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「探求」とは?~カブトムシの飼育から~

こんばんは。暑さも日に日に増し,夏が近づいているなと感じながら生活しています。まだ梅雨は来ていませんが。

さて,我が家では,毎年,カブトムシを飼育しています。
もう飼育して何年が経つでしょうか。飼育する上で失敗を経験しながら,今年もたくさんの幼虫が間もなくサナギになろうとしています。


1 そもそもカブトムシが好きだったのか

 私は,昆虫、虫という虫があまり好きではありません。本当に,飼育するようになったのは偶然で,思いがけないことがきっかけでした。触るのなんか,自分からはしないようにタイプでした。それがなぜ?こんなことに。。。

2 飼育するようになったきっかけ

 なぜ飼育するようになったかというと,数年前の夏のある夜,暑い夜だったので,部屋の窓を開けて網戸にして寝ていました。すると…
突然,「バン!」と何かが網戸に激突し,ベランダから羽のブーンという音が聞こえてきました。虫嫌いの私は恐る恐る電気を付け,ベランダに近づくと,大きな黒い物体が動いてます。なななんと!カブトムシのメスでした!
虫嫌いの私が無我夢中で,網戸を開け,素手で捕まえていました。虫嫌いなのになぜでしょうね。カブトムシというのは,きっと人の心を動かす魅力,昆虫の王様らしさなのか,何か引きつけるものがあるのだと思います。
 ここからなんです。捕まえたカブトムシを飼うことにしたのです。きっかけは突然,不意にやってくるものですね。

網戸に不意にやってきた!

3 飼育し始めて

 メスを飼い始めて,ふと思いつきました。「カブトムシのオスがいたら卵産むんじゃね?」と。偶然にまた網戸に来るわけもなく,ペットショップに行ってみたのです。試しにオスを一匹購入しました。虫嫌いだった私が。
 メスとオスを一緒に飼育して晩夏を迎え,カブトムシが土の中に潜ったまま全然出てきません。「ん~,どうしたんだ?」と思い,インターネットで調べてみることに。調べると,「しばらく潜っているときは,産卵している可能性があります。」と書いてあるのです。なんだか期待してしまいましたよ。「卵あるんじゃね?」と。ただ,よく分からない私は,とりあえずケースを掘ることもせず待ちました。しばらくすると,オスもメスも土の上に出てきたのですが,寿命なのか弱っている様子でした。間もなく,成虫は動かなくなりました。秋も近かったですし,当たり前ですね。
 成虫が死んでしまったケースの土を掘る勇気はなく,ケースの下から卵ないかなーと見ていると,またまた「ん?」と気になる物がありました。白くて小さくて,幼虫みたいなものが動いてるのです。それは,幼虫でしたよ!
見つけたときは,とてもわくわくどきどきでした。うれしかったですねー。
幼虫を見つけて,虫嫌いの私がこんな気持ちになるなんておかしいもんです。全部で6匹みつけました。
 そこからは,幼虫飼育のために,いろいろ手をつくし,分からないことがあれば調べ,ペットショップで聞き,たくさん試行錯誤しました。死んでしまった幼虫もいて申し訳なかったです。幼虫もサナギも成虫になるまでもほんと自然界の仕組みってすごいです。成虫になる段階で,蛹室が壊れてしまい,羽が奇形になったものもいました。これもまた,申し訳なかったです。
生き物ってデリケートですよね。
 この年,何とか無事に成虫まで育ったのが6匹中4匹でした。
無事に成虫になったのを見たときには,感動!感動!感動!でした。虫嫌いだったのに。。。ほんと不思議なもんです。


オスの姿を見たときにはほんと感動!


4 その後・・・

 無事に成虫になった4匹(メス③、オス①)をしっかり飼育し,卵を産ませ,幼虫を飼育して,また成虫にする・・・というのを毎年続け,今があります。
 今年は,なんと過去最多の24匹の幼虫を現在飼育しています。幼虫も触れるし,土替えなど,基本的な飼い方はけっこう身に付けたと思います。今年度は,学校でカブトムシコーナーを作って,子供たちにサナギの様子を見せたいなーと画策中。虫嫌いの私がこんなにカブトムシ飼育に何年も夢中になっているってほんと奇妙です。さすが昆虫の王様です。
 数年前に窓に飛んできたメスがいなければ,こんなことはしていなかったでしょう。昆虫嫌いの自分が幼虫を触り,一生懸命に飼育し,分からないことは調べて何とかする。また,今でも飼育し続けて,仕事にも生かそうとしている。すごいですねー。この変化。今思うと自分でもビックリです。

5 これこそ「探求」かな

最近、ふと「このカブトムシ飼育って,探求だよなぁ」と思っています。

①偶然に起きたことをきっかけに,興味をもつ。
②苦手なことだけど,やってみようとする。
③分からないこと,うまくいかないことがあるが,課題家解決のために
 調べたりする。
④トライ&エラーを繰り返し学ぶ。
⑤一つの課題をクリアしても,また課題が出てきたら,何とかしようとす
 る。
⑥興味が持続し,改善を繰り返しながら,年単位で継続する。
⑦自分がやってきたことを誰かに伝えたいと思う。

これって探求みたいなもんだよなーと思っています。クラスの子供たちにもうまく伝えられたいいなーと思うのです。

学校の「探求」って,課題を与えられることからスタートすることも多いと思います。探求について,教師自ら「探求とは?」と問いを立て,自分の生活の中で探求的なことがないか探してみても面白いと思っています。教師自身が探求的でないとね。

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