エセヴァージンヘア

私は髪を染めたことがない。
私が高校生や大学生の頃は、「茶髪にするのが当たり前」という風潮があった。だから、友人や同級生はおそらく髪を染めているのが大半だったように思う。

私の父親は厳しいというかそういうことには保守的で、髪を染めることは許さなかった。私自身は自己主張が苦手＆そこまで髪を染めたい願望がなかったから（反面、少しあった）、三十路を過ぎた今でもずっと黒髪を貫いている。

そう、綺麗で美しい黒髪……のはずが最近、ちらほらと白いものが目立ってきて悲しい。一度も染めたことがないのに、初体験が白髪染めなんてなんだかちっとも夢がない。
だから今年に入ったくらいから、急速に髪を染めたい願望が加速している。実は心の奥底にちょっぴりあった「染めてみたい……」が「白髪染めせざるを得なくなるまでに、一度でも素敵な色に染めてみたい！」になっている。

「日本人たるもの黒髪」。素晴らしいことだと思う。しかし……
「一度しかない人生、冒険」。これもまた素晴らしい。そう思うのです。

ちなみに、タイトルを「エセヴァージンヘア」にしたのは……パーマなら一度くらいかけたことがあるし、ヒドい癖っ毛なので縮毛矯正は数ヶ月ごとにかけているからです……。

どうせなら、正真正銘のヴァージンヘアを保てれば良かった……！