デッサン(音楽瞑想)

みなさま、こんにちは

今朝の「音楽の絵本(84)」(音楽瞑想会)ありがとうございました。
今回は「デッサン」というエッセイを演奏とともにお送りいたしました。

アーカイブは以下でご覧いただけます。
https://youtu.be/xBK8BrJYqX4

KABUTO 音楽の絵本
Story-84 デッサン

「目を閉じます。「デッサン」というと何を思い浮かべるでしょうか。日本語では素描(そびょう)と訳されていて「絵画などの着想のだいたいを書き表す下絵」のことを言います。鉛筆などを使い1色で書かれることが多く、その下絵が完成すると、絵の具などで色を塗り、絵ができあがっていきます。

画用紙に鉛筆でいくつもの線を描いていく。イメージと違ったら線を描き足す、全然違うと思ったら消しゴムで消してやり直す・・・。

今朝は、この「デッサン」を自分がしたいことや自分の人生に譬えてみたいと思います。

人生も「デッサン」のように、線を描き足したり、消しゴムで消したりするように、自分のしていること、何か1つ取り上げても、ああでもない、こうでもないと迷いながら日々を過ごしているものです。

自分の夢、将来も「以前はこんなふうになれたら」と思っていたのが、月日が経つに連れて、また深く探求していくうちに、まったく違うゴールが見え始めることがあります。
また「その完成形が自分にとって本当に最良なの?」と思ったり「これって本当に自分のしたいこと?」と疑問を持ち始めて、夢自体がおぼろげになったり、自信を失うこともあります。また、一筋の光が差し込むように、次の一歩が見つかることもあります。

画家が白い紙に向かい、迷いながらも答えを見いだすように、我々も日々のできごとに向き合い、答えを見つけていきます。

デッサンは鉛筆で描いたものですから、何度でも描き直すことができます。何度も描き直して、消しゴムで消しているうちに紙が破れてしまうこともあります。そんなときも、新しい紙を用意して、1から描き始めることができます。
人生は非常に困難なことに遭遇することがあります。そんなとき、もがきながらも自分自身の道を、自分ができる最初の一歩を見いだしていきます。我々は誰しも創造、クリエイトする力を持っています。その力が、かけがえのない新しい線を描き始めます。そしてその線に色が塗られて、未来をつくっていきます。

ある会社の社訓に「つぐもも」というのがあります。「次」という字と漢数字の「百」という字の熟語「次百(つぎひゃく)」と書きます。これで「つぐもも」と読みます。
次が百ですから、99ということになります。この会社の社訓の意味は「常に99で1つ足りないと思って仕事に取り組んでください。そうすれば必ず新たなアイデアに出会える。」いうことでした。

デッサンも同じで「何か足りない、何か足りない」と思って線を描き足しているうちに絵の完成形が見えてくる。人生も「何か足りないと思うことで、新たな自分に出会える。」と思わせてくれる社訓に思えました。

心が今とても穏やかです。安心と幸せの中にいます。

世界的に有名で、とても長いキャリアを持った男性のジャズピアニストがこんなことを言っているそうです。
「もっと上手くなりたい」
「もっともっと練習して上手くなりたい」
熟練の域に達していて、多くの人をすでに魅了している80歳台のアーティストが、日々このようなことを言っているそうです。

この話を聞いたとき「今でもデッサンを描き続けているんだよ」と言っているように思えました。
「もっと上手くなりたい、もっと勉強したい」
これは「一生完成などしない、また完成しないからいい」という永遠を感じられる言葉に思えましたし、そう思えるということはとても幸せなこととも思えました。

またさらに「生まれかわったら、またこの続きをするんだ。」と思えたら、もっともっと幸せなのかなと思えました。
「生命が永遠に続いていく」今、宇宙の中で、すべてが永遠、無限、そんな気持ちでひとときを過ごしたいと思います。

ゆっくりと、もともとのあなた自身を感じていきます。
目を閉じたまま、だんだんとご自身に戻っていきます。
自分自身を感じていきます。全身を左右に少し動かしてみてください。
手の平を広げてください。

「人生はどこまでいってもデッサンを描き続けている」その幸せを感じています。ご自身がかけがえのない存在であることを思い、安心と幸せに包まれていることを感じます。

ゆっくりと目を開けてください。
ありがとうございました。
今、素晴らしいエネルギーに包まれ、満たされています。
すべてがひとつということは、あなたはすべての命「ひとつひとつ」であるということです。
良い一日をお過ごしください。」

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