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続・家族会議!

石川県の石垣です。前回の日記『やってみた! 家族会議』に綴った我が家の取り組みがどうなったのか、今日はその後について書きたいと思います。

家族会議を知った当初は、話し合い学習が好きな息子にはいいかも!と思ったものの、「なんだか面倒くさそうだな…」と感じて、なかなか取り組めずにいました。しかし、何度注意しても直らない息子(小6)の行動に夫婦共にほとほと困り果て、万策尽きて家族会議の開催に踏み切ったのです。
初めての家族会議の内容は前回の日記を見ていただくとして…。2回目の家族会議では、それぞれが決めた取り組み事項についての振り返りを話し合いました。

息子の取り組み事項は3つ。①ゴミを分別して捨てる、②歯科矯正装置(マウスピース)をきれいに磨く、③脱いだ服は洗濯しやすいように籠に入れる(表に返す、ポケットの中身を出すなど)。そして、私と夫は息子の①~③の取り組みについて『たくさん褒める(できたことを認め、言葉で伝える)』です。

まず、息子にやってみてどうだったか訊くと、「矯正以外はできた。」と一言。「他はできたのに、矯正が難しかったのはどうして?」と質問すると、「矯正は面倒くさかったし、忘れていた。3つ(の決め事)を一度にするのが難しかった。」と答えました。
さらに「ゴミと洗濯物はどうやったらできたの?」と訊くと「ごみ捨ては”ゴミ箱に捨てよう!”と思ったらできた。今までは面倒くさかっただけかな。洗濯物は最初は注意されたけど、意識したらできた。このままやればいいと思う。あと1週間くらいで慣れて(声をかけられなくても)自分でできそう。」と話してくれました。

最初は「矯正以外はできた。」という一言だけでしたが、質問を重ねることで息子が自分を振り返って感じたことや見通しなどの考えを言葉にする姿に、私は驚きました。今まではこんな風に突っ込んで質問しようとは思わなかったので、息子がそこまで考えられるなんて知らなかったのです。

今までの私は、息子の何度言っても行動が変わらないといった表面だけを見て、『この子は考えない(考えようとしない)』と無意識に決めつけていたから、息子の返答する姿を見て驚いたのだと思いました。でも、家族が対等の立場で話し合うルールの【家族会議】の場に身を置くことで、息子に対する私の決めつけを脇に置いて質問を投げかけることができたのだと思いました。

日常では親という立場にいると上から目線になり、表面の言動だけを見て「どうせ、こうだろう」「考えていない」などと決めつけがちになってしまう私にとって、【家族会議】は対等な立場で『人』として息子を見ることができる大切なツールになっています。
さらに、決めつけをなくして話を聞こうとすることで、息子の困った行動自体は良くなっていなくても、息子なりに頑張ろうとしていることや真剣に考えていることを知ることができます。そのお陰で、私は息子の困った行動を目にしても以前ほどイライラしなくなるという副産物も得ることができました。

今日まで5回の家族会議を重ね、息子が自分で決めたことをやってみて、彼なりに振り返り、次どうするか決め、またやってみる…。それを何度も繰り返して、今まで私と夫が頭を抱えていた息子の困った行動は、行きつ戻りつを繰り返しながらも改善の方向へ向かっています。さらには、これまで面倒だと嫌がっていたお手伝いも少しずつやってくれるようになっています。
ところで、私の取り組み事項はどうだったか?というと…。息子の取り組み状況について「たくさん褒める(認める)」ことだったので、息子の取り組み事項にまつわる物や場所を目にする度に、私の「たくさん褒める(認める)」という取り組みも意識せざるを得ませんでした。意識し始めると、例えば洗濯物がきれいにカゴに入っている「当たり前にできている状態」や、裏返っているけど指定の場所に出してある「できている部分」など、今までスルーしていた場面もたくさんあったなぁ…と反省しました。そこで、ポジティブな面を見ようとしたり、思ったその時にすぐに声掛けするようにしました。

そんなある日。矯正装置を磨いている息子に「最近よく磨いている姿を見かけるよ。頑張ってるね!」と声をかけると、「そうかな~?」と自慢げな表情。続けて「ここが凸凹で(汚れが)とりにくいんだよなぁ」という呟きが聞こえ、今まで無頓着だった息子からそんな言葉が出るとは!と彼の変化に驚いたことを覚えています。

振り返りの家族会議では、息子から「お母さんは…まあ、できていたんじゃないかな~」とのお言葉をもらうことができました。 今は息子とのコミュニケーションと笑顔が増えて、一緒に過ごす時間がさらに楽しくなっています。

ありがとう、家族会議!今後も色々なテーマで楽しみながら続けていきたいと思います。

2024年6月3日
石川県/石垣 恵美
NPO法人ハートフルコミュニケーション認定ハートフルコーチ 



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