見出し画像

【超初心者向け】オオクワガタの幼虫飼育の始めかた

こんにちは。

オオクワガタの飼育に憧れがあるものの
何から始めればいいかわかない方もいるのではないでしょうか?

私はオオクワガタのブリードを数年していますが
最初は何から始めたらいいのかわかりませんでした。

そこで今回はオオクワガタの幼虫飼育を始める場合に
何から始めたらいいかを解説したいと思います。


1.幼虫はどこで買う?

まずそもそもオオクワガタをどこで買うべきか悩む方も
多いのではないでしょうか。
やはり生き物を飼うからには専門店で買ったほうがいいのか?
そう思う方も多いと思います。

結論からいうと、ビギナーの方はできるだけ
専門店で購入するほうがいいです。

というのもホームセンターなどに稀に売られている
オオクワガタの幼虫は血統の管理や栄養の管理が全然されておらず
折角飼育したのに死んでしまったり、羽化不全を起こしたりする割合が
高くなるからです。

昆虫ショップで買う幼虫であれば
血統はしっかり監視されていなくても
ちゃんとした環境で育てられた元気な幼虫を手に入れることができるので
その後の育成も非常にスムーズにいくことが多いです。

初心者の方にはあまり知られていませんが、
オオクワガタの飼育においては成虫になるまでに
死んでしまうことがしばしばあります。
しかし、飼育環境次第でその死亡率は大きく抑えることができますし
逆に血統がよくなくても70㎜クラスの成虫を得ることができます。

でも家の近くに昆虫ショップはないという方も多いと思いますが
そんな方にはネットでの購入をオススメします。

今の時代色んなものがオンラインで販売されていますが
昆虫の有名店はだいたいオンライン販売をしています。
検索してみると色々出てきますが、上位表示される有名店舗で買えば
ほぼ間違いないです。

なお、ネットで幼虫を購入したら輸送中に死んでしまったりしないか
心配されるかもしれませんが、大手ではちゃんと死亡保障もされており安心です。
梱包はプリンカップに入れて送られることが多いので幼虫の場合は
私も過去に何度も購入していますが死亡して到着というケースは
一度も経験していません。


2.道具は何が必要?

初めてオオクワガタの幼虫を育てる方は下記のものを用意してください。

・クワガタ用マット
・霧吹き
・飼育用ビン
・すりこ木棒
・たらい(大きめの洗面器)
・コバエ侵入防止シート(専用容器の場合は不要)

なお、私は基本的にビギナーの方には菌糸ビンでの飼育はオススメしていませんので
この記事においてはマット飼育をベースに書いていきます。
理由は温度管理がビギナーの方には難しく、飼育のハードルが一気に上がるからです。

それぞれの道具について解説していきます。

・クワガタ用マット
オオクワガタの幼虫のエサはマットと呼ばれる土になります。
この原料はシイタケ栽培をした後のホダ木と呼ばれる廃材が主で
その木を粉砕したものに小麦粉などの添加物を入れて強制的に発酵させたものです。

詳しくは下記の記事に書いていますが、

オオクワガタに限らず幼虫からサナギを経て成虫になるいわゆる「完全変態」の昆虫は
幼虫の時期にしか大きくなることができません。

成虫になってからいいエサを与えてもオオクワガタが大きくなることは
ないので、幼虫の時期にいかに大きく育てるかで成虫の大きさが決まります。
ですので、幼虫が食べるマットの選定はオオクワガタのサイズを狙うには
非常に重要になります。

私は↓のマットでここ数年飼育しています。


・霧吹き
マットの加水に使うものですが、基本的にオオクワガタの場合は
マットを詰める前に加水しておけば、その後に加水する必要は殆どありません。
クワガタの場合はカブトムシと違ってマットをビンにカチカチに詰めるので
マット自体の乾燥もしにくいですし、飼育用ビンは空気穴部にコバエ侵入防止用の不織布がつけられているため、マットはほぼ乾燥することはありません。

しかし、その分最初にマットに加水するときにはまんべんなく水分が
含まれている状態にする必要があるため、霧吹きは必要となります。

霧吹きは100均のもので十分です。

・飼育用ビン
飼育用のビンを使用せずに100均の食品保管用のビンを使用したり
する場合もありますが、そのままだと密閉度が高すぎるためフタに
空気穴をあけたり、コバエ侵入防止用に別途不織布を本体とフタの
間に挟んだりする手間がかかるため、ビギナーの方は専用の飼育用ビンを
飼うことをオススメします。
下記の飼育ケースですと800mlの容量があるため、大きいオスの幼虫でも
十分な容量があるので、幼虫の状態を問いません。

※名前は菌床詰め替え用となっていますがマット飼育でも使えます。

オオクワガタの幼虫飼育ではマットが幼虫のエサとなるので
当然ながらマットが少しずつフンに変わっていきます。
フンばかりになってしまうと、食べる場所がすくなくなり
幼虫が大きくならないので、3か月に1回ぐらいの頻度でマットを
交換してやる必要があります。
その時にはもともと入れていた飼育ビンに入れるのではなく、
予めマットを詰めておいた飼育ビンに入れます。
ですので、飼育用ビンは飼っている頭数×2あると便利です。


・すりこ木棒
今回リストアップしたものの中で一見クワガタ飼育に関係なさそうに
見えるかもしれませんが、結構重要な道具です。
すりこ木はカブトムシの幼虫飼育では使うことがないので
イメージしにくいかもしれませんが、飼育用ビンにマットを詰める
ときに使います。
100均で購入できるもので十分です。

・たらい(大きめの洗面器)
エサとなるマットに水を加えてかき混ぜるために使います。
後ほど説明しますがマットに加水した後はガス抜きが必要で
たらいにふんわりと置いておくことでガスもしっかりと
抜けてくれるので結構重要な道具といえます。

サイズは飼育するオオクワガタが多ければ必然的に
大きいものが必要になりますが、マットを混ぜるときには
小さいたらいだとマットが床にこぼれることもあるので
大は小を兼ねる意味でも大きいものをオススメします。
なお、大きいたらいは場所を取るので私はおりたたみタイプを使用しています。

・コバエ侵入防止シート
クワガタ飼育用の飼育用ビンを使用する場合には必要ありませんが
普通の食品保存用のビンを使用する場合には空気穴からの
コバエの侵入を防ぐため、コバエ侵入防止シートを本体と
フタの間に挟む必要があります。
霧吹きの詳細でも書きましたが、コバエ侵入防止シートは
目の細かい不織布でできているため、
マットの乾燥を抑制する効果があります。


・飼育ビン貼り付け用ラベル
オオクワガタの幼虫を何匹か飼育していると飼育ビンを
見ただけではその幼虫がいつ買ったものか?どんな血統のものか?
が分からなくなってしまいます。
ビギナーの方は血統を気にせずに購入される方も多いと思いますが
少なくとも前回いつマットを交換したのかは把握しておく必要があります。
そこで、飼育ビンにラベルを貼り付けることをオススメします。
ラベルとしては下記のような大きめのものをオススメします。
シールは一回貼ると剥がしにくいタイプよりも、
簡単にはがせるもののほうがマット交換の時にも便利です。

何年も幼虫を飼育していると、その幼虫の孵化した時期や
マット交換時の体重などを書くようにするとサイズアップの傾向などが
見れるので面白くなってきます。

<番外編>
マットの交換時には幼虫を掘り出して、予め用意していた飼育容器に
入れるのですが、この時に幼虫を手で直接触れると手についていた
雑菌の影響でオオクワガタの幼虫が弱ることがあります。
ですので、マットを触る際や幼虫を触るときのために使い捨て手袋は
常備しておくと便利です。

幼虫を取り出すとき用にスプーンなどもあれば、マットの掘り出しや
幼虫をすくって次の飼育容器に運ぶことができるので重宝します。


3.マットの詰め方

では早速幼虫を買えばいいかというとそういうわけではありません。
幼虫を買ったはいいものの、受け入れる容器がなければ幼虫は
輸送用のケースに入れられたままになるので、幼虫を買う前に
飼育用ビンにマットを詰めていつでも受け入れられるように
しておきます。

➀マットをたらいに入れて霧吹きで水をかけながら加水する
 この時、マットをギュッっと握って団子のようにギリギリかたまる
 ぐらいがオオクワガタの幼虫には最適な水分量です。
 握って水がでてくるようであれば明らかに水分量が多すぎますし
 握っても団子にならないようでしたら水分が少なすぎます。
 マットを触る時は使い捨て手袋を着用して、たらいの中で水分が
 偏らないようにまんべんなく混ぜます。

②加水したマットの上にたらいごと1日置いておく(ガス抜き)
 加水したマットは水分に出会うことで再発酵が起こる可能性があります。
 ですのでたらいの上に乾燥をふせぐために新聞紙などを被せて
 丸一日放置します。
 丸一日経過したら新聞紙を開けてマットの匂いを嗅いでみてください。
 花壇のような土の匂いがしていればOKです。
 もしそれ以外の特徴的なにおいがしているようであれば、
 追加でもう一日放置してみて下さい。

③マットを飼育用ビンに詰める
 マットのガス抜きが終了したらいよいよマットを飼育用ビンに
 詰めていきます。
 飼育用ビンにマットを詰めるときには手袋を履いた手でマットをすくって
 容器の8分目ぐらいまで入れて、その後すりこ木でマットをしっかりと
 詰め込んでいきます。
 自然界ではオオクワガタの幼虫は朽ち木の中に住んでいるので
 めいっぱい硬く詰めてやるぐらいでちょうどいいです。
 こうして詰めてやると8分目ぐらいまであったマットが3割弱の
 体積まで減っていると思います。
 この操作を3~4回繰り返してやると飼育容器にまんべんなく
 マットを詰め込むことができます。
 十分ガス抜きをしたマットでもマットを詰めた後に再発酵が起こる場合も
 あるので、念のため幼虫を投入する1日前には飼育用ビンに
 マットを詰めておくことが理想です。

上記の工程で作成した容器に購入した幼虫をスプーンですくって
投入してやれば、幼虫は自力でマットに潜っていきます。
なお、この時にもともと幼虫が入っていたケースのマットを
上から振りかけてやることで、幼虫の糞に含まれている菌が新しい
飼育用ビンの中にも入るので幼虫にとってストレスが少ないと言われています。

4.マットの交換頻度

飼育用ビンは幼虫を投入してから3か月をメドに新しいマットを入れた
飼育用ビンに移し替えてやる必要があります。

カブトムシの幼虫の場合は、マットが明らかに糞に変わっていくのが
分かりやすく、マット表面に糞が目立ちだすと交換タイミングと判断できますがオオクワガタの場合は糞がマットに混ざらないため、飼育用ビンの外側からは判別が難しいです。

ですので、食べていようとなかろうと3か月で交換するようにしておけば
エサが足りないという事態は避けることができます。

マットの交換の方法は上記しましたマットの詰め方と同様です。
交換する前にあらかじめマットを詰めた飼育用ビンを準備しておき、
古い飼育用ビンから幼虫を掘り出して新しい飼育用ビンに入れるだけです。

この際にも必ず古い飼育用ビンのマットを多少新しい飼育用ビンに
入れるようにしてください。
特に古い飼育用ビンの中に幼虫の糞が見られれば、糞も一緒に入れてやると
幼虫が消化吸収に共存している菌もマットに入りますので重要です。


【こんな時はマット交換していけない】
3か月に1回の交換と書きましたが、以下のような事象が飼育ビンの外から
見られればマットの交換はやめておくほうが望ましいです。

◎マットの中に部屋を作ってジッとして動かないとき

この状態は幼虫がサナギになる前の前蛹と呼ばれる状態になっている
可能性が高いです。
前蛹になる前に幼虫は周囲のマットを押し固めて蛹室(ようしつ)と呼ばれる
部屋を作ってジッとするのですが、この状態でマット交換をしていまうと
蛹室を壊すことになってしまい、前蛹になった幼虫は再び蛹室が作れず
サナギになるときに失敗していまいます。
こうなってしまうと人口蛹室を造らなくてはならないのですが
やはり、一番は蛹室を壊さないことです。

この時の一つの目安は幼虫の色です。

通常時の幼虫は全体的に白っぽく、透明感があるのですが
前蛹になると幼虫は全体的に黄色っぽくなり、透明感もなくなります。
特にジッとして、手足が動かなくなっていればサナギになる前なので
注意が必要です。

カブトムシであれば4-6月にサナギになることが殆どなので
この時期さえマット交換を避けておけばいいのですが、
オオクワガタの場合は温度条件が整えば年中サナギになる可能性があるので
マット交換を行う際には飼育用ビンの外から幼虫の様子を確認する必要があります。


5.飼育用ビンはどこに置くか?

幼虫の入った飼育用ビンは絶対に直射日光は避けて温度変化が激しくない場所に
置くようにしてください。
特に夏場は温度が上がりすぎると、十分に成長していないにもかかわらず
サナギになるスイッチが入ってしまい、超小型の成虫になってしまうことがあります。

この記事ではビギナーの方向けに温度管理はしない飼い方を書いていますが
屋内でも極端に温度が変化しない場所は確保してください。

また、幼虫を置く際には飼育ケースは可能な限り暗い場所に置くようにしてください。
これは当然といえば当然ですが、自然界でオオクワガタの幼虫が住んでいる
朽ち木の中は光が入ることのない暗闇の世界です。
逆に日が当たってしまう環境は幼虫にとって外敵に襲われる可能性のある
危ない場所ともいえるので、飼育用ビンが明るい場所に置いてあると幼虫は
ケースの端に行くたびにストレスを感じてしまいます。

もちろん時々様子をみるために電気をつけたりする分にはまったく問題ないですが
外がずっと明るいと幼虫もできるだけ飼育用ビンの中央付近にとどまってしまうため、マット交換の時にサナギになっていても気づきにくいことがあります。

なお、幼虫の様子を時々確認することは問題ないですが、毎日様子を確認するために飼育用ビンを動かすと幼虫にストレスを与えてしまうので、多くても1回/週ぐらいの頻度で観察することをオススメします。

6.幼虫がサナギになったらどうしたらいいの?

幼虫がサナギになったら幼虫の頃と同じように静かに置いておくだけです。
特に前蛹の状態は非常にデリケートなので、幼虫の頃よりも慎重に扱う必要があります。
私の経験では前蛹になってから3週間ぐらいでサナギになって、そこから3週間ぐらいで成虫に羽化します。

サナギが羽化したら最初は翅が白から茶色に変化していき、数日経つと黒く変化します。
カブトムシの場合は羽化後1週間ぐらいで自力で外に出てきて活動をし始めますがオオクワガタの場合は羽化してから自力で外に出てくるまでの期間が非常に長いことが特徴です。

羽化した季節にもよりますが、5-6月に羽化した場合は7-8月ぐらいにようやく出てきますし
秋に羽化した個体ですとそのまま蛹室の中で越冬して、翌年の初夏に出てきたりします。

その間はエサを食べなくても大丈夫かと心配になりますが
オオクワガタはちょっとやそっとエサを食べなくても全く問題ありません。
特に羽化して暫くは消化器官の成長が不十分らしく、外に出したとしてもしばらくはエサを食べません。

なお、自分で蛹室から出てくる前に成虫を掘り出したい場合には
羽化してから2週間ぐらい経過してから取り出すようにしてください。
先ほども記載しましたように外観はしっかりと成虫になっていても
内臓は十分に発達していないので、下手に動かしてしまうと死んでしまうことがあります。

折角長い期間飼育して羽化したオオクワガタがここで死んでしまうとショックなので
羽化してからは我慢して2週間は少なくとも待つようにしてください。

こうして無事成虫になったオオクワガタの飼い方は下記の記事で書いていますのでこちらをご参照ください。

いかがでしたでしょうか?
オオクワガタの幼虫飼育はコツさえ押さえておけばビギナーの方にも簡単で
始めることができるのでぜひ試してみてください。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?