現在をどう生きるか3

第15回 判断に迷うこと。

前回noteよりひきつづき、吉本隆明さんの講演『現在をどう生きるか』(1995年9月3日・山梨県立文学館講堂にて)をゆっくりじっくり聴いてゆきます。ほんじつ、第15回めっす。]

前回には「じゃあ、どの言い方が正しいのか? と言ったら少なてくも僕が理解している限りには、正しい言い方をしてるっていう人は専門家でも居ないと思います。つまり、みんな、自分勝手と言いますか、自分の田に水を引くと言いましょうか。自分、あるいは自分たちの都合のいい言い方で、これが正しいんだ、と言ってるというふうにしか僕には思えません。それくらい、それぞれの考え方が同じ現象に対して違ってきてしまっています。」の場面を聴きました。

つづきをぉ。。。

さて、こういうふうに、浮遊性って言いますか。あの、価値の本体から価値、っていうようなものを、判断基準っていうようなものが、あの、どんどん浮いていってしまう、ってのは現在のとても大きな現象で。
(チャプター03「核実験の論理」/0:00〜)

「さて、こういうふうに、浮遊性。つまり、価値の本体から価値の判断基準がどんどん浮いていってしまう、というのは現在のとても大きな現象で。」

その中で我々は、あの。しばしば、判断に迷うこと、とか。あの、考え込んじゃうことってのは、たくさん出てきた。っていうことが、あの、とても大きな、現在の。あの。現象だ、っていうふうに思います。

「そのなかで我々は、しばしば、判断に迷うことや考え込んじゃうことがたくさん出てきた。ということがとても大きな現在の現象だと思います。」

あー、なるほど。つまり言い換えれば、たとえば「判断に迷うこと」や「考え込んじゃうこと」というのは、吉本さんがおっしゃっている「価値の浮遊性」から出てきた、ということでしょうかー。

それで、まあ。えーと、例を、まあ、取ってきたわけですけど。えーと、一番、今、えーと。新聞を、えー。現在…、ほんとに現在の瞬間で、一番新聞をにぎわせているのは、あの、

「それで例を取ってきたわけですけど。現在、一番新聞をにぎわせているのは、」

‥‥というここで吉本さんおっしゃる「現在」とは、この講演が開催された平成7年(1995年)9月現在っす。

フランスと中国が、その、核爆発の実験をやった。っていうことが、あの。新聞をにぎわせております。

「フランスと中国が核爆発の実験をやった、ということが新聞をにぎわせております。」

ここを聴いて、Mr.Childrenのアルバム『深海』に収録された『臨時ニュース』と、そこからつづく『マシンガンをぶっ放せ』という曲のことを思い出した。

この『臨時ニュース』とは、【臨時ニュースをお伝えします。】というアナウンサーの声よりスタートするラジオのチャンネルをかたかた変えてゆくみたいな15秒くらいの音声トラックで。そのなかで、たとえばアナウンサーが【フランス政府はこれで、】や【反対運動はいっそう激しく、】と言っているのが聞こえるんだけれども。また、ひきつづきの『マシンガンをぶっ放せ』の冒頭では、、、

あのニュースキャスターが人類を代弁して喋る
「また核実験をするなんて一体どういうつもり?」

‥‥って歌われて。このアルバムが発売されたのが1996年6月24日だからさ。ちょうど、このころだわねー。

で、それに対して、あの。反対…、反対運動が起こり、それで、あの。フランスの場合には、その、現地へ。あの、行って。その、阻止するんだ。っていうのから、まあ、反対集会を開くんだ。って、まあ、いろいろあるわけですけども。

「それに対して反対運動が起こり、フランスの場合には、現地へ行って阻止するんだ、というのから、反対集会を開くんだ。と、いろいろあるわけですけども。」

そういうような…、その問題は、一番、あの。リアルに出てきている…、あの、現在出てきてる問題です。

「その問題は、現在いちばんリアルに出てきている問題です。」

なんだか、どんどん講演の核心に迫っているかのようにぞんじます。このつづきは、また次回noteで聴きます〜!!!

平成30年7月27日


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