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仕事仲間の声:株式会社SD 代表取締役  澤田裕二さんに聞きました。(2012年5月公開)

Q.泉 英明の第一印象を教えてください。

「笑顔がいい、すてきなお兄ちゃん」


「水都大阪2009」での出会い
僕はもともと展示空間のデザインと演出が専門だったんですが、だんだん広がって、博覧会全体の事業などもプロデュースするようになっていきました。 2001年「山口きらら博」を手掛けた際には、博覧会全体の骨格は提供するけれども、プログラムについては市民、県民の方々に参加していただき、できるだけ"自分ごと"として取り組んでもらう仕組みを積極的に取り入れていったんです。そしたら、色々な方が知り合う中で、みなさん盛り上がられて、とても面白い取り組みが実現出来たんです。自分でも一つの大きな驚きがあって。それがきっかけとなり、2009年「水都大阪」などでも、市民参加を軸に事業を組み立てたいと思い、さまざまな仕組みづくりをしました。 泉さんとの出会いは、「水都大阪2009」の準備段階、2007年の市民参加準備会議の時だったと思います。「NPO法人もうひとつの旅クラブ」元代表の李さんから、若手のひとりとして紹介されたのが始まりです。風のようにそこに漂っている感じがしたのと、「笑顔がすてきなお兄ちゃんだなぁ」などと思いました。ここは、大阪で活動する人たちが集まって、市民参加のあり方やプロセスについて議論する場でした。


「OSAKA旅めがね」の立ち上げにあたり
その次に会ったのが、「大阪のロの字型水路の利用を活性化して観光客や生活者に本物の大阪を体験してもらい、地域を元気にしよう」という企画でした。 そういう想いを持った各地域の中で活動をされていた20名程度のメンバーが集まっておりました。地域の取り組みは、「やりたい」と思ってる人が当事者になることが重要だから、最もやりたいエネルギーに溢れていた小田切さん、山根さん、泉さんの3人の方にコアメンバーをお願いしました。さらに地域づくりのイベントは1発花火ではなく、開催後にその取り組みが地域に残ることが重要だから、3人を中心にみんなで会社を作ったらいいのではないか、というようなことを申し上げました。とにかく昼夜を問わず大分突っ込んだ話をしましたね。例えば水都大阪というイベントでは、市民の方に参加してもらったり幅広く知ってもらうことが出来るけど、水都大阪が終わったあとで自分たちが何をやっていくのか。やはりそれぞれがリスクを背負った事業として本気で取り組み金銭的に自立することを考えた方がいいですし、事業としての自立がなければ次の展開はありませんからね。集客事業の組み上げ方など、組織を運営する際の考え方などをアドバイス差し上げたりもしました。 みなさん大分迷われていましたけど、「OSAKA旅めがね」が無事に立ち上がりました。


本音の文化
「OSAKA旅めがね」の三方は、とにかくやりたいことや想いがハッキリしていて、そして"お上手"を言わないんです(笑)。そこがいいんですよね。「これが欲しい」とハッキリ言える人は、一番信用出来ると思っています。僕は東京下町生まれで、回りくどいことは大嫌いで、竹を立ったようなすっぱりことが粋だという本音の文化で育ちましたし。事業を進めていく上では、どうしても辛い局面や、きれいごとじゃ済まない、理屈じゃ済まない局面というが出てくるじゃないですか。それを乗り越えるためにも、目的がはっきりしている人のほうが組みやすいんです。目的がありさえすれば、頑張れますから。

変わらぬ目線で見つめて
泉さんの想いというのはとにかく、まずはとにかく大阪が好きなんですよ。「大阪が住みよい町になるといいな」って、本気で思ってるんじゃないかな。それはきっと大阪出身の奥さんが大好きってこととイコールなんだろうけれども、奥さんだけじゃなく、子どもたち、周りの友人たち、みんなにとって大阪が誇れる町であってほしいと思っているのではないかと。 ただ、「今の大阪のままがいい」と思っているわけではなく、「いいところは伸ばして、悪いところは直していかないといけない」という想いで、活動されていると思います。 また、彼は、権力意識がまったくない。プロジェクトをやってると、事を成したいのか勢力の中心にいることが大事なのか、はっきりしなくなっちゃう人がいるんだけど、彼は目線が変わらないでしょ。 大阪って、自分の生活圏を守ろうとする意識が強いと思うんです。しかも密接に接して過ごしているわけではなく、お互いの領域をかぶせ合いながら生きてるでしょ(笑)。ただ、本当にコアな部分は、ゼッタイ他人に踏みこませない、パーソナルディスタンスを守って生きている人が多いと思うんです。 そんな中で、「自分がすごいと思っていない」彼の在り方や、「絶対裏切らない」って契りを交わせるような人間性はとても貴重だと思います。また、前向きで明るいことも大切ですよね。

お付き合い、それから
その後のお付き合いというは、天神祭に誘われて呑みにいったり、大阪の町でばったり会って、呑みに行ったり、きわめて個人的なお付き合いをしております(笑)。酒呑むことは、いいよね。 年齢もスキルも違うけれども、関西で、市民参加型のプログラムをやる際にはぜひともまたご一緒したいですね。彼に声をかければ、100人や200人がすぐに集まりますしね(笑)。


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澤田裕二 
株式会社SD 代表取締役(イベント・空間メディアプロデューサー) 1957年東京生まれ。明治大学工学部建築学科卒業後、有限会社SD設計室へ入社する。1996年より株式会社SD代表取締役へ就任。 手掛けたプロジェクトは、都市再開発、国際博覧会、ジャパンエキスポ、大型イベント、ほか展示会やショールームのプロデュース、計画、設計・デザインなど多岐にわたる。山口きらら博、愛知万博、水都大阪2009、全国植樹祭山口大会ほか。 http://www.sd-a.co.jp/
取材・文:2012年4月 楢 侑子


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