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「都合が良い」ということ。(宮岡さんver.)

まだまだもうすこしだけ、このたび
ブルーレイボックスを購入いたしましたドラマ
『ブラッシュアップライフ』のことをしるしたいですが。

『ブラッシュアップライフ』のストーリーでね、
このことはドラマを観ておられない方にとっては
なんのことなのかさっぱりな内容とぞんじますが、
ぼくの中でいちばん謎なことはさ、安藤サクラさん演じる
主人公・近藤麻美(あーちん)の2周目の人生において、
薬剤師として働くあーちんが勤める薬局の先輩同僚・
野間口徹さん演じる「宮岡さん」は、なぜ、
朝、薬局へ早く到着した宮岡さんが
店舗の鍵を開けず車の中で待っているのか?
この薬局では、朝一番に到着した人が
店舗の鍵を開けるのがルールになっているのにも関わらず、
じぶんからは決して鍵を開けず、
毎朝、車の中で待機している宮岡さんは、
誰かが鍵を開けるのを見届けてから
(今、来た!)みたいな顔で出勤をする。

あーちんは、宮岡さんのことを
基本的には良い人と思っているけれども、
内心、この謎の行動だけは
ピンポイントで気持ち悪い、と思っている。
それ以外は、良い人、と思っている。

ってゆうようなこの宮岡さんがね、
毎朝、じぶんからは決して鍵を開けず、
車の中で待機しているのはなぜなのか?
これはもう宮岡さん本人に訊かないと
わからないやもしれないし、もしくは、
そういう宮岡さんの癖(へき)やもしらないけれども。
もしかしたら、本人には、とくに
深い理由は無いのかもしれないとも思ったんだった。

ストーリーのねたばれで申しあげますと、
その後、宮岡さんは
あーちんの保育園からの幼なじみである
黒木華さん演じる「れなちゃん」と付き合っていることがわかり、
でも、宮岡さんと同僚であるあーちんには
彼が既婚者だと知っているからこそ、
つまり、宮岡さんは不倫をしていることが発覚する。

そしてその後、あーちんの2周目の人生は終わり、
あーちん3周目の人生では、
友人・れなちゃんの不倫を阻止するため、
あーちんはいろいろと奮闘するんだけれども、
なかなかうまくゆかず。
結局、最終的には、あーちんは
宮岡さんの元へと直接言いに行くことにする。
その言いに行く場所というのが、毎朝、
店舗の鍵を開けず宮岡さんが待機している車だ。

この宮岡さんの車の中であーちんは、
れなちゃんとの不倫のこと、及び、
2周目の人生における宮岡さんへの愚痴のことを、
すべて、彼にぶちまける。

このときにね、これらのことを
あーちんが宮岡さんへと告げるときには、たとえば
店舗内では別のスタッフが来たらと思えば言いにくいし、
結局のところ、車の中が適切、というか。
そうすれば、どうしたら
「車の中」というシチュエーションを作ることができるのか?
みたいな、つまりはさ、ストーリーの脚本の演出上、
あーちんが宮岡さんへと告げるためには、
宮岡さんが毎朝、店舗の鍵を開けず
店舗の外の車で待機していたほうが都合が良い。
もしかしたら、このためだけに宮岡さんには
この謎行動が設定されたんではないか?!
とも考えられると思ったんだった。
いや、ほんとうのところはどうか知らないけれども。

でも、こういうような
「都合が良い」ということって、
ドラマとか映画とかにはたくさんあると思っていて。
たとえば、とある場面で偶然、
キーマンとなる人物と出合う、とか、
これが無ければ解決されないアイテムを拾う、とか、
ふと知った情報がのちのちとっても役に立つ、とか、
そういう都合が良いようなシチュエーションって、
ぼくはかなり好きで、そういう場面を映画等で観ると
「都合が良い〜!」って嬉しく思っちゃうんだけどね。

そしてまたこのことも、つまりはさ、ドラマ
『ブラッシュアップライフ』の宮岡さんの車の件についても、
ストーリー上の演出における「都合」なのではないか?
って、そう考えたほうが、なんだか
合点が行くような気がしたんだった。

ドラマや映画のことだけでなくって、
もしかしたら、この実生活においても
なにかしらうまくいったようなときには、
能力があった、とか、
能力を発揮した、とか、
アイディアを出せた、とか、
そういうことももちろんあったとしても、
もしくは、ただただ、いろいろ
都合が良かっただけ、という場面もあるやもしらない。

逆を言えば、
都合が良くなければ、
いろんなこともうまくゆかない。

『ブラッシュアップライフ』のこのシーンからは
かなり飛躍してしまったんですが、
なんだかこんなことを考えてみたんだった。
そんなときにはね、ドラマ的に言えば
中島みゆきさんの『ファイト!』もしくは、
マキシマム ザ ホルモンの『恋のメガラバ』を聴きたいぜ!

令和5年9月13日

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