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『文』『詩』

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思ったこと感じたことを書き殴ったような文。 共感やこんな感情もあるのか、をコンセプトに。 不定期更新。
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#文章

詩【強欲】

選べない 選べない 私には選べない この優柔不断で 人を傷つけたとしても 選べない 選べない 私には選べない 二手に分かれた道の前で 立ち止まるしか出来ない 誰かに背中を押されて その先が崖だとしても 選べない 選べない 私には選べない 自分自身の自信の無さに 呆れてまた立ち止まる 優柔不断だけ落ちてしまえば良いのに 吐き出す弱音は一人前 踏み出す一歩は半人前 二頭追っては一頭も得ず 不甲斐ない両手が空振りする それでも私は選べない だって両方 欲しいん

愛しているけれど無償じゃない

愛が溢れて流れ出て 私の中に注がれて 満たされていると感じるの でも 幸福な時間は一瞬で 幸せは儚く散っていく 縋りついても あなたはもう夢の中 私は良い子のふりをして 「いつもありがとう」 って耳元で囁く 起こさないように 優しく 優しく 布団から抜け出す 私の夜はまだまだこれから さあ どの仮面を被ろうか

詩【空を見る】

僕は毎日、空を見る。 晴れの日も、雨の日も。 曇りの日も、嵐の日も。 どんな日でも、空を見る。 君がいる気がするから。 僕は今日も、空を見る。

文【鉛筆のような人生】

生きるために文章を綴っているけれど。 綴れば綴るほど、私の命が削れていく。 売れる文章を書かなければ、生活だって出来なくなる。 あと一歩。 前に踏み出せたら。 と考えてみても、何処まで歩けば、その一歩になるのだろう。 矛盾している、私の生きる術。 鉛筆のような人生。 これだけ生きても、芯の色はまだまだ薄く。 消しゴムで消されてしまうような。 周りが暗すぎて、自分の文章さえも見えない。 私の残りの鉛筆は、あとどれくらい綴れるのだろう。

文【それでも私は爪を切る】

「なぁ、爪よ。なぜにお前はのびるのだ?」 そんなことを思いながら、今日も私はお世辞にも上手いとは言えない、ド下手くそな爪切りを、だるいだるいと言いながらも、自分自身に披露している。 ……なぁ。切られるとわかっていて、何故にのびるのだ。やっと切れたと、整えたと思うても、一週間後には邪魔でしようがないほどにのびている。爪よ。 人体とはそういうものだと論じられれば、はぁそうですかと答えるしかない。お前さんよ。 私はお前が邪魔で鬱陶しくて、痛みにこらえながらも、硝子ヤスリで限界