お待たせいたしました!特番インタビューから③三上GM篇

今週も昨年12月29日(日)ごご4時30分~放送させていただきました「検証コンサドーレ2019 ルヴァン杯 決勝へと導いたあの力~北海道が開く世界への扉~」より、インタビューのご紹介です。三上大勝GMの思いのこもったインタビュー、ぜひお楽しみください。

Q.三上GMからルヴァンカップ、決勝戦はどのように見えましたか?

三)一つはチームの総合力が試される大会だと思っています。理由としてルヴァンカップは予選リーグから始まっていく中で、その時期はリーグ戦と並行した過密日程の中でやっていかなければならない、イコールリーグ戦で出場しているメンバーと多少大きく入れ替えながら戦っていかなければいけないということを考えた場合にはチーム全体のチーム力がすごく大切な部分があるなと思っていて、おかげさまで予選リーグは首位という形で突破することができた、で決勝トーナメント入ってからも予選リーグで結果を出してくれた若い選手も含めて徐々に上位に進出していって、最後の方はリーグ戦との間隔が徐々に開くということでベストメンバーといわれるメンバーで戦っていって、ファイナルというステージまで行けたということは本当にチーム力として近年にはないぐらいチーム力がついてきたなという印象が一つです。
二つ目はファイナルというああいう場に立つことができて、かつクラブが掲げているサッカーというものをああいう場で表現できたということに関してもとっても大きな事だと思ってますし、さらにそこを深掘りしたところで言うと得点に絡んだような選手がうちの北海道出身のアカデミーの選手だったり、というところでいえばこの長年、北海道から世界に戦える選手を育成していこうということが一つとして具現化でき、全国のサッカーファン、スポーツファンにそれを少しでも見ていただくことができたということはすごくよかったなと。さらにサッカー界ということでいうのであればギネスにも載るルヴァンカップという長い歴史のある大会で、多くの方々に過去最高のファイナルだったという評価をしていただくことも北海道として、コンサドーレとしてやってきたことが一つ、皆さんに評価いただけたことはすごく大きな事だと思っています。

Q.アカデミー出身者が決勝のスタメンに4人もいたことは珍しいこと…

三)そうですね、そんなに多くないケースだと思っています。

Q.GMはどういう形で強化計画に関わられた?

三)当時は強化担当という役割の中で5段階計画というものを当初出した時はクラブ経営の片輪とチーム強化という片輪、この両輪ををどう揃えていくかというのを見えるようにしましょうというのがこの5段階計画だったので、そのうちのチーム強化といえる部分に関しては大きく関与させてもらいながら策定させていただきました。

Q.当時は経営危機もありましたが、クラブの中の雰囲気はどういう感じでしたか?

三)クラブ全体の雰囲気で言うとそこまでの危機感はなかったと思います。その理由としては当時の状態を社員一人一人が知ってしまった場合にはかなりマイナスな方向に行くかもしれない、という当時の社長を含めたクラブの役員の方はそういう風に考えていたこともあって、正直クラブ全体に危機感、もしくは正しい状況というのは知る由もなかったという当時の状況だったので、クラブ全体にそういった空気感があったかというとそうではなかった。ただある一定の責任を担っている人間に関してはそれこそここ数年で一度J1に行かなければこのクラブは破綻するかもしれないという説明が当時あり、自分としては強化の立場の人間としてその場に携わることがあったことから当時の状況をこう、話を聞かされる機会があって、そういった中ではなかなかほかの人には相談できない中でも何とか結果を出さなければいけないという中で取り組んだという思い出があります。

Q.GMにとってはかなり苦しい思い出…

三)そうですね、クラブの中での歴史の中では一番苦しかった時期と自分の中でも評価しています。

Q.昨年リーグ4位、今年はルヴァンカップ準優勝、現状はどのステップにいると考えていますか?

三)この5段階計画に関しては我々クラブとしては一定の結果を出して終了したと、更なる高みといいますか、北海道にとって必要な存在になるべく、クラブとしては規模でわかりやすく言うと、100億円クラブ、50億円クラブをやはり目指さなければいけないという、次なる計画のステップに入らせていただいているので、この5段階計画というところでいうとある一定の成果を終え、この5段階計画を一旦終わらせて、いい意味で次のステップに向かっているという認識でいます。

Q.達成できたタイミングというのはいつ頃のことですか?

三)今から4年前ぐらいの段階で、それこそ今の野々村が社長になって、ある一定の5段階計画のものをもう一度見直させていただいた中で、ある一定のものができているものと、当時目指していたものと今目指しているものと多少相違点も出てきたので、それであれば新しい計画を我々クラブの中で立てて、先ほど言ったように100億円クラブを目指す、もっともっと北海道にとって必要とされるクラブになっていく、という段階に今来ているという状況で、4年ぐらい前にそれがなしということではなく、次なるステップという位置づけで我々は取り組んでいるという認識でいます。

Q.戦力的にも整ってきた…

三)そうですね、そこまでに至るところでは育成というものを大切にしながら、その育成の成果として今戦ってくれている、この間のルヴァンカップでスタメンに名を連ねてくれたような選手がある程度こういう選手になりうるだろうと、J1というステージの中でも中心になりうるだろうという感触を得ていたというのが一つと、おかげさまでクラブ規模というところで多くの方々にご理解いただき、仲間になっていただいたことによって、徐々にクラブの輪が広がっていった、要するに当時16億円ぐらいの規模だったクラブがあっという間に現在40億弱ぐらいのクラブになるという中で4年ぐらい前にそういった方向性というのが感じ取れていたということから、安定した戦い方がある程度できるクラブにはなりつつあるなぁ、というのをその時に感じることができたのが大きな要因としてあると思っています。

Q.育成は時間がかかるし、結果が出るかわからない部分もあったが、信念はありましたか?

三)信念という部分に関しては間違いなく信念を持ってやろうと決断をしました。ただ一方で導くことができるまでの、自分たちの弱みをどう強みに変えていけばいいのかという考え方があって、今現在もそうですけれど我々のクラブはある一定の大きな親会社をもって運営している会社ではないので、この先もいい選手を買ってやっていくというのはもう難しい、ではどうしたらそういった安定した戦いで国内最高リーグで戦えるかといったらもう育成しかないという環境があったので、じゃ自分たちの強みと弱みは何なんだという時に強みというところでは親会社がないことによって道民の皆さんや札幌市民の多くの意思を尊重しながらクラブ運営できるというのが我々のストロングポイント、一方で残念ながら弱み、ウィークポイントは何なのかというとやっぱりそこに至る経済的な部分での収入、そういったものは限度があると、でもその中で考えたときには選手に関しては育成に力を入れていく、そういう環境があったこともあって、当時弱みを、どうしたら強みに変えられるかというそれを考えた結果、育成というところににたどり着いた、結果色々なことを考えたうえで今の結論にたどり着いたので、多くの信念、強い信念をもって取り組む事ができたというのが当時の状況だと思っています。

Q.今のアカデミーに対する評価は?

三)先ほどの5段階計画ではないですけれどアカデミーに対する一定の計画としては大成功できているなというここまでのイメージです。ただ一方で5段階計画を4年前に上方修正したようにアカデミーの強化に関しても2年前ぐらいから我々の目標はワンランク上げてやらさせてもらっています。具体的に言うのであれば2年前まではコンサドーレのトップチームで活躍できる、J1で安定した戦いができる中心になりえる選手の育成、一言でいうのであれば掲げてやっていました。2年前からは世界で戦える選手を北海道から育成しようというスタンスで今、物事を考えていて、当然世界で戦える選手であるのであれば当然我々のこのコンサドーレのトップチームの中で活躍できる選手は当然として、さらに当然上の世界で戦える選手を北海道から育成してやっていこうということをこの2年前から今アカデミー全体として取り組まさせていただいているという状況です。

Q.もう強化計画のころとは状況が全然変わっている?

三)そうですね、ただそれができるのも多くの方々にご理解いただいたり、ご協力いただいているという状況があって今ようやくここまで来たとクラブとしては思っています。

Q.菅選手、進藤選手が代表に選ばれたことはさらなる高い目標を、ということに影響を与えますか?

三)そうですね、今までは先ほど言ったように2年前から世界で戦える選手を、ということでアカデミーに携わるスタッフと話し合い、そしてアカデミーの子どもたちとそういう目標を共有させてもらったのですけれど、今年に入って今言っていただいたように進藤が入ってきたり、菅が入ってきたり、要するに自分たちのアカデミーの先輩が実際そういう姿になりつつあるということが今の子供たちにより見えることができたことによって、僕らがただ言っているよりもさらに説得力と目標というものが今の子供たちにはっきり表すことができたということは進藤であったり、菅であったり、そういう選手が日の丸をつけて戦おうとしているのは大きいものだというのは我々は感じています。

Q.GMにはアカデミー出身達には後輩たちに背中で見せて、という期待はありますか?

三)そうですね、僕たちが北海道にこだわっているという部分ではアカデミーに対して姿を見せるのは当然ですけれども、道民、市民に対して、我々のサッカーを通して何を伝えることができるのか、何を表現することができるのかといいうことを全選手に感じてもらってやらせてもらっているので、特にアカデミー出身のトップの選手には当然アカデミーのことも含め、大きい意味で色々なことを考えてほしいと常に話をさせてもらっていて、おかげさまで今の選手たちは自分たちの方からサッカーを通してこういう方々にこういう影響を与えたたいとか、オフの時間を使ってこういう方々に自分たちの姿を見せたいとか、会話をしたい、コミュニケーションをしたい、と積極的に発信してくれていることに関してすごく心強く、今思っています。

Q.アカデミーで人間的な成長をサポートしているところもいい影響を及ぼしているように感じますが…

三)過去うちのトップから巣立っていったような、アカデミー出身ではないですけれど山瀬だったり、今野だったりと若かりし選手がゆくゆく日の丸になったり、当時国内最高リーグで活躍できた要素に、我々クラブとしてはその人間性、人間力というものは大きく関係しているなということを気づかされ、であるのであればこれから出てくる北海道の選手、アカデミーの選手にはしっかりとそういったところも意識した中でやっていこうよと当時のアカデミーのスタッフとも共有させてもらいながら一人一人の子供と接しさせていただいたというのが今に繋がっているのかなと思っています。

Q.GMには北海道へのこだわりを感じますが、コンサドーレの歴史のなかではまだまだ苦しい時間の方がまだ多いのではないでしょうか?

三)冷静に考えれば苦しい時間の方が長かったのかもしれないです。でもその時その時、そして今考えると自分としてもこのクラブに携わらせてもらった喜びの方がすごく強くて、印象としてはすごく幸せな事だとすごく思っています。

Q.GM、強化担当という立場ならば大きな予算をもって強化していく方が醍醐味とも思える気がするが、決してそうではなかった…

三)そうですね。

Q.最後の質問です。もっと大きな舞台に移籍しようと考えたことはなかったですか?

三)考えたことはないです。というのはこのクラブでやりたいことが明確に自分の中にあって、実はまだそこまで到達していないです。それをやり切ったときにはもしかしたら次なる自分のビジョンを描けて、もしかしたらあるのかもしれないですけれど、おかげさまでお声掛けいただくことはありますけれど自分の中でそろそろコンサドーレを卒業しようとか、想ったことは今のところ一度も思ったことがないと。

Q.達成したいこととは何ですか?

三)一番大きな意味で言わせていただくとやはり北海道にとってコンサドーレというクラブがなくてはならない存在になっていきたい、これが僕の中での究極の目標です。ただそれを達成するうえで、もう少し分かりやすく言うのであればチームとしてはACLというアジアに対して北海道を代表し、日本を代表してこのチームがACLという戦いに出ていくこと、これが一つです。もう一つ北海道にとって大きな存在になるためには、今自分たちが一緒にやっているのは札幌ドームさんのようなスタジアム、そういったハード的なものをしっかり整えた中で、やはりここに来ることによって道民、市民が買い物もできるし、体も動かすことができるし、スポーツも応援することができるし、色々な憩いの場になる、そういうようなベースになるようなものがあったほうが僕はより具現化しやすいと思っていたので、僕としてはチームがアジアのレベルで戦えるものを作ること、もう一つはクラブとしては北海道になくてはならないものになるためにもそういうハードを含めた中で、その中心にコンサドーレとか色々なスポーツ団体がそこに関連してやっていけるような場所を作ること、この2つが僕の中ではぜひ達成したい、その一つでももし達成できるのであれば僕としてはすごく幸せなことかと思ってこの20年間ぐらいやらせてもらっています。

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