見出し画像

菊花賞、下剋上の条件

阪神菊花賞の傾向は?それは分からない。だが、菊花賞の傾向ならなんとかなる。今年は皐月賞、日本ダービーの勝ち馬不在。過去10年では13、15、19年の3回。そのうち2回は春のクラシック出走歴があった馬(エピファネイア、キタサンブラック)、残る1回は春トライアル出走歴あり(ワールドプレミア)。この10年、前走条件戦だった馬は苦戦傾向。まずステラヴェローチェやレッドジェネシスが優位である点は踏まえたい。

だがチャンピオン不在の一戦、昨年のアリストテレスなど前走条件戦組の台頭も十分考えられる。前走条件戦は3勝クラス【0-0-0-6】、2勝クラス【0-1-4-36】。2勝クラス勝ち上がりがいい。また、その距離は2200m【0-1-2-2】、2600m【0-0-1-3】、2500m(というか九十九里特別)は【0-0-0-6】。

以上の条件からヴェローチェオロ、ディヴァインラヴ(前走2勝クラス芝2200m)、エアサージュ(前走2勝クラス芝2600m)に絞る。

ヴェローチェオロの前走三田特別は阪神開幕週。同馬はドン尻から3コーナーで動いて2着に0.3差、父は菊花賞馬ゴールドシップ、距離延長は歓迎だろう。三田特別のレースラップは、

12.4-10.4-11.4-12.7-13.1-12.7-11.7-11.8-12.1-11.9-12.5

前後半1000mは60.0-60.0、緩みのないイーブンペースはスタミナと持続力がないと乗り切れない。序盤後ろにいたとはいえ、自力で動いたヴェローチェオロは面白い。後半1000mから1秒ペースアップして最後の坂までペースを保ったラップは価値が高い。ステラヴェローチェと同馬主、同一調教師、ワンツーになんてあったあろうか。

ディヴァインラヴの前走は中京芝2200mの木曽川特別。好位から直線で抜け出し、抽選除外のマカオンドールの追撃をしのいだ。そのレースラップは

12.9-11.4-12.0-13.2-12.6-11.9-11.9-11.9-11.3-11.5-11.8

前後半1000m62.1-58.4。レース中盤までのぼり区間が続く中京の中距離戦らしく序盤は相当なスローペースだったが、残り1200mで0.7ラップを上昇、そこからゴールまですべて11秒台で乗り切った。ディヴァインラヴの持続力は目を見張るものがある。特に後半600mでさらにラップをあげ、11.3-11.5-11.8、極端な失速がないのは心強い。こちらの父も菊花賞馬エピファネイア。持続力勝負は負けない。問題はこの馬、牝馬だということ。ま、性別で評価を下げるのはキケンかもしれない。もはやそういう時代ではない。このラップを先行して押し切った、可能性は高い。

最後にエアサージュの札幌日刊スポーツ杯。札幌芝2600mを逃げ切ったわけだが、こちらのラップは

13.2-11.8-12.3-12.3-12.5-12.8-13.4-12.9-12.4-12.1-11.9-11.5-11.9

前後半1000m62.1-59.8。正直、このレース、エアサージュは恵まれた。中盤に13秒台を刻み、じわりじわりとペースを上げ、最後の600mを11秒台でまとめた。見事なペース配分の逃げ切りであると同時に、特筆すべき部分も少ない。先行勢はそこそこいるので、これほどマイペースになる可能性は低い。残念ながら、前記2頭ほど、ラップ構成に強調材料はない。

ゴールドシップのヴェローチェオロ、エピファネイアのディヴァインラヴ。どちらも親子制覇がかかり、前者は2頭出しの人気薄、後者は嫌われそうな牝馬。あえて穴に狙う価値はあるだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?