Java SE11 Goldを未経験者が取得する

この記事について

こんにちは!先日、Java SE11 Goldを取得したので、合格体験記を記述します。試験勉強に際し、情報収集のためネットで記事を漁りましたが、SE11に関するものはあまり見つけられませんでした…。特に、2021/9に出版されたSE11 Goldの黒本については全然情報がないように感じます。
この記事では、私の体験を基に、合格に必要な学習について記述します。私は情報不足により無駄な苦労をしてしまいましたので、二の舞にならぬよう本稿をお役立ていただければと思います!

概要

Java Goldについて簡単に

Java Goldは、Java SEに関する公式認定資格の内、最上位に位置する資格です。その下にはBronze・Silverも存在し、Silver以上が海外でも通用する資格となっています。未経験者が取得するメリットとしては、「Java SEの基礎知識を体系的に学習できる」「就職活動で知識及び学習意欲のアピールになる」等が挙げられます。また、基礎知識の会得により、「Javaのコードであれば大体読み進められる」「フレームワークを学習しやすくなる」等、今後の学習に繋がる好影響があります。

試験前後の状況

「Javaの基本的な文法は学習済み・実務未経験」という状態で試験勉強を開始しました。仕事はなく終日空いている状況で、1か月程がっつり勉強し、結果としては9割以上の得点率で合格しました。試験直前は、黒本の正答率は100%に、解説は大体理解したが諦めた問題も数問あるといった状態でした。

Java Silverとの違い

私が感じたJava Silverとの違いとして、出題傾向・出題範囲について記述します。
出題傾向としては、ひっかけ問題がかなり減った代わりに理解は深めに求められる印象でした。このことから、ひっかけ対策は不要になりますが、黒本の解説の読み込みに注力する必要があります。
出題範囲としては、並列処理やセキュリティ対策のような、より専門的な分野が対象になっています。そのため、ITの基礎知識がない場合はとっつきにくい部分が出てくるかもしれません。しかし、見方を変えれば、そのあたりの重要知識に触れる機会になりますし、プログラムの仕組みや考え方の学習はとても面白いので、是非挑戦してみてほしいです。

学習方法

最重要教材はやはり黒本

黒本が試験対策に有用ということはよく言われていますが、2021/9出版のJava SE11 Goldの黒本についてはまだ情報がなく、信じてよいものか不安でした。受験後の今は、この書籍が試験対策に最適であると感じています。出題形式・傾向が本試験と酷似しているので、この本の徹底的な周回が最優先事項になるでしょう。私はSE11 Goldの紫本やオラクル公式サンプル問題(SE11は未公開なのでSE8のもの)も使用して学習しましたが、黒本以外で得た知識は全くと言っていいほど合否に影響しなかったように感じています。

黒本の弱点

黒本で学習するに際し、ネット等で知識を補強したりコードを作成して動かしてみることは重要です。これは、理解が深まるだけでなく、以下に記述するSE11 Gold黒本の弱点を補うことにも役立ちます。
私が感じた弱点は、語弊のある解説や誤植が存在すること・模擬試験(13章)の解説が薄いことの二点です。前者は誤解を、後者は学習不足を招く可能性があるため、意識しておいた方がよいでしょう。これらは、いずれも上記の太字部分を行うことで対処することができます。誤解や学習不足を防ぐためにも、解説がしっくりこない場合は、上記の方法で積極的に解消することをおすすめします!

最重要トピック

Java SE11 Goldにおける最重要トピックは、StreamAPIラムダ式です。これらは基礎知識のように扱われており、問題のコード内で頻繁に使用されるので、必ず押さえておく必要があります。いずれも覚えるべきことが多いですが、黒本内でも頻出するため、問題を解く中である程度は覚えられます。最初に詰め込むのではなく、まずは周回して後から知識を固める学習方法がよいでしょう。また、上記「黒本の弱点」と繋がりますが、プリミティブ型を扱うStreamについては、重要にも関わらず黒本の解説でカバーできない部分なので、別途対策しましょう。

どれくらい覚えればいい?

黒本の内容全てを完璧に理解する必要はありません。私はセキュアコーディングやモジュールシステムが難しく感じ、しっくりこない部分が残ったまま受験してしまいましたが、9割以上得点できました。多少わからない部分があっても問題ありませんので、立ち止まって長時間悩むくらいなら、他分野に時間と体力を投じる選択肢も有効です。
しかしながら、わからない分野の問題を完全に捨てることは悪手です。黒本は本試験と出題傾向が酷似していることから、浅い理解でも得点に繋がる可能性があるためです。そのため、諦めた問題も周回ついでに一読し、解説に対して「納得はできないが言い分はわかった」くらいの状態にはしておきたいです。

注意点

Java SE11 Gold黒本の誤植について

Java SE11 Gold黒本は、出版して間もないことから、誤植が多く存在します。公式ページの訂正表に載っていないものも結構あるのでお気を付けください。私が発見したものをいくつか掲載します。

・9-1の正解の選択肢
→マルチキャッチで変数を2つ定義してしまっている。
・9-6の解説の最後のコード例
→実質的finalではない例として出ているが、実質的finalになっている。
・12-12解説の最終段落
→volatileの説明が3-13の解説と矛盾している。

▽インプレスブックス公式ページ
https://book.impress.co.jp/books/1121101020

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