友達が芸人目指してる
あ、俺はそっちタイプの人間なんだ、と思った。
八月、幼稚園来の親友が俺の下宿にふらっと泊まりに来た。けっこう深くまで飲んで、二時くらいに煙草を吸いながら深い話する流れになって、芸人を目指していることを告げられた。
そっからは、M1に出たときの話とか、キングオブコントの話とか、そいつと相方の出会いとか、漫才のネタとかを見せてもらった。
この間、地元に帰ったとき、親友四人で鳥貴族で飲んだ。その時、そいつが「そろそろ毎日ネタ作らなあかんなぁ」って言ってた。
俺はその時、こいつが芸人になるために、できることは何でもしたろうと思った。俺は働くから金なんかなんぼでも貸したる。そう思うと同時に、あぁ、俺はそっちタイプの人間なんだと思った。
俺は就職志望だ。生きたい企業もあるし、どんな大人になりたいかのビジョンもある。でも、ホント言うと、働きたくなんかないし、作家とか冒険家としてか、高等遊民として暮らしたい。そりゃあ。でもまあ、そんなん無理って思ってるし、努力量に対してリターンが得られにくいなあとか考える。そういうタイプか、と。
そいつが芸人になりたいのが何でなんかは知らんけれど、一つには就職なんかしたくない、まともに働くのなんてつまらないという思いがあるんかな。
こいつの友達をやるのおもろいな、と思った。
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