「くさやきっぷ」で伊豆大島の旅
晴天に恵まれた10月9日(土)、10日(日)に伊豆大島へプチ旅行(前週は台風、翌週は秋雨という悪天候だったので、日頃の行いの良さだよね)。
移動手段はフェリー。竹芝にある客船ターミナルから1日に数便発着している。今回は、テレビ東京で放送されていた伊豆大島を舞台にしたドラマ『東京放置食堂』と、船会社「東京汽船」コラボの特別チケット「くさやきっぷ」を利用してみた。
伊豆大島とターミナルを往復するフェリーには、時速約80kmの速さで進み、1時間45分ほどで到着する「ジェット船」と、その半分ぐらいのスピードで進み、約5時間船に揺られる「大型客船」があるのだが、行きは「ジェット船」、帰りは「大型客船」という組み合わせで、9380円(くさや価格)というのが、「くさやきっぷ」。
復路に時間がかかるが、往復どちらもジェット船を使うと1万4900円のところ、このプランだと5000円ほど安く済む。しかも、お土産にくさや付き。
ジェット船に乗り込んで、いざ、出発!
レインボーブリッジの下をくぐり、工場地帯などを横目に進む。水面に太陽の光が差し込んでキラキラ光っているのを見ているだけで癒される。
あっという間に到着!半袖でも十分なくらいの天候(最高気温25度くらい)だった。
レンタカーを借りて、まずは「泉津の切り通し」へ。ドラマでは橋本マナミが出た回で登場したスポット。
両側に巨木の太い根が這う、切り通し状になった石段の道があるだけ。とは言え、そこらじゅうの石が苔むしていて、神秘的な雰囲気。
苔をじっと観察していたら、案内のおじさんが「これは『蛇苔(じゃごけ)』というんだよ」と教えてくれた。蛇のうろこのように見えるからとのこと。
続いて向かったのは、「裏砂漠」。何度となく繰り返された三原山の噴火で噴出した石でできた、日本で唯一の砂漠なのだとか(鳥取にあるのは砂丘で、砂漠ではない)。
2時間ほど歩くルートもあるのだけれど、サクッと20分くらいで行けるルートを選択。道中、友人に「戦時中みたい」と言われた写真を撮るなどしながら、進む。
だんだんと曇ってきて、裏砂漠、なかなかの雰囲気。
どんどんガスってきて、数メートル先も見えないような状況になってきたので、「遭難するぞ!」と、ビビッて即退散。そして、待望のランチへ。
寿司屋「寿し光」で、伊豆大島名物の「べっこう(刺身をタレに漬けたもの)」と地魚がのった「しま丼」、これまた名物の明日葉の天ぷらを。おいしかった!
食後は近くをぶらつく。土産屋のおばちゃんに「伊豆大島に来たなら、絶対食べた方がいい!」と自信満々ですすめられ、大島牛の牛乳で作ったアイスクリームを食す。
続いては、都立大島公園にある動物園へ。ここ、本土に災害があった際などに備えて動物園の動物たちを分散させる目的で作られた施設なんだとか。入場料無料。
続いて、こちらも橋本マナミの回で登場していたスポット「赤禿(あかっぱげ)」へ。車を降りて歩いていたら、茂みの中からガサガサッという音がして、振り返ると野生のキョン(鹿の小さいやつ)が飛び出してきてびっくり(撮影はできず)。
めちゃくちゃ眺めが良かった!
それにしても、主な観光スポット、どこもかしこもほぼ貸し切り状態。フェリーにはわりとたくさん人が乗っていたんだけど、いったい彼らはどこに消えたんだろう。空いててラッキーだけど。
そろそろ日没時間なので、夕陽を見るべく移動。が、ちょうど曇ってきてしまい、キレイな丸い夕陽は見られず残念…!
そして、ようやく宿へ。予約したのは、波浮(はぶ)という地区にある「島の宿 近~KON~」。
なんと一軒家を丸ごと貸し切りで利用できる宿。夜と朝。どちらもいい感じ。
中は、居間、奥に和室が2つ、キッチン、風呂、トイレ、縁側もあっておばあちゃんちに来たみたいな居心地の良さ。
宿から5分くらいのところに住んでいるというオーナーのお母さんは、すごくフレンドリーで親戚のおばちゃんみたいな感じ。オーダーすれば庭でBBQができるプランもあるらしいが、基本的に食事はなし。あらかじめ、食材を買ってきて食べてと言われていたので、スーパーに立ち寄った。が、あんまり地元っぽいものがなく、肉を焼くという伊豆大島っぽくない夕食になってしまった。
地元の焼酎「御神火」にも舌鼓。わりとクセがある味で、友人いわく「くさやに合う!」とのこと。
夜~早朝にかけて雨が降ったのだが、翌日もお天気は良好。宿で自転車を借りられたので、近くのスポットをまわることに。
車通りも少ないし、海風を感じて気持ちよく15分ほど走り「筆島」が見える場所へ。ドラマでは最終回で安藤政信が訪れていたところ。
海に突き出た高さ30mほどの岩が「筆島」。火山の火道が侵食に耐え残った岩頸なのだとか。変わった地層もあった。
そこからまた15分くらい走り、波浮見晴台へ。
続いて「鉄砲場」へ。大東亜戦争時、日本陸軍の監視所だったところ。監視所だっただけあって、眺めはとても良かった。
宿に自転車を返し、車で波浮港へ。ここはドラマ「東京放置食堂」のメインロケ地で片桐はいりが手伝っていた「風待屋」として使われたカフェなどがある。タイムスリップしたかのような懐かしい雰囲気。
周辺を歩いて散策。「旧港屋旅館」は、川端康成の代表作『伊豆の踊り子』に登場する旅芸人一座のモデルとなった人々が芸を披露していたと言われている旅館。
心臓破りの坂を上って、観光客に人気のたい焼き屋「島京梵天」へ。
古民家を改装した店内は、レトロな雰囲気。
明日葉の葉を練り込んだ生地で作った「冷やしたい焼き」の抹茶クリーム入りと、明日葉オレをオーダー。窓辺の席は気持ちよかった。
そして、予約必須の人気寿司店「港鮨」でランチ!
「地魚にぎり」に、1貫からオーダーできる「べっこう握り」と「伊勢海老の味噌汁」を追加して、めちゃくちゃ豪華!
そして、ドラマ「東京放置食堂」の舞台になったカフェ「Hav Cafe」へ。オーナーとお知り合いのお客さんが買ってきたアイスをちゃっかりいただいた。島海苔が入った磯の香りがするアイス!
14:20に帰りの船が出るので、港へ向かいつつ、立ち寄ったのが「砂の浜(さのはま)」。写真だとわかりづらいかもしれないけれど、砂が黒い。玄武岩の黒砂なのだとか。
帰りの便は大型客船「さるびあ」。
5時間もかけて帰るなんて…と思っていたけど、のんびり船旅が楽しめるのがこの大型客船の魅力。ジェット船で帰ると見ることができない夕陽や横浜、東京の夜景が拝めるのだ。
船内はいくつかの階にわかれているのだけれど、下の方は結構揺れて船酔いしてしまったので、上の展望デッキがある階にいるのがオススメ。
途中、島海苔ラーメンや島レモンサワーなどを楽しんで、楽しかった旅もおしまい!!!
こちらは自分へのお土産の数々。
某ファッション雑誌のエディターが、「結局、髪の毛には椿油が一番いい」と言っていたので、ゲット。椿油入りの石けんと、爪専用のオイルも。青唐辛子も名産とのことで、関連商品をいくつか買ってみた。
コンビニはないし、スーパーも20時で閉まるし、飲食店も多くない。良くも悪くも観光地っぽくない、伊豆大島。のんびり過ごすのにはぴったり。小さなおしゃれ宿が少しずつ建ち始めているらしいので、次は別の宿に泊まってみたいな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?