UIとUXの関係性

UI(ユーザーインタフェース)とUX(ユーザーエクスペリエンス)について、今、思っていることを書いてみます。

UIは、Wikipediaでは「機械、特にコンピュータとその機械の利用者(通常は人間)の間での情報をやりとりするためのインタフェースである。」と記載されています。ハードウェアであればボタンやツマミ、ソフトウェアであればアイコンやメニュー構成などもUIですね。

一方、UX(ユーザーエクスペリエンス)は、「人工物(製品、システム、サービスなど)の利用を通じてユーザーが得る経験である。」記載されています。UIは人工物の利用時のインタフェースですので、UIはUXに影響を与えると言えます。

インターネットでUI/UXを検索してみると、「UI/UXデザイナー募集」「UI/UX設計」といったようにセットで扱っていたり、UXの中にUIが含まれていると考えていたり、UIとUXはいろんな捉え方をされているようです。

ユーザビリティ分野や人間中心設計分野での第一人者、黒須先生は下図のように整理されています。とても分かりやすい関係図ですね! ただ、利用品質から設計品質(右から左)への矢印もあると思うのです。

無題

任天堂は、”ゲームにおけるUI/UXデザインとは、「ゲーム」と「遊び手」を仲介する絵や文字の表現を通じて、心地よいゲーム「体験」を作りだすこと、とも言えます。” と述べています。こちらは、両向きの矢印になっていますね。しかし、「仲介(両者の間にはいって、とりついだり、まとめたりすること)」の役割がUIかと言われると、それだけではない気がします。
https://www.nintendo.co.jp/jobs/introduction/design/work03.html

たとえば、スマホの写真アルバムでのフリック操作を考えます。当初は過去に撮った写真を切り替えられるという体験だったかもしれません。そのうち、気持ちよく切り替えられるという体験になり、そして、それでも物足りなくなるかもしれません。たとえば、革張りの製品を考えます。当初は皮が綺麗という感動だったかもしれません。そのうち、日に焼けて味が出てきてさらに感動し、そして、破れてがっかりするかもしれません。

つまり、UIがUXに影響を与えているのですが、UXがUIの在り方を特定している(フリック操作は気持ちよい体験ができるもの、革製品は味が出るもの)とも言えます。UXの一部がUIというのではなく、お互いがお互いを含んでいるのです。単純にUXを実現するためのUIという下位の位置付けではなく、UIそのものがどうあるべきかを考えることを忘れてはいけないのだと思います。

UIはユーザー中心では無くて、もっと自然なものなのだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?