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匿名に振り回される
私は過去、一時期。消しゴムはんこというものを作っていた事がある
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簡単な割にクオリティの高いものができるそれに私は惚れて行った。記憶は曖昧だがおそ松さんのハンコをネットで見たのが最初だったと思う
(松の消しゴムはんこ界隈がめちゃくちゃ上手かった記憶がある)
初めて作った時は酷かった。余白部分は綺麗に切り抜けないし、線はガタガタ、大事なキャラの顔面だってボロボロ。それでもとても楽しかったのを覚えている
最初はああだったものも、少し続けてるうちに
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自信が持てるぐらい上手くなっていた。楽しくなった私は父やお世話になった先生をデザインしてハンコにしてプレゼントする、なんて調子に乗ったこともした
しかしある日、Twitterで「消しゴムはんこを作る奴にご注意を!」みたいなツイートがバズっていたのを見かけた。内容は消しゴムはんこで版権ものを作る人にモヤモヤする。それは無断転載、著作権侵害なんじゃないの?的なことを漫画形式にして述べたものだった
肌感的に、売ったりしない限り版権物でも作るだけならOKであると今の私になら分かる。しかし当時の私は怖くなってしまった。リプ欄もそれに賛同する声が多く、それを見てるうちに私もいつか心無いことを言われるかもしれないと考え、疲れ果てて、面倒くさくなり最終的に私は作ること自体をやめてしまった。つまりは趣味を捨てたのだ
そりゃ、版権ものを作らずに自分で描いたオリジナルをスタンプにすればいいだの代案は色々あるが当時の私はとにかく嫌になってしまった。全てが面倒くさくなって
これを言うのは野暮かもしれないが、著作物のものを描いたり作ったりするのは実際グレーゾーンである。作者に訴えられたらアウト。ただ個人利用の範囲であれば問題ない。と、まとめるとこんな感じ。ここら辺の曖昧さが現在なお議論が勃発される原因なのだろう。
私がやめたあと、消しゴムはんこはみるみるうちに知名度が上がり格付け番組などテレビでも見かける程になった。
実は私の方が前から目付けてたんだよね〜、と厄介古参のようにそのジャンルを見守ると同時にその人気が嬉しかった。私は今でも純粋にその趣味が好きであることに気づいていた
やめてから5年
父が突然「あの趣味良かったよな」と言ってきた。
「あの趣味極めればよかったのに。どこまでも奥を追求しなくちゃ、なんでやめたの?」そういう父は茶化すでもなく真剣な目をしていた
今更何を…と思うと同時に、一時期しかやってなかったオタク趣味を覚えていてくれたことと褒めてくれたことに驚いた。自分が情熱を注いでいたアレを認めてくれたのが嬉しかった
なぜあの趣味をやめたか父に説明してるうちに……自分が馬鹿みたいに思えてきた。匿名の知らん奴に振り回されて、趣味捨てて。
もしもあのまま趣味をやめずに続けていたら父の言うように「極める」ことが出来たのだろうか。それを考えたら猛烈に悔しくなった。壁にぶつかり考えるのをやめ、匿名に負けた自分と空白の5年間が
しかし諦めたものでも情熱が戻ればやめるのはそう簡単ではない。私は今、趣味の延長でどこまで自分が成長できるかが気になる
もう一度、作ってみようと思う。周りの知らんやつの顔色伺うよりも自分の気持ちと直感を素直に信じてみたいし、たまには「問題があったら消します」ぐらいの図太さが必要かもしれないと分かった
うん、もう1回作ろう
道具探さなくちゃな
今日の
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