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芸術未満

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「芸術」に憧れ、反発し、惹かれながらも怠惰に流れがちの美術部学生。美と性は不可分か、異性らの面妖な美は聖なのか俗なのか。めまいのする青少年新懊悩記。
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2020年11月の記事一覧

暗い色に沈んだ化粧瓶たちがむしろ主役で男児らが異物なのだとも思わせた。暗い異世界…

 薄い布の下から現れてくる「性」は、切りたての生肉のように血なまぐさく苺ジャムのようにべ…

見世物小屋を好奇心で覗いたら本物の解剖が行われていた気まずさと重苦しさ / 芸術…

 埠頭からずっと武庫川を上った西に遠野モリカの家はあった。下田は何故か彼女と子供時分の話…

ばれませんように、と他人のような顔をすることに必死だった / 芸術未満 12

 下田の父親は気弱な人物で、家(と妻)から逃げ続けていた。下田は友人の家に遊びに行った際…