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【禍】を祓うこと。

「コロナ禍」ということばを、
はじめて見たときにはさ、
それが何て読むのかわからなかった。

ころなうず? ころなすぎ? ころなすべる???

という、そんなころにね、
濱口秀司さんのあるツイートを見ながら、
「禍」に似ている、というか、
つくりがおんなじの漢字って、
けっこうあるなあ。と思いまして。

たとえば、
【過ぎる】や【滑る】以外にも、
【蝸牛(かたつむり)】とか、
【坩堝(るつぼ)】とか、
【鍋(なべ)】とか、【窩(むろ)】とか、
【萵苣(ちさ・レタス)】とか。

これらの漢字の【咼】ってば、
なんだか、かなり特徴的な形だよなあ。
と思いまして。そう考えてみたら、こんかいも、
白川静先生の『常用字解(第二版)』にて
漢字、調べてみようと思いました。。。

【禍】 カ(クヮ)/わざわい
咼は、冎(か・人の上半身の残骨)に「さい」(神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形)をそえて、禍(わざわい)を祓(はら)うことを祈るの意味となる。禍は、残骨の呪霊(じゅれい)によってもたらされると考えられたのである。示は神を祭るときに使う机である祭卓の形であるから、わざわいを祓う儀礼を禍といい、「わざわい」の意味に用いる。

ここでの「冎」の字は、
機種依存の字やもしれませんので、
いちおう、この形の説明をいたしますと、、
【咼】の下部分の中に入っている
「口」をとった形が「冎」です。

この「冎」とは、
「人間の上半身の残骨」とおっしゃるのも、この
「残骨」がどういうものかはよくわからないけど。
でも、たしかに「咼」と、
「骨」という漢字は、よく似ている。
ちがうのは
「冎」の中に入っているのが、
「口」なのか、「月」なのか。

また、
「しめすへん」の「示」とは、
神を祭るときに使われる祭卓である。
というのは、なるほどぉ、そうなんだあー。
その祭卓と「咼」を組み合わせることによって、
わざわいを祓う儀礼のことを【禍】という。

はたまた、『常用字解』での
【禍】のおとなりのページに書かれてある
「さんずい」の
【渦】という漢字を調べてみれば、、

【渦】 カ(クヮ)/うず
(前略)上半身の骨はまるくくぼんでいて、渦巻(うずま)きの形が連想されるので、渦巻く水を渦といい、「うず、うずまく」の意味に用いる。

上半身の「骨」は、丸く窪んでいて、
うずまきの形が連想される。とあるので、
ともすれば、なおのこと、
たとえば、丸く窪んだ形の【鍋】とかさ、
うずまき型の【蝸牛(かたつむり)】や【萵苣(レタス)】、
そして【坩堝(るつぼ)】とゆうのも、
そういう要素が入っているような気がするなあ。

やっぱり、漢字って、
呪霊だったり、祈りだったり、みたいな、
宗教的なことがらが多いよなあ。。。

どうか、このわざわいが、
過ぎてゆきますように。。。

令和2年7月13日


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