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「義務の家事」が親子の時間に。好きなことを子どもと一緒にしてみたら幸せな時間が増えた。

家事に育児に仕事にと、慌ただしく毎日を過ごしていると子どもとのコミュニケーションはしっかり取れてるのだろうかと不安になる時がある。時間のやりくりに悩んだり、私って欲張りなんだろうかとしんみり思ったり。

そんなある日、気が付いた。
あぁ、子どもとのコミュニケーションの時間は新たに作らなくても、毎日の生活の中にすでにあるって。

例えば料理の時間がそう。
我が家の3兄妹(9歳、7歳、5歳)は食べることが好きで、料理にも興味津々のご様子。
トントントンと音がしたりや、ふわっと香ばしいかおりが部屋に広がると
「何作ってるの~?」とキッチンにやってくる。

私は料理が好きだから、ついうれしくなって

「特別に、味見係に任命です!」

なんて言うと
子どもたちはキラキラと目を輝かせて、口をパクっとあけて待っている。

「おいしーい」という日もあれば
「ちょっと塩味が足りない」なんて料理評論家の先生みたいなことをいう日もあって、なかなか面白い。

こんなことを続けていると、子ども達は「僕も、私も作ってみたい」と言うようになった。ついに来ました。作ってみたいコールです。
気持ちと時間に余裕がない私は「今はちょっと…」と言いたくなる。

だって自分で作った方が早いし、子どもに分かるように伝えるのもちょっと大変。
そもそも伝えたとしても、思ったように動いてくれるかは分からない。
それにキッチンだって、あっちこっち汚れるよね。
そうなると片付けのことだって考えてしまう。

「いいよ」なんて気軽には言えないぞ。

でも、子どもの興味関心はいつ消え去るか分からない…
そう思うと、「また今度ね」と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、
覚悟を決めてお誘いした。

「一緒にしてみる?」

はじめは、プチトマトを洗うことからスタート。
軽く洗うだけでいいし、ヘタを取るだけでお仕事は完了。
子どもをちらりと見てみると満足そう。うん、いい感じだ。

またちらりと見てみると、すごいスピードでプチトマトを食べている。
うっかりしていると付け合わせの野菜がなくなってしまいそうな勢い。これは危険だ。

そのうちパンケーキの生地を混ぜたり、目玉焼きを焼いたりと少しずつ出来ることが増えてきた。 最近だと、トーストを焼く際、食パンの上にチーズで壁を作りその中に玉子を割りいれるというアレンジ料理までするように。
とはいえ、包丁を握る姿にはひやひやさせられるし、ピーラーで人参の皮をむくのも危なっかしい。この間は、鍋肌に手が当たって「あっつーー」と小さな指をやけどしてしまった。

まだまだ安心して任せることはできない。

でも一緒に並んで料理をしていると、隣から「おいしくなーれ」と小さな声でおまじないをかけてる声が聞こえたり、学校であった話や友達とのやりとりが聞けたりする。
そうするとキッチンがたちまちふわっと温かい空気に包まれて、なんだか優しい気持ちになってくる。

「食育」なんて言葉もあって、料理を通して段取り力や集中力を鍛えたり、栄養素や食材の知識を身に着けたりできたらいいなという気持ちもあるけれど、今の我が家ではキッチンはただのコミュニケーションの場。

好きなことや楽しいと思うことをしていれば、自然と会話は弾む。
おいしいものができれば、やっぱり幸せな気持ちになる。
まぁ、このまま子ども達が料理を好きになってくれたら、何年か後には「今日のご飯は作るよ!」なんて言ってくれないかな。なんてよこしまな気持ちもあるけれど。

私の場合はたまたま料理だったけれど、親が得意なことや好きなことを子どもと一緒にしてみるといつもの時間がコミュニケーションの場に早変わりする。
いつまで子ども達と一緒にいられるかは分からないけれど、時間をかけてゆっくりといろんなことを発見したり、伝えたりしていけたらいいな。
なんてことを考えているともうこんな時間。

さーて、子ども達とご飯を作りましょうか。


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