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コーヒー焙煎メモ

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早川コーヒーというところで「おすすめセット」というバラエティセットを買って楽しんでます。そのメモ。
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2019年2月の記事一覧

今世紀コーヒーが美味しくなった話(下)

(続き) おいしい豆が栽培されるようになった20世紀後半、コーヒーの品質は上がらない状況が続きました。なぜなら、冷戦期間中、主要なコーヒー産地は内戦等で政情不安定が常態であり、コーヒー作りどころではない状況が長かったからです。コーヒーの代表的産地である中南米のブラジル、コロンビア、グアテマラ、エルサルバドルなどでは軍事独裁政権とゲリラの戦いが続き、時には激しい内戦になり経済は不安定でした。第2位の産地ベトナムは言わずもがなベトナム戦争がありました。モカコーヒーで有名なエチオ

今世紀コーヒーが美味しくなった話(上)

この20年ほどでコーヒーを取り巻く環境は様変わりし、おいしいコーヒーが気軽に飲めるようになりました。こうなった特に重要な要因として、 1. 作り置きをしなくなった 2. 焙煎豆を新鮮なうちに使うようになった 3. おいしい豆を容易に入手できるようになった の3つを挙げることができます。詳しい話については(文中でも紹介している)旦部幸博さんや川島良彰さんの本に当たるのが良いと思いますが、ここでは豆知識レベルの話として簡単に書きたいと思います。前後半に分けますが、前半(上)で

ベトナム ロブスタG1

スペシャルティでもなんでもなく、そもそも品種ではなく種のレベルで異なる(普通のコーヒー=アラビカ=Coffea arabica; 染色体数44、ロブスタ=Coffea canephora; 染色体数22)。香りはそれほど華やかなものではなく、カフェインとクロロゲン酸が多くて苦みも強いため、値段も安い。 ただし、ベトナムで練乳で味付けしているように、深煎りにすれば濃いミルクで甘くしても全く負けずに個性を主張し続けるという他ではなかなか得られない特徴がある。アラビカ種ではコーヒ

ブラジル カラメリッチ

💗💗 ブラジル中部のモンテ・カルメロ農協集荷の選別品。香りはナッツ香、トースト香、キャラメル香が強い。海外では普通にBrazil Monte Carmeloという銘柄で売られており、「カラメリッチ」はおそらく日本販売用の名前だろう。 名前にふさわしく、香ばしい香りで、味は柔らか。フルシティくらいで煎ればブラックでも飲みやすく、ミルクを入れてもおいしい。華やかな香りを求めるので無ければなんにでもあう安定した品質。集荷選別品であり年による品質変動も少ないのもメリットである。ブ