見出し画像

あることばを漢字で書くか平仮名で書くか。

おとといのブログでは、お願いをする場面で記される
「お願い致します」ということばは、じつは
この表記はまちがいで、ただしくは
「お願いいたします」と、「致す」を
平仮名で書く、というのをネットで見ながら
ぼくなりに思ったことを申しました。

そこからさらに調べてみるとね、この
「致す」を平仮名で記すのは、文法上
「補助動詞」は漢字で書かない、
とのことなのだけれど、それは、文化審議会国語分科会より
『新しい「公用文作成の要領」に向けて(報告)』
(令和3年3月12日)のなかで書かれていて(13頁)、つまり
公用文の作成の際にはそうするように定められている。

この要領では、表記の原則における
「漢字の使い方」の欄において、
常用漢字表にある字種を用いるとされるが、しかし
常用漢字表にある漢字でも仮名で書く場合もあり、
それらのケースのうちのひとつとして
「動詞・形容詞などの補助的な用法」は仮名で記す、
とされている。つまり、例としては
「〜(し)て頂く」「〜(し)て下さる」「〜(し)て欲しい」
等のときには、その
「頂」「下」「欲」を平仮名で表記する、とされている。
この例では書かれていないけれども、
「お願い致します」の「致」もまた、
この用法のうちのひとつだから平仮名なのでしょう。

つまり、公用文を記す際には、この要領に
合致するように書くべき、もしくは
合致するように書くのが望ましい、と思われる。
ともすれば公用文で無ければ、どちらでもよい、
というふうにも言えるのかもしれない。

ぼくはこの要領をきちんとは読んでいないけれども、
今しがた記しました【公用文で無ければ】という文章の
「無ければ」も、たぶん、平仮名ですべきと存じますが、
でも、なんだか、ぼくは、この
「無い」という漢字がなんとなく好きで、
ブログでもよく記してしまうのですが。
このブログは公用文じゃあないはずなので、
って、今、「じゃあない」の「ない」を
平仮名にしたのはなんでだろう?!
それは、なんとなく、ぼく自身の
生理として使い分けているやもしらない。

「公用文作成の要領」のことに限らずに、
でも、文章を書くことにおいて
あることばを漢字で書くか平仮名で書くか、
って、むつかしいことだと思う。
たとえば、この直近の四行だけでも
「こと」「ことば」「むつかしい」というのは
ぼくは平仮名で記している。そして、この
「ぼく」というのも、また、平仮名だ。

このすこし上のところで申しております
【「無ければ」は、たぶん、平仮名ですべきと存じますが、】
におけるその「たぶん」もまた、
平仮名で記しているけど、このブログでは
「多分」と漢字で書いているときもあると思うし、
それはもう、そのときによる、としか言えない。

世間では、とくに、テレビのニュース等では
熟語のいっぽうの漢字を
平仮名で記される場合がある。たとえば、
「隠ぺい」とか、「ほう助」とか、「破たん」とか。
これらはたぶん、その
隠蔽の「蔽」、幇助の「幇」、破綻の「綻」、
という字は常用漢字じゃあないのでしょう。
でも、なんだか、ぱっと見て
「隠ぺい」「ほう助」「破たん」と書かれていると、
意味がよくわからない、って、ぼくは思ってしまう。

「かくれぺい」って何? とか、
「ほうすけ」って誰? とか、
「やぶたん」って、ちょっとかわいい! とか。

また、公用文に関連して申しあげますと、
皇族の方々のお名前を記される際には、
お名前に「さま」をつけられるですが。
その「さま」とは、なにゆえに
平仮名なのでしょうか?
というのも、おそらく、文書における
ガイドラインがあるのでしょう。。。

漢字のことばを平仮名で書くことを
字を「開く」というふうにも言われるけれども。
上で挙げましたこれらのほかにも、
テレビ番組や広告や記事やその他で表されている
たくさんの文章でも、そして
ぼくのこのブログだっても、
平仮名として開く場合もあれば、
漢字のままで記す場合もある。

書籍を読んでいるときにね、
読めない漢字、そしてまた
意味がわからない熟語が登場したとき、
文章を読むのをストップさせて、スマホを持って
辞書のアプリで漢字を調べるのも、好き〜。
それはつまり、もしかすると
文章のガイドライン的なものに即しないようにして、
その文章が書かれていて。
逆を言えば、ガイドラインに即していたら
書けない文章もあるのだとも思われる。

ことばについて、
なにがただしいか、なおかつ
なにがまちがいか、ということだけでなくって、
なにがよいか、そして、なにがわるいか、
というのも、ぼくには
よくわからないと言えばよくわからない。
そういうこともね、その都度、その都度、
じぶんなりに考えてゆくべきなのだろうけれども、
たいへんだなあ、ってえのも思っちゃう〜。

令和6年5月21日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?