ひさしぶりに『悪人正機』を読んで(その2)
前回noteでは、吉本隆明さん・糸井重里さん共著『悪人正機』をひさしぶりの数年ぶりに読み返して思ったこと、の、まずはひとつめを申しあげました。
ほんじつはそのふたつめですー。
それはねぇ、「『戦争』ってなんだ?」の章でのことなんですが。
まずは、「戦争」のイメージについて、吉本さんが学生のころ吉本さんのお父様より聞いたという、、
「だけど戦争っていうのはね、敵と遭遇して、それで相互に弾撃ち合って戦闘するみたいなことって、滅多にないんだよ」
や、
「自分の隣のヤツは、塹壕の中で降雨を凌(しの)いでたら、上から土砂が落ちてきて死んじゃったし、腹痛くなって下痢続きで衰弱して死んじゃったとかね。そういうほうが多いんだよ。結局、戦死って言うけど、本当にドンパチドンパチやって、それで死んだなんて、そんな調子いいの、あんまりないんだよ」
(どちらとも、吉本隆明さん糸井重里さん共著『悪人正機』新潮文庫、130頁より引用です。)
での箇所のことは以前にも読んで覚えていたのですが。
これは、なんど読んでも、迫力を感じてしまいます。。。
また、そのあとでの、今後の日本に何か起きるのか? という問いに吉本さんは「何も起きない、っていうのは、俺は信じないなあ。」とおっしゃいます。つまり、「(何かの起きる)要素はたくさんある」とのことで。
その「要素」のひとつとゆうのが、、
生活に切実な思いをしている社会のほうから出てくるでしょうね。
ということばよりつづけて吉本さんおっしゃるのが、、
以前、ブリヂストンで割腹自殺して講義をした人がいたでしょう。あの人は、頭がおかしくなっちゃったんでああいうことしたんじゃありません。ちゃんと周囲に目配りもした上で、あそこに至っているんですよ。抗議している内容も、至極もっともなことを言っていましたしね。
ものすごく鋭敏な人だとは思うんですが、そういう人があのような行動に出たことがどういうことなのか、それをまったくわかってないで政治をやってるでしょう、自民党も民主党も。
(どちらとも同著、133頁より引用です。)
というのはね、これまで、あまり読めてなかったのですが。ネットで調べてみると、「1999年3月」にこの事件はございまして。
社員のかたが、本社社長室で抗議を訴え、割腹自殺された。という。。。
でも、ここからさらに、、
ただね、ブリヂストンの人のことで、もうひとつ、思うところがあるんですよ。あの人の意見がもっともだということとは別にね。
どういうことかというと、人は「自分は、このようにちゃんとしたことを考えているんだ」と強く思えば思うほど、周りの他人が自分と同じように考えていなかったり、全然別のことを考えていたりすると、それが癪(しゃく)にさわってしょうがなくなる、ということでね……。
でも、それはやっぱりダメなんですよ。真剣に考える自分の隣の人が、テレビのお笑いに夢中になっていたり、遊んでいたりするってことが許せなくなってくるっていうのは、間違っているんです。
(同著、136頁より引用です。)
なのだとも吉本さんおっしゃっていて。
ぼくは、とくにこの「自分は、ちゃんとしたことを考えているんだと強く思えば思うほど、周りの人がまったく別のことを考えていると、癪にさわって、許せなくなってしまう。」のことをこんかい読みまして、あぁぁー、と感じました。
じぶん自身、そういうところ、ある。って。。。
なんだかここのところは、もうすこしじぶんのなかで考えてみたいなあ。と思いましたです。
それではではぁ、『悪人正機』を読んで思ったこと、もうすこしだけ、また次回noteでも申します〜。
平成30年11月12日
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?