PCIF1-mediated deposition of 5-cap N6,2-O-dimethyladenosine in ACE2 and TMPRSS2 mRNA regulates susceptibility to SARS-CoV-2 infection

参考文献

https://www.pnas.org/doi/10.1073/pnas.2210361120

真核生物のメッセンジャーリボ核酸(mRNA)に最も多く存在する修飾の一つであるN6,2-O-dimethyladenosine(m6Am)が、ヒト細胞へのSARS-CoV-2感染においてどのような役割を果たすかを検討した研究です。

ゲノムワイドなm6Am-exo-seq、RNAシーケンス解析、CRISPR/Cas9ゲノム編集を用いて、キャップ特異的アデニンN6メチル化酵素であるリン酸化C末端ドメイン(CTD)-相互作用因子1(PCIF1)がSARS-CoV-2、懸念される変異株、その他のコロナウイルスによる初代ヒト肺上皮細胞や細胞株の感染を促進する主要因であることが明らかにされました。

PCIF1が、m6Am依存的なmRNAの安定化を介して、コロナウイルス受容体のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)および膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)の発現を維持することによって感染を促進することも明らかになり、PCIF1を欠失した細胞では、ACE2/TMPRSS2の発現とウイルス感染の両方が、触媒的に不活性なPCIF1ではなく野生型の再発現によって回復しました。これらの結果は、PCIF1とcap m6AmがSARS-CoV-2感受性の制御に関与していることを示唆し、感染予防のための治療標的を特定するものであるとのことです。

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