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高くけわしい地形を祈り衛る儀礼。

前回noteでは、このごろ
パズルゲームの「マインスイーパ」をね、
あらためてプレイしているこのプレイのあいだ、
「マインスイーパ」とは、
冒険だと思う、というふうに
感じたことをブログでしるしながら、
さらに、そう言われてみれば、この
「冒険」ということばって、
どういうことなんだろう? ってえのを、
じぶんなりに考えてみたことを書いたですが。

そのブログの最後ではさ、この
「冒険」と似た語句として、
「探検」ということばもあるけれど、
「冒険」の「けん」は「けわしい」の「険」、
「探検」の「けん」は「しらべる」の「検」、
というふうにして、この二つの熟語の「けん」とは
漢字の偏がちがうんだなあ、って、
あらためて気がついた、みたいなことも申しまして。
そう考えると、やっぱり、
この漢字ってどうなっているの? と思いながら、
そうなれば、いつものごとく
白川静先生の『常用字解[第二版]』にて、
「冒険」の【険】の字を引きたくなってくるのよねえ〜。。。

【険】 ケン/けわしい・あやうい
形成。もとの字は險に作り、音符はせん。僉にけん(倹。つづまやか)・けん(験。ためす)の音がある。僉は二人の者が並んで、神への祈りの文である祝詞のりとを入れる器の「さい」ささげてお祈りをしている形である。ふ(註:漢字変換できません。「追」という字のしんにょうをのぞいた部分に似ており、この「口」の部分が三つある形です。)(阝)は神が天にのぼり降りするときに使う神のはしごであり、梯のような高くけわしい地形の所が神聖な所とされ、そこを祈りまもる儀礼を険といったのであろう。それで険は「けわしい、あやうい」の意味となる。険にはまた除道(道をはらい清めること)の意味があるらしく、葬儀のとき、ひつぎを先導するものを険道神といった。

【険】のもとの字は、
【險】とされて、そして、この右側の
【僉】の形とは、二人の者が並びながら
祝詞を入れる器を捧げてお祈りをされている。
また、左側の「こざとへん(阝)」とは、
神が天に陟り降りするときに使われるはしごであり、
このはしごのごとく、高くけわしい地形の場所を
神聖な場所とされていて、
その場所を祈り衛る儀礼のことを、
【険】とした。とのことなのでして。

なんだか、すんごいお話しだなあ〜。

ならば、ここから
さらに考えてみるならば、
【冒険】とは、
どういうことなのでしょうか?

ともすれば、やっぱり、
高くけわしいような
「空」を駆けぬけ、かつ、
高くけわしいような
「山」を越えるかのようにして、
不思議な旅と摩訶不思議なアドベンチャーが始まるぜ〜。

そしてまた、たとえば、
【険】の右側が同じ形の字では、
「探検」の【検】のほかにもね、
『常用字解』の【険】の項目でも登場している
【倹】及び【験】だけでも無くって、
「石鹸」の【鹸】の字や、はたまた
【剣】の字もあるのだから。そして、
【僉】のほうの形で挙げるならば、
【瞼】という漢字もあるなあー。

それらの字もすべて、つまりは、
「冒険」も、「探検」も、
「勤倹」も、「体験」も、
「石鹸」も、「真剣」も、
「瞼」も、すべて、
二人の人が並びながら、
神様へとお祈りをしているのだろうか。

そんな祈りを感じながら、
この世のどこかでひかってる、
そいつを、見つけにゆきたい。

令和5年6月9日

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