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2017年12月25日の私へ

2017年12月25日の私、お加減いかがですか?

こちらは2021年12月25日の私です。ご機嫌よう。今絶対、私に向かって「なんだこいつ、消えろ」って思いましたよね。すみません。2017年の私に、今の私の言葉が届かないことなんて重々承知しています。これはお説教でもなんでもなく、未来からの感謝です。読みたくなかったら読まなくていいよ。読んで、最低!って思ったら携帯投げていいよ。でも、感謝だけは書き残しておこうと思ったのです。

4年前の私、生きていてくれてありがとう。貴方が生きているおかげで、私は今年一年、最高に幸せでした。


2017年の私は本当に大変な一年でしたね。でも、大変なりに本当に色々なことをよく頑張っていたと思います。そう言われても多分、信じられないでしょう。自分は怠けてるとか、不細工で太っていて死にたいとか、そんな事を貴方が今も思っているのを知っています。

私の記憶が正しければ、2017年12月25日の貴方は、体重凡そ32kg。BMIだと13.6。17年の夏に頑張って入った大学を休学し、絶望に暮れていましたね。心も体も調子が悪く、荒んで苦しい時期です。食べては吐いてを繰り返し、体力がないので床でずっと眠っているけれど肋骨が床に擦れゴリゴリと痛く、睡眠薬を飲んで眠って起きて食べて吐くだけの生活。コンビニでたくさん食料を買い込むためのお金がなく、親に黙ってキャバクラで働いていましたね。そこからついに低カリウム血症でぶっ倒れたのが、11月だったでしょうか。人生が底を尽きて、それでもなんとか生きていくためにご縁のあった会社で働き始めてから、まだ二週間も経っていなかったはずです。

お仕事から帰ってくる道すがら、新宿三丁目から副都心線に乗って、貴方は恋人に連絡をします。少し遅れたけれどクリスマスのお祝いを二人でしよう、と伝えるために。

ごめんね、2017年の私。単刀直入に伝えます。貴方はこの後その恋人に振られます。よりによってクリスマスに、振られます。一度冷静ぶって電話をかけますが、そこで貴方は取り付く島もなく振られます。終わりが近いのは気づいていましたよね。恋人とは夏ごろからうまくいっていませんでした。貴方が髪を切って染めた時(似合っていましたよ。あの頃の貴方を真似て今私もショートカットです)、恋人とはしばらく音信不通になりましたから。その時にもう無理だろうとは思っていたんじゃないでしょうか。

貴方は年末から年始にかけて泣き暮らし、ちょっと恋人の面影を感じる当時のヒットソングの「Lemon」を聞けなくなります。占い師さんを頼るものの復縁は無理と言われ、ネットの怪しい復縁のおまじないに手を出そうとします。何より、恋人に振られた後、貴方はふんわり鏡月のアセロラ味を一瓶と、ストロングゼロを二缶、クリスピークリームドーナツ12個と銀だこ30個を平らげて非常に具合が悪くなります。しかも睡眠薬を飲んであわよくば死のうとするので、明日は体調が悪いはずです。飲み過ぎは禁物ですよ、お酒も薬も。

貴方は信じられないかもしれませんが、私は今年一年とても悩みつつも幸せでした。貴方は何度もそのあと死のうかと考えていますが、もう少し、…できれば2ヶ月ほど、待ってみてください。貴方の人生は、今の貴方が思いもよらない程度には良くなりますから。安心して、信じてください。

貴方が今いる会社に貴方がいるのは、2019年の暮れまでです。2019年の暮れに、新たに素敵な会社と出逢いを果たして貴方は今の会社を辞めます。大丈夫、その会社にはまだしばらくいてください。本当に、これから多くのことを学び、素敵な上司部下に恵まれた日々を送ります。途中、しんどいプロジェクトを任されることもあると思います。貴方は失敗します。でも問題ありません。2021年の私は、たぶん貴方が思うよりなんとかなってます。

仕事はとても楽しいものですよ。苦しかったり、プレッシャーで潰れる夜もあります。もういっそ全部やめて飛んでしまおうかと思うこともあります。でも、死にたいとは思わなくなりました。安心していてね。貴方の希死念慮はいずれ影を潜めます。

今年一年、いろんなことがありました。大きな学びと反省があるとしたら、「人を信じて任せるのって難しい」。…ねえ、信じられますか? 自分がそんなことで悩むことになるなんて。今はきっと、人と関わるとか人に任せるとか、そんなこととても考えられないと思います。でもそれでいいよ。大丈夫。それくらいあっという間の一年を過ごしました。とにかく過ぎない時間を、床と肋骨で皮膚をすり潰しながら追っていったあの頃はもう私の元にはありません。

貴方が今とても後悔していることがなんなのか、私は知っています。先日、両手にたくさんのお菓子の入った袋を持って家に帰りましたね。もちろん、全て貴方自身が食べて吐くためのものでした。こっそりこっそり家の鍵を開けて入ったつもりなのに、貴方のお母さんは「おかえり!」とキラキラした笑顔で玄関の貴方に駆け寄りました。貴方はその場でお母さんを睨みつけ、こんなに食べ物を買い込んでいるところを見られたくなかった、と号泣して泣き崩れます。せっかく貴方の帰りを歓迎してくれた人がいて、嬉しかったはずなのに拒んでしまったこと、それがどんなにお母さんを苦しめたか貴方もよくわかっていたはずです。反省してください。でも、今年の私は、お母さんに何度かそのことを謝ることが出来ました。

2017年の私に今の私が伝えられることがあるとしたら、ひとつだけ。「生きていて下さい」。死なないでください、どうか、どうか。貴方が死ななかったから、私は今年一年をとても楽しく過ごせました。本当にありがとう。

貴方の未来は私が預かります。きっと幸せにするので、どうか生きていて下さいね。今は苦しいけれど、必ず光は見えます。

良いお年を、来年の貴方にはたくさんの幸せが訪れるので、どうか自暴自棄にならず。体を大切に過ごしてね。

スタートアップでがんばっております。ぜひ翼をさずけてください。