。ところでお金って払ったよね?」

彼女「え?払ってくれてなかった?」

俺「…いや、俺 財布出してない」

彼女「え?」

俺「え?」


二人「…え?」


な なんという事でしょう!!
匠の手によってお金を払う事無く自然な振る舞いで
店を出てきてしまいました。

こ、これは…どうしたものか…。


途方に暮れていると、俺の脳内で
天使と悪魔が大乱闘スマッシュブラザーズし始めた。

天使『いいですか、これは神様がくれた贈り物なんです!ありがたくタダ食いさせてもらいましょう!なぁに、たかが350円ですよ!気付かない店側が悪いんです!フヒヒ☆』

悪魔『いや、お前よく考えろよ?350円でもし警察沙汰になって御用になったら情けないと思わねーか?大体たかが350円といっても店の人にとったら立派な売り上げだ!商売ナメんな!きっと今頃気付いて困ってるわ』

天使『なんやワレ』

悪魔『お?コラ』

天使『あ?』

悪魔『あ?』

天使&悪魔『ギャフベロハギャベバブジョハバ』


結果、悪魔が勝ちました。
何が神様がくれた贈り物だ!俺が神だ!
やっぱりお金は払わないと。


ぐるっと一周した後、店の前に車を止め
申し訳なさそうに窓を叩く。

俺「すいません、さっきお金払ってなかったみたいで…」

店のおばさん「え?」


未だに気付いてなかった。

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