見出し画像

シンセサイザーと20世紀の新しい音楽。

昨日のブログでは、NHKプロデューサー・神原一光さんの著書
『WOWとYeah 小室哲哉 起こせよ、ムーヴメント』をね、
とくに10代のころ、小室哲哉さんプロデュースの音楽を
聴きまくって育ったと言っても過言でないぼくは、
書籍の全編、ずっと、わくわくしながら
読んでいたことを申しあげました。
昨日しるしたこと以外にもね、いろいろ
想った場面はあるですが、そのなかでも
小室さんの演奏される「シンセサイザー」についてのことが
なんだかよいなあと思いながら読んでおりました。
その箇所を引用いたしますと、、

小室 僕はバイオリンをやってたんですけども、ピアノは一度も正式な教育を受けたことがなくて、コンプレックスもあったりして。だからピアノは独学です。独学、見よう見まねっていうか、聴いてというか。いまみたいに映像がすぐあるわけじゃないですから、耳で聴いてだったりとか、人のを見たりとかなので、クラシック音楽の方からしたら、「小室さんの弾き方はちょっと変わってますよね」「違いますね」って言われるんです。
 なので、唯一、鍵盤楽器でピアニストにもちょっと演奏しにくいところがあって、ピアノじゃできないこともできるシンセサイザーを、ずっと追求しようっていう感じで。そう思わせてくれたシンセサイザーって、20世紀に生まれた楽器なんですよ。すごく珍しいですよね、そんなに新しい楽器って。

神原一光さん著『WOWとYeah 小室哲哉 起こせよ、ムーヴメント』239-240頁

シンセサイザーとは、
20世紀に生まれた新しい楽器である、
って、そう考えると、すごい!

そのシンセサイザーの機能には、
オリジナルの音を作ることができる、そして
「サスティン」つまりプレーヤーが
鍵盤から手を離しても音が伸び、鍵盤を
ずっと押し続けると音が出たままになる、また
「ポルタメント」と呼ばれる、たとえば「ド・レ」でなく
「ドーレ」のように音階をつなげて移行することができる、
というものがあるそうですが。
それらの機能とは、どの生楽器にも
見当たらない特色なのでしょう。

つまりはさ、その楽器には
その楽器特有の音色だし、
音を一度鳴らせば、その楽器の種類によっては
瞬間的に、もしくは
減衰的に消えてゆくし、はたまた
音と音がはっきりと切れてしまう。
しかし、シンセサイザーならば
ゼロから音を生み出し、自在に操ることができ、
制御も自由にできる。

シンセサイザーという楽器は、
冨田勲さんやYMOの坂本龍一さんがその
先駆者と言われているとはぞんじますが、
いわゆる、そのような
シンセサイザーで演奏される音楽とは、
20世紀に生まれた新しい音楽と言えるのだろう。

シンセサイザーのことで思い出すのはね、小室哲哉さんの
ソロアルバム『Digitalian is eating breakfast 2』収録の
『Vienna feat.Miu Sakamoto & KREVA』での、
【媒体 毎回 違う形
 だけどシンセサイザーはタイムマシン】
というKREVAさんのラップのことばなのでして。

そんな音楽を聴けば、シンセサイザーとはまさに
「タイムマシン」であり、
なおかつ、そのサスティンの音は
「永遠」と名づけられるやもしらないし、
それはつまり、夜空に横たわる
「HORIZON」なのだろうと想える。

ランニング トゥ ホライズン♪
(ブレイクアウェイ フロム イエスタディ)

令和6年5月31日


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?