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ゲーム「ENDER LILIES」感想

 SNSでフォロワーが楽しそうにプレイしているのを目撃して以来、気になってたゲームです。まさか死にゲ―とは思わなかったのでものすごく驚きました。初、死に覚えゲ―ム!
死にまくったけど楽しくプレイできたよ~って感想です。

ジャンル:横スクロールアクション
プレイ時間:29時間
媒体:PS5


■ あらすじ

 公式から引用します。

絶望の世界で呪いの運命にあらがう少女と騎士

昔々、彼方の「果ての国」にて。
突如降り始めた「死の雨」は、 生きとし生けるものを狂暴な生きる屍「穢者(けもの)」へと変貌させた。
人智を超えた悲劇に成す術もなく、王国は滅びた。
呪いであるかのように、止まない雨。
滅び果てた世界の、ある教会の奥深くで少女「リリィ」は目覚める。

STORY

こんなに可愛いキャラデザなのにいきなり世界が終わってます。滅亡した世界から始まる話。

目覚めた少女リリィと黒衣の騎士(以下黒騎士)と出会い、滅亡した世界を探索する物語です。
わあい!少女と青年(?)の二人旅!そういうの大好き!


■ 死に覚えゲ―

 プレイして驚いたのですが本作は死に覚えゲ―です。プレイ中あまりに死にまくるので「私はなんてゲームが下手くそなんだ……」と若干落ち込んでたのですが、死に覚えゲ―と教えてもらえて立ち直りました。それに世界が滅亡してるもんね、そりゃ死ぬわ。

 そもそも本作は死にまくってもゲームを投げ出すほどつまらないわけでなく、面白くプレイできるので私と相性が良かったのかもしれません。
まず、死んでもデスペナルティがない。取得したアイテムも上がったレベルもそのまま。リスボーンポイントは前回休んだレストエリア(敵がいない休憩ポイント)なので「レストエリアに戻りたいけど移動が面倒くさい」って言う時に積極的に死んでました。
 気軽に死を活用していますが、そうならざるを得ないほど本当によく死にます。なんでかと言うと、防御力が一切上がりません。LV100だろうと序盤の雑魚にすら殴られ続けると死にます。上がっていくのは攻撃力とHPだけ。回復スキルもありますが回数は限られている。特定エリアには継続ダメージの毒エリアがある。そりゃ死ぬわ!
ただし、ボス敵の前には必ずレストエリアがありますし、敵のモーションを覚えてうまく回避をしつつ攻撃を続けるとほぼダメージを受けない状態で倒すことができます。
つまり、殺られる前に殺れ。そういうことです。


■ 美しいBGMとビジュアル

 本作の魅力のナンバーワンはBGMとビジュアルです。特に曲が良かった。
参考に動画を張っておきます。こちらはどちらかと言うとゲームシステムの紹介っぽい動画です。曲が……良い!!!


■ 主な登場人物

リリィ

 眠っていた白い少女。浄化の力を持ち、その力を持っている存在のことを白巫女と呼ぶ。記憶が全く無く、黒騎士と一緒に浄化の旅に出る。

黒騎士(黒衣の騎士)

 リリィを起こした人物。本作の舞台である果ての国の外から来たと言う、穢れた魂だけの存在。

穢者(けもの)

 リリィの敵であり浄化対象であり、ほとんどが果ての国の元住人。

泉の白巫女

 当代白巫女。3代目。穢者の浄化を役目とする。交友関係がめちゃくちゃ広い。


■ ゲームシステム

横スクロールアクション

 よくある2Dの横スクロールアクションです。黒騎士ではなく少女を操作し、少女は黒騎士や倒して浄化した相手のスキルを貸してもらって攻撃します。その他にジャンプ、回避がデフォルトで存在していますが、これが難しいんだ……。

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

ゲームを進めていくとパリィや防御特化のスキルもありますが、やっぱり難しいんですよね。小難しいことはいい、物理で殴るんだよ!

レストエリア

 安全地帯であるレストエリアが存在します。このエリアだけは敵からの攻撃をうけないので安心。このエリアでのみスキルのセットやスキルの強化、アイテムのセットを行えます。
ゲームを少し進めるとファストトラベルも存在するので、わざわざ徒歩で目的の場所まで移動しなくても大丈夫なのがありがたいです。

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

メニュー画面

 主人公がでかでかと表示されるメニュー画面。綺麗だな~!
最初は穢れ=ヤバイものと思ってましたが、本作では経験値としての役割を果たしています。いえ、設定的にはヤバイものには変わりないんですけど。

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

マップ

 マップはこんな感じ。やることが残っているエリアは水色、やることがないエリアはオレンジ、レストエリアは緑の丸、通ったことのない出口が存在する場合は赤で表現されています。見やすくて良いですね。

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

「今できる限りの探索をする」ことを前提としていて、後々取得するスキルが新たな探索に必要になるため、過去のエリアを行ったり来たりすることが多かった印象です。それもそれで楽しかったかな。

ボス再戦モード

 私は一切使用してなかったので詳しくはわかりませんが、レストエリアにて過去に倒した敵と再戦することができます。クリア後には連戦モードもあるのでやりこみができそうです。私はやらないけど。

©BINARY HAZE INTERACTIVE Inc.

マルチエンディング方式

 本作は全部で3エンディング存在するマルチエンディング方式です。わかりやすく順番に迎えられるのでこのエンディングが前後したらどうしようとか考える必要なし。優しい作りになってます。






~~~~~ネタバレするよ~~~~~






■ アクションが本当に楽しかった

 本当に正直な話なのですがアクションがものすごく楽しかったのでストーリーは話半分に聞いてました。拾ったアイテム説明やみんなの手記はちらっと見てスルーしてた。ごめんて。
でも初死に覚えゲ―、めちゃくちゃ楽しかったな~!
なのでストーリーの機微というか、色々気にし出したのは終盤です。いわゆるAエンドを迎え、「え?これマルチエンドなの?」と理解してからそろそろ本腰入れてTIPS読むか……となりました。


■ 解釈は様々と思われる

 本作では記憶がないリリィが探索して手記を見つけたり、浄化したボスの過去回想を覗いたりして登場キャラクターたちの過去を推測するものです。
もちろん一部断言されていることもありますが、基本的に手記や回想はすべて主観のため、明確な時系列がわからないのが本作の特徴だと感じました。
手記や回想は全部が全部主観だからね、当人にとっては真実かもしれませんが、他人から見れば真実かどうか怪しいんじゃないかなと思ってます。面白いな~。




■ ストーリー

 雑に書きます。

古き民が支配していた大陸をとある軍勢が攻め、その大陸を支配した。
大陸は6つに分断され、果ての国を任された人物は初代王となった。
初代王は古き民の生き残りとおぼしき白い少女を死地で拾い、育てることとした。その少女は白巫女と呼ばれるようになった。古き民の憎悪が残滓となって影響し、不死性を持って変じた穢者(けもの)を唯一浄化できる存在だった。
暁の白巫女(初代)、風の白巫女(2代目)、泉の白巫女(3代目)と白巫女の座は代々引き継がれ、泉の白巫女は穢者の王と呼ばれる存在と対峙した。穢者の王を浄化した際、泉の白巫女が限界を迎えそうになる。そして白巫女のクローン計画が実施された。複数のクローン体に穢れを移す儀式が行われるようとしたが泉の白巫女はこれを拒否。クローン体の無事を願い、信頼できる人に預け、穢れをなんとか一人で操ろうと地下で奮闘する。

※古き民やサブキャラについて等、諸々の事情を省略してるし色々足りませんが、とりあえず語りたい範囲のみ書いてます。

「主人公は泉の白巫女と呼ばれる浄化者のクローンの一体であり、リリィと呼ばれた少女は別のクローン体であった」

これがめちゃくちゃ切なかったです。恐らくリリィ(自称)は記憶喪失なのではなく本当に記憶がない=生まれたての状態で眠らされていたと思われるので、人として生きた時が一度もないってことじゃん……とダメージくらってました。リリィ(本物)は愛情をかけて愛されてた描写があるのに。
とは言っても他のクローン体も「ENDER LILIES」というタイトル上、リリィだったんだろうな。


■ エンディング

 エンディング後に流れる文章の中で強調されてる一語のタイトルを取ってA、B、Cエンドと言われてるっぽい。私もそれに倣おうと思います。

Aエンド

 泉の白巫女の意識と出会い、逃がしてもらう国外脱出エンド。そんな技ができるんだ!?
ただ、城砦があるってことは過去穢者たちはそちらから来ていたってことで。その先はあまり安全とは思えないけど、泉の白巫女が逃がしたってことはやっぱり安全だったってことか……?
このエンディングは泉の巫女とリリィが親子関係のようで可愛かったです。

Bエンド

 地下深くに自主的に籠っている泉の白巫女が穢者の王になり、なんとかして浄化してリリィが苦しむことになるエンド。このエンディングでリリィは泉の白巫女のクローンだったこと、クローンは複数存在することが明確になります。まさか複数存在するとは思わなかったなあ!各地にいた白巫女、あれ全部クローンなんだと思うと辛いなぁ。一方で愛情をかけてもらったリリィもいれば、一方で実験体として扱われ続けたようなリリィもいる。そしてこのエンディングでは穢れを引き受けたリリィは確実に穢者の王となる。泉の白巫女の言う通り、ただそれだけのために生きる存在になってしまったんですよね。それが自主的な善意だとしても。悲しいなぁ。

Cエンド

 特殊アイテムをゲットし、泉の白巫女を浄化し、リリィはアイテムのおかげで苦痛もなく死の雨も取り除くことができ、リリィの中で穢れは溜まったままだけど世界が平和になったエンド。みんなを墓に入れて終わらせることができたので最後に「ENDER LILIES」をバーンと見せてほしかったです。タイトル回収の気持ちよさを体験させてくれえ~!
でも黒騎士が一緒にいてくれると明言してくれたのが良かったです。これから思い出を作っていってね、リリィ。


■ クリア後

 TIPSをすべて読み、クリアした後に思ったこと色々。

穢者の王

 泉の白巫女が対峙した穢者の王は風の白巫女だったろうし、リリィが対峙した穢者の王は泉の白巫女だったし、苦痛に耐えかねて意識か何かを手放すと穢者の王になるのかなと解釈しました。リリィが苦痛を取り除くアイテムを失くしたら終わりじゃん。絶対失くすなよ!!

黒騎士

 最初はリリィに対して殺意マシマシだったらしいですが、結局ほだされてるのでただ長い時間に疲れてるだけな気がします。でもなんで果ての国の外にいたんだろう。もしかして穢れを放置しまくることで果ての国を潰したかった?自分の子供を犠牲にしてまで?私が見てきた黒騎士はそういう印象はなさそうですが、しかしそうなると国外にいたのは方便……?

果ての国建国から死の雨発生まで

 思った以上に時間が経過してないのが意外でした。もっと長い年月の話かと思ってた。初代王が果ての国を建国し死の雨が降るまで恐らく100年は経過してない気がします。あっという間の天下だったね。
死の雨が降った後は……めちゃくちゃ時間経過してるんだろうな~!

果ての国以外

 果ての国で発生していた死の雨があがり、晴れた風景が見せられたので、本作は果ての国の範囲の出来事っぽいです。でも世界滅亡って公式のストーリーページに書いてあるので国外も無事じゃないかもしれません。
世界の土地として、果ての国含む6つの大陸と、侵攻してきた勢力である初代王軍団の土地もあるはずですが、初代王の出身地は生きて……るのかぁ~?どうなんだろう。






■ まとめ(ネタバレなし)

 プレイ時間は29時間。絵柄の可愛さに惹かれ、死にまくり、死に覚えゲ―の難しさを痛感させられた作品でした。けど理不尽な難しさではなく、挑戦していくとクリアできるのでかなり楽しかったです。
世界観としては暗い話ですが、考察させるような仕組みも良く、サウンドも雰囲気にマッチしていてプレイできて良かったな~と思えました。
死に覚えゲ―に抵抗ない人ならおすすめ!あとアクション苦手じゃない人!

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