表紙20

其の百十二 とほしろし

《吉本隆明さんの講演『芸術言語論 −沈黙から芸術まで』(平成20年7月19日@昭和女子大学人見記念講堂)を、ぼくが毎回ほんのちょっとずつ聞いてゆきながら、あらためてどんなおはなしだったのかを思いかえしてまいります。》

どうも、こんにちはっ! ほんじつも吉本さんの講演を聞きます。

前回noteでは、「土地の名前でも新治(にいはり)郡というのは『常陸風土記(ひたちふどき)』に出てきますけど。新治郡の上に付く枕詞として『しらとほふ』という、しらが遠くある、という意味に取れますけど。『しらとほふ 新治』って、新しく田んぼになったところに、しらが遠くまであるよ。っていう意味合いで『しらとほふ』という枕詞がくっついていると思います。この『ほふ』という使い方が、うんと古いもんだと思います。それで、これは二列音が主になっております。」と吉本さんおっしゃるばめんでした。

つづきです。。。

二列音が主になって、新治っていう。あの。新しい田んぼ、っていうふうに、意味合いとか。新しい田んぼを作った、ってところとか。そういう意味合いで、(チャプター14 / 第三列音を中心とした日本語の音_16:19〜)

「その二列音という音がおもになって、新治という、新しい田んぼ、もしくは新しい田んぼをつくった場所という意味合いで、」

新治の枕詞として「しらとほふ」というのがあります。

「『新治』の枕詞として『しらとほふ』ということばがあります。」

これは、えー。あの。えー、あの。橋本進吉さんみたいな偉い学者さんが、このことは指摘して。指摘しておりまして。

「このことは、橋本進吉さんという学者さんが指摘しています。」

ただ指摘して、これを逆語で言って、中世に近くない平安朝時代になっていくとそれは常用されますけど。「とほしろい」っていう言い方が出てきます。

「その『しらとほふ』の逆語として、平安朝時代になってから使われた『とほしろい』という言いかたが出てきます。」

「とほしろし」っていうのは、あの。なんて…。つまり、和歌の。和歌の表現体として、「とほしろ体」っていうのが言われています。

「『とほしろし』とは、つまり、和歌の表現体として『とほしろ体』と言われております。」

‥‥えーっと、この「とほしろし」とは?! つづきは次回noteで聞きます〜。いよいよ、講演『芸術言語論』もクライマックスっ!!!

平成28年12月4日



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