見出し画像

なにかをお願いするときには。

以前、SNSやネットニュースで読んだのは
「お願い致します」と文書で記すときには、
その「致します」を、平仮名で
「お願いいたします」とするのが正しい、つまり
「お願い致します」という表記はまちがい、
というものでして。その理由とは、
「お願いいたします」と記すときの「いたす」は
文法的には「補助動詞」であり、
動詞とする「致す」とは用法がちがう、
という説明がネット検索するとたくさん書かれている。
また、この「致す」という語句には
「不徳の致すところ」のことばのごとく、
よくない結果を引き起こす的な意味が含まれるため、
という説明等も読みました。

つまりはさ、なにかをお願いするときには
そのお願いがどんなに素晴らしいものだったしても、
文末で「お願い致します」としるされていれば、
それはまちがいなのだから、そのお願いも
引き受けることはされなくなる、つまり、
「お願いいたします」と書かれてなかったら、
お願いは引き受けられない。

そもそも、どうして
「お願いいたします」と言うのかなあ?
たとえば、「お願いします」では
だめなのかなあ?! とも思うのですが。
おそらく、「お願いします」では
すこしつよめの言い方になる、というか、
お願いの圧を感じられてしまって、
そのなかに「いた」を入れることによって、
緩和されるみたいな? いや、わからないけど。

ぼくの場合は、このことを読むまで
「お願い致します」と漢字で記していたのですが。
それは、たとえば、
「お願いいたします」とすると、その表記には
平仮名の「い」がふたつ並んでいて、
文章のデザイン的にうまくしまらない、と申しますか。
なんだか、正直なところ、
「お願い致します」はまちがいである、
って言われるときのその理由をね、
ぼくにはよくわからないところもあって、それは
ぼくがばかだからなのだと思うけれども。
そこまで言うほど、それは
どっちでもよいじゃん! と思っちゃう。
そんなふうに思ってしまうぼくとしては、
とは言えども、このように
そういう提唱が流布されているともすれば、
ぼくとしては、もう
「おねがいいたします」系の言い方には、
触れがたい、と、感じてしまう。

そうなのだとすれば、たとえば
「お願いします」で大丈夫な場面ならば
そのように記すとして、それでは
ことばが足りないのであれば、でも、
「お願い申し上げます」とすれば
丁寧すぎる、かつ、謙譲すぎるとすれば
「お願い申します」
ぐらいが適切なのでしょうか?

ってゆうふうに考えるときに思うのはね、
やっぱり、お願いをする際における文書の
文末をどうするか? って、非常に
枝葉の先のほうの問題である気がする。
重要なのはどんなお願いをするのか、という
そのお願いの内容の部分なのだと思うけれども。
でも、そこでは、あらゆる場所で
「致します警察」が目を光らせながら、
世のお願いを取り締まっている、
というイメージも想像してしまうんだ。

なのだとしても、そんなぼくのことも
どうか、どうか、どうか、
よろしくお願い申したく存じ上げます候。

令和6年5月19日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?