見出し画像

【風】はどこから。

【風】という漢字は、
なんだか、不思議だ。

「虫」の上に斜めの線がついた形が、
マントみたいなものをまとっている。
そのマントは、たとえば、
【凧】とか、【凪】とか、
「夙川」の【夙】の漢字があると思うけど。
【凧】が【風】にまいながら、
ゆらゆらしている雰囲気も感じられるなあ。

毎月13日はね、漢字のことを調べてみる
「リッシンベン調査団」というのをやっておりまして。
きょうがその日なんですが、こんかいは、
この【風】という字を調べてみたい〜。

なので、いつものごとく、白川静先生の
『常用字解(第二版)』を引いてみると、、

【風】 フウ・フ/かぜ・かざ・ならわし
形声。音符は凡(はん)。甲骨文字は鳥の形。神聖な鳥であるので冠飾(かんむりかざ)りをつけている。鳳(ほう/ほうおう)のもとの形と同じである。その鳥の左や右上に音符の凡を加えている。天上には竜が住むと考えられるようになり、風は竜の姿をした神が起こすものであると考えるようになって、鳳の形の中の鳥を取り、虫(き/竜や爬虫類の形)を加えて、風の字が作られ、「かぜ」の意味に用いられる。「かぜ」の意味は、空気の動きによって、その意味を表現したのではなく、神聖な鳥の姿や竜のような姿をした霊獣によってその意味を示しているのである。古い時代には、風は鳥の形をした神、風神と考えられ、その風神が各地に出かけて行き、人々に影響を与えて風俗(その地域独自のしきたり、ならわし、生活のしかた)や風物(その土地独特の景色や産物)が生まれると考えられた。

‥‥というような、
項目を、すべて記したら、
引用が長くなってしまった。

すこしずつ見てゆくと、まずは、
【凧】【凪】【夙川】以外にも
【凡】という漢字もあったなあ。

また、うえの画像で記しました甲骨文字は、
「鳥」の形。神聖な鳥であるので、
「かんむりの飾り」をつけている。
ほぉー、なるほどぉ、このマントみたいな形は、
「かんむり」だったのねえ。

そして、【風】とは、
「鳳凰」の【鳳】の元の字と同じである。
「鳳凰」の【鳳】も【凰】も、
どちらも「かんむり」をつけていて。
辞書を見てみれば、意味的には、
【鳳】は雄、【凰】は雌、らしいっす。

【風】は、天上に住む竜の姿をした神が起こす、
と考えられるようになり、
【鳳】の中の「鳥」を取り、
竜をあらわす「虫」を加えて【風】になった。。。

おぉー、ぼくがうえで書きました
【風】の中の「虫」みたいな形は、
やっぱり、「虫」だったのね。
「虫」が「竜」をあらわす、ってえのはさ、
【虹】の字とおんなじだわ。

古い時代には、【風】とは、
鳥の形をした神、つまり「風神」と考えられ、
「風神」が各地に出かけてゆき、
ひとびとに影響をあたえながら、
「風俗(しきたりやならわしや生活のしかた)」や
「風物(景色や産物)」が生まれると考えられた。

ともすれば、世界とは、
【風】によって作られている。
と言える気もする。

暴風や突風や旋風のような怖い風もあるけれど、
そよ風や、追い風や、ここちのよい風もあって。
きょうはきょうの風が、
あしたはあしたの風が吹きながら、
風は、ぼくらをどこかへと連れてゆく。

あぁー 私の恋は 南の風に乗って走るわぁー

令和3年5月13日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?