恐怖体験「6名様に増えたんやね」
本文章はミルクティー大好きさんの主催される、Discord『ミルクティーの部屋』#怖い部屋へようこそ!へ投稿したものです。
一発書きで未校正のため、かなりの乱筆であることをご容赦願います。
私の体験談であり、記憶を頼りに書いたものです。
話の性質上、詳細をボカしている部分がございます。
いま、深夜にお一人でこれを読まれているならば、
ここから先を読むことを私はおすすめいたしません。
……それでは、お読みください。
少し長めになりますが、 昔、ある店でバーテンダーをしてました。
ドリンクを作ったり、カウンターのお客様に接客したり、 ホールスタッフへ指示を出すのも仕事です。
ある金曜日の開店前にボクは、ご予約台帳を確認しました。
ボクが書いた「金曜20時お誕生日会5名。女性2名・男性3名」 その横に付箋してあって「お昼にケーキとクラッカーを預かり済み。1時間経ったらサプライズ」って書いてました。
そのお店には奥の方ボックス席があって、ちょっと奥まっててVIPルームみたいな感じになってました。
ご予約どおり、女性2名・男性3名がご来店されました。
金曜日だったので忙しく、ドリンクを作り続けながらカウンターのお客様の話相手になっていました。
ホールスタッフがボックス席のドリンクオーダーを取ってきたんですけども、 オーダーは6杯分だったので、あれ?ご予約は5名やったけど増えたんやなーと思いました。
「6名様に増えたんやね」とスタッフにも確認しました。
そのスタッフは「女性3名、男性3名です」と返事しました。
厨房に「ボックス席が6名様に増えたって言うといて」と指示しました。
料理長は気をきかせてくれ、オードブルや料理をいつもより多めに作ってくれました。
当時はガラケでカメラも付いておらず、店にはインスタントカメラを置いていました。
スタッフに「記念撮影した後にケーキを3回カットしてね。ちゃんと均等に切れる?」と言うと、 スタッフは「大丈夫ですよー」と笑って言いました。
ドリンクのラストオーダーは5杯。それにチェイサー(お水)がひとつ。
しばらくして、幹事の男性がこっそりとレジ前に来て「お会計を4で割ってください」と。
「美味しかったしサービスもしてもらってみんな喜んでいます。」と言ってくださいました。
お客様たちが退店されたあと、スタッフに訊ねました。
記念撮影で写した時、何人だった?と。
スタッフは「6人でしたけど?」と不思議そうに言った。
翌週金曜日に幹事の男性と誕生日だった女性がご来店されました。
店を気にいってくれたそうです。
カウンター席にご案内すると、男性はビール、女性はグラスビールとカシスオレンジをご注文されました。
「この人乾杯だけはビールにしろって言うんですよー」と。
さらに続けて、パーティの後にお付き合いすることになったと嬉しそうに話してくださいました。
来店されたお客様がカップルになられるのはお店側としても嬉しいことです。
女性は「あの日はとても楽しかったです」と言いながら、 「スタッフが撮影してプレゼントした写真」をハンドバッグから取り出しました。
バーテンダーは嘘をつきます。 私もその時、とっさに嘘をつきました。 「末永くお幸せに。」と。
なぜそれが嘘なのかを最後にお話しします。
写真には5人しか写っていませんでした。 そして、あの日いたはずの女性がお二人の後ろに立ち、男性を睨んでいたからです。
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