表紙20

其の百十一 しらが遠くまである

《吉本隆明さんの講演『芸術言語論 −沈黙から芸術まで』(平成20年7月19日@昭和女子大学人見記念講堂)を、ぼくが毎回ほんのちょっとずつ聞いてゆきながら、あらためてどんなおはなしだったのかを思いかえしてまいります。》

おいっす、こんちゃーす。ききます、こーえんを。

前回noteでは、「(二列音の)ひとつは、『しらとほふ』という、これは地名で言いますと、新治(にいはり)っていう。新しい田んぼ、という意味になりましょうけど。新しい田んぼに付く枕詞(まくらことば)があります。枕詞ですから、『しらとほふ 新治』っていう言い方をするわけです。」と吉本さんおっしゃるばめんでした。

つづきですー。。。

あの。土地、土地の名前でも「新治郡」っていうのは、えーと、『常陸風土記(ひたちふどき)』に出てきますけど。(チャプター14 / 第三列音を中心とした日本語の音_15:13〜)

「土地の名称として、新治郡というのが『常陸風土記』に出てきますが。」

新治郡の上に、の付く枕詞として「しらとほふ」っていう。しらが遠くなる、遠くある、という意味合いに取れますけど。

「その新治郡のうえにつく枕詞として『しらとほふ』という、つまり『しらが遠くある』という意味にとれますけれど。」

「しらとほふ 新治」って、新しく田んぼになったところに、ところが、ところに、しらが遠くまであるよ。っていう。遠くまであるよ、っていう意味合いで、「しらとほふ」っていう枕詞がくっついてると思います。

「新しく田んぼとなった場所に、しらが遠くまである。っていう意味合いで、この『しらとほふ』という枕詞が付いているとおもいます。」

‥‥と、この「しら」とは、辞書(岩波国語辞典第三版)によりますと、

【しら(白)…(1)《他の語の前につけて》特別の色が付いていないこと。白いこと。(染めたり塗ったり、味をつけたりしない)生地(きじ)のままのこと。純粋であること。(2)酒に酔っていない、ふだんのままのこと。しらふ。(3)しらぶくれること。 →「しらを切る」の「しら」は「白」ではなく「知ら」であるとも言う。】

とのことで。吉本さんおっしゃるこの場合では、なにもない景色が、もしくは白い景気(霧とか雲とかかな)が、遠くまで続いている。的な?!

講演をつづけます。

で、この「ほふ」。「ほふ」っていう使い方が、あの。使い方、古いもんだと思います。うんと古いもんだと思います。

「この『ほふ』ということばの使いかたは、とっても古いものだとおもいます。」

それで、これは、えーと。えー、あの。えー、なんて言いますか。二列音、二列音が主になっております。

「そして、この『ほふ』は、二列音がおもになっております。」

‥‥とおっしゃるこんかいはここのところまでぇ。つづきは次回noteで聞きます。ほんじつ、快晴!!! ひなたぼっこが、あったかい。

平成28年12月3日



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