AI-OCRの優位性はわかった。でも、将来性はあるのか?

はじめに

AI-OCRは紙媒体の手書き文字を読み取り、デジタルデータに変換してくれます。
令和になっても紙やFAXを多用している日本企業にとっては、大変ありがた~い製品としてもてはやされています。
古き良き日本企業のDX推進プロジェクトにて、たびたびAI-CORを扱ったことがあるので、その時に感じた所感を纏めます。

AI-OCR導入の効果はあるか?

私の見解としては、読み取る帳票の仕様に大きく左右するが、AI-OCRを使うことで業務効率化は可能。でも、「そもそも紙媒体の利用辞めれば?」という気持ちに毎回陥る。

たとえ話

日本でFAX全盛期の1990年に、まだ国民全員に電気も普及していないような国(ここではA国とします)がありました。
それから20年の時を経て2010年、A国は国中で電気とインターネットが使える環境が整いました。
A国のメーカーS社は、宅配お弁当会社のR社に対して「幕の内弁当を10個、12:00に届けてください」と伝えたいです。
で、伝達手段としてFAXを使うと思いますか?(電話線有無の問題は一旦おいといて)
1990年にFAXが使えなかったからこそ、FAXという伝達手段を知らないまま「幕の内弁当を10個、12:00に届けてください」とチャットなどで伝えられます。インターネットがあるんで。
何なら弁当屋で「弁当種別/個数・お届け時間指定システム」をGoogleフォームなんかで作って、お客さんに入力してもらえばOKです。

所感

リープフロッグ型発展を遂げた企業にAI-OCRは不要

<リープフロッグ型発展とは>
既存の社会インフラが整備されていない新興国において、新しいサービス等が先進国が歩んできた技術進展を飛び越えて一気に広まること

Wikipedia

日本は比較的豊かな国で、最新のイノベーションが順番に導入されてました。
だからこそ、過去の遺物的な仕組み・仕事のやり方が多いです。
再度たとえ話ですが、日本で創業100年を迎えたN社を潰して、真横に全く同じビジネスモデルの会社、N’社を作ったとします。
「その時、AI-OCR必要?」といつも思います。
「今のやり方を根本から見直せば、紙媒体自体を排除できるよね?」ここまで踏み込んだDXを推し進められれば、AI-OCRはいらない。というのが私の所感です。
そういう意味で「この世から紙文化やFAXがなくなった世界線では、AI-OCRの将来性はあるのか?」といつも思ってしまいます(悲しいことですが、日本では当分AI-OCRは必要とされるでしょう。)
取引先を巻き込んだ、業務全体の見直しが実現して初めて、業務効率化は最大化されると思う今日この頃です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?