見出し画像

【さい】のこと。

漢字についてのことを、
白川静先生の『常用字解(第二版)』で調べながら、
ブログ書くさいには、この『常用字解』での
それぞれ漢字の項目に掲載されている
「甲骨文字」や「金文」や「篆文」を、書き写してみる。
という作業を、いつもするのですが。

この書き写すのがさ、
じつは、けっこうたのしい!

そして、
前回noteでは【叫】という漢字の
「篆文」を書き写しまして。

叫

この左側の「口」のぶぶんが、とある形で。

この形ってば、
白川先生の『常用字解』の装丁で、
デザインされている形でもあって。

さい

だからこそ、やっぱり、
漢字においては、いちばんの、
とっても大事な形なのだと思うのよね。

これまでの、漢字を調査してみる
「リッシンベン調査団」のシリーズではさ、
この形のこと、すこし
書いたときはあったと思うけれども。
ここでの【口】という漢字を、あらためて、
『常用字解』で引きながらブログ記してみたい。。。

【口】 コウ・ク/くち
口の形。甲骨文字や金文には、人の口とみられる明確な使用例はなく、みな神への祈りの文である祝詞(のりと)を入れる器の形の【さい】である。古・右・可・歌・召・名・各・客・吾(ご)・吉・舎・告・害・史・兄・祝・啓・品・区(區)・臨・厳(嚴)などに含まれる口はみな【さい】と解することによって、初めてその字形の意味を理解することができる。もとより人の口の字もあって、およそ二千数百年前の古い書物である[詩経(しきょう)]や[書経(しょきょう)]にもみえている。口と【さい】との異同を確かめることはできない。

この中での【さい】と記している箇所はすべて、
『常用字解』の欄では、表紙で掲載されている
「口をあんぐり開けている」、もしくは、
お馬さんの「ひづめ」の裏側、みたいな、
そういうような形の字で載っております。

言われてみれば、ここでの
「神への祈りの文である祝詞を入れる器の形」
という説明のことばは、これまでにも、
たくさんあったなよあ。

そして、、
【古】【右】【可】【歌】【召】【名】
【各】【客】【吾】【吉】【舎】【告】
【害】【史】【兄】【祝】【啓】【品】
【區(区)】【臨】【嚴(厳)】
‥‥というここで挙げられている漢字の他にもね、
前回noteでの【叱】や【叫】や【吐】という
「クチヘン」の「口」の形も、
【さい】であって。

でもでも、その「口」よりもフォントの字が大きめな
「クニガマエ」の「囗」のほうは、
【さい】の形ではなくて、
それっぽい真四角な形で。

国

白川先生のご説明では、もともと、
顔の【口】には別の漢字があったらしくって。
その【口】と、この【さい】では、
ちがうらしいのですが。

これを見ながら、やはり、
橋本治さんが書いておられたように
「口」と「囗」とでは、
形がちがうんだなあ。と思いました。

今後はさ、白川静先生の『常用字解』の項目にて、
この【さい】の表記が出てきたら、
それは、漢字の変換できないので、
このブログでは、こんな感じでね、
【さい】と記したいとぞんじます。

それにしても、
「神への祈りの文である祝詞を入れる器」
って、どんな器なのでしょう?????

令和2年4月15日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?