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見えない女性との出会い

「フランシスさま、今も後ろにその女性の霊がいます!」

鑑定士の方に、不意にそう指摘された!

まさか対面鑑定の会場にまで、霊がついてきていたなんて……

・ ・ ・ ・ ・ ・

振り返ること3ヶ月前……

「オーラが見えたらいいなぁ」

なんとなく私は思い立った。

深い意味はない。

それまでイベントなどでオーラ写真を撮ってもらうことはあったが、自分の目で見えたらいいなぁ、という淡い願望のようなものだった。

思い立った私は、夜寝る前にフトンに入りながら、手のひらをじっと眺める時間をとるようになった。

目を細めたり、手のひらをゆっくり動かしたりしながら、オーラを見る練習をしていた。

訓練を続けているうちに、はっきりとは見えないが、なんとなく蒸気のような白い湯気が手のひらから出ているのが見えるようになった。

といっても、水蒸気かオーラかよく分からないぼやけた湯気のような感じで、見えたからといって、どうなるわけでもなかった。

ただ……

こつこつ練習を続けているうちに、紫の水蒸気や緑の水蒸気など、色のついた水蒸気が見えるようになってきた。

たいていが紫か緑、たまに黄色だった。

オーラだろうか。

ただの水蒸気ではなく、だんだんオーラっぽくなってきたが、だからといってどうなるわけではない。

手のひらの指先から、薄い透明感の色がついた湯気がかすかに見えるだけだ。

それもいつも見えるわけではなく、見えたり、見えなかったり、安定して見えるわけではなかった。

しばらくは、寝る前にフトンに入りオーラを見る練習をする日々が続いた。

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そんな状態が3週間くらい経っただろうか。

ほそぼそと練習を続けていた私は、不思議な光景を目撃するようになった。

白い湯気のつぶつぶみたいなものが、部屋の壁にそってサーッと動いていたのだ。

ん?

何だろう?

目をこすって壁を見ると、白い湯気のつぶつぶはもういなくなっていた。

次の日……

夜、手のひらのオーラを見る練習をしていると……

また、スーッと部屋の壁沿いに何かが横切った。

今後は、透明感のある紫色のつぶつぶで、握りこぶしくらいの大きさだ!

私は見失わないように、つぶつぶの動きを目で追った。

意外と早い!!

壁の端までいくと、今度は天井に向けて上がっていき、天井沿いに移動している!

どこに行くんだ!

私が視線で追っていることに気づいたのだろうか。

その光の塊は、逃げるかのように素早く天井を移動し……

天井の蛍光灯の中にスーッと入っていき消えてしまった。

シーンと、静まり返った部屋。

蛍光灯から出てこないか、私はしばらく眺めていたが、そのまま出てくることはなかった。

一体何だったんだろう?

プラーナ

ネットで調べると、そんな言葉がヒットした。

プラーナとは、私たちの空間に満たされている生命エネルギーで、見える人には光のつぶつぶのように見えるという。

スピリチュアルな概念だ。

私が見たのはプラーナだろうか?

光のつぶつぶという点では似ているが、少し違うような気がする。

私が見たつぶつぶの塊は、壁や天井沿いに素早く移動していた。

あれは一体?

結論が出ずにモヤモヤしながら過ごしていた私だったが……

数日後、事態はさらに進んでいった。

いつものように私が、手のひらのオーラを見る練習をしていると、今度は、壁の上のほうに、光の渦巻きがフワフワ浮かんでいるのが見えた。

大きさは握りこぶしくらい。色は透明感のある緑色。

今度は逃げずに、プカプカ浮いているだけだった。

この光の渦巻きは一体?

スピリチュアルに興味はあるものの、現実思考の私。状況が理解できない。

その日以来、部屋の壁の上のほうで、光の渦巻きがフワフワ浮かんでいるのが見えるようになった。

色は日によって違った。紫だったり、緑だったり、黄色だったりした。

ときには、いくつもの光の渦巻きが、壁沿いにフワフワ浮かんでいることもあった。

そういえば……

手のひらのオーラを見る練習をしているとき、私に見えるのは、紫、緑、黄色の水蒸気だ。

私には、この3色のオーラが見えやすいのだろうか。

というか、この光の渦巻きはもはやオーラではない!

さすがにこれは、霊的な存在ではないだろうか。

さすがの私も、この状況はどうみても霊的な現象だと感じた。

大丈夫だろうか?

心配になった私は、霊的な鑑定をしている鑑定士の方に対面鑑定の予約を入れた。

まさかそれが、女性の霊だったなんて……

そして、

冒頭の対面鑑定の席でのセリフを言われた。

それが、みゆきさんとの初めての出会いだった。


(続く)


■ 執筆者 : フランシス


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