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第7世代とコロナの奇妙な冒険(後編)

第7部  ~スティール・BA.5・ラン~

閑散期に休み、繁忙期に復帰するという社畜の鑑のような休みの取り方をしてしまったワイだが、10月異動に全ツッパするには、ここで復帰するしかなかった。

そして到来した第7波は、6波の数の暴力をさらに超えてきやがったのである。

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幸運なことに、休んでいる間に色々なことがいい方向に変わっていた。病み上がりということで多大なるご配慮もいただいた結果、6部よりもさわやかな地獄という感じになった。

しかし、数が増えると理不尽なクレームも増える。ほとんどが保険金・証明書・配食についてで気が狂いそうだった。症状の相談より、保険の相談を受けた記憶ばかりだ。ここはほけんの窓口ではない。人間はお金が絡むと本性が現れる。それぞれの生活がかかっているので全てを責めることはできないが、あからさまな発症日リセマラや療養期間延長のリクエストは勘弁してほしい。

そして波の真っ最中であってもおかまいなしに療養期間の短縮や全数把握の見直しなど、ちびちびちびちびと収束に向けたアクションが起こり始めた。

そんなごちゃついたタイミングで、ついにワイの卒業が発表された。心の中の夜神月が計画通り、とほくそ笑んでいた。

これにて奇妙な冒険終了である。

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~おわりに~

ダラダラ続く駄文をここまで読んでくれた人にはきっといい事が起こるでしょう。
コンプラのあれやこれやで載せられなかったどぎついエピソードも多々ある。きっとどこの保健所も、波が来るごとに毎度ビックリ人間(職員含む)が現れ、伝説級の強烈なエピソードを残していることだろう。ストレス源は内部にもたくさんあるが、身内ネタになってしまうので割愛した。


これを読んでくれた人の中には、患者本人・その家族などなど、コロナ対応に不満があったり、嫌な思いをされたりした方もいるかと思う。何もかもが限界の中、救えなかった命がたくさんあった。申し訳なかったと謝ることしかできないが、保健所職員が限られたリソースの中で1人でも多くの命を救おうと、できる限りのことをやってきたのは全国どこも同じだと思う。いずれまた新興感染症がやってきたとき、今回至らなかった部分を無駄にせず、犠牲になる人が1人でも少なくなることを願う。

そして同業者のみなさん、本当に日々お疲れ様ッスお先にシャーーース。偉そうに色々と語ってしまったが、ド底辺の私めなんかとは比べ物にならない地獄を経験した人がもっとたくさんいることだろう。メディア露出の少ないアングラ界隈の苦労は中々明るみにならないので、色んなかたちでアピールして少しでも劣悪な環境が改善されればいいなと思う。

薄々こいつあいつじゃね?と気づいているかもしれない弊社の方々、その予想は当たっているかもしれないけど大目に見てね。狂った環境だったけど、周りにいる人にだけは本当に恵まれた2年半だった。看護の世界・女の世界には避けては通れないお局というポジションが存在するが、奇跡的なことに弊社にはお局がいないのである。こんな使えないワイにもみんな優しくしてくれ、くだらない小ボケにも反応してくれた。優しき人々に出会え、一緒に働けたことを幸せに思う。

最後に、地獄生活で怒り狂うことや落ち込むことがたくさんあったが、そんなとき「まぁワイ、フォロワー9000人いるしな…」で大抵のことは水に流せていた。なんの取り柄もないと思っていた自分に、これだけの人が興味関心を示してくれたことに今もビックリだ。ただ愚痴を吐くだけのこんなアカウントをフォローしてくれた方々、温かいメッセージをくださった方々、色んな価値観があることを教えてくれた思想強めの方々、本当にありがとうございました。ハオ♡


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