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【一人でない】と【孤独でない】について

ふと、思うことがある。 友達と喋っているとき。先生の話を聞いているとき。町で誰かの話が聞こえたとき。 ふと、私は、私を好きと言ってくれる人は何人いるのか、思うときがある。 私はごくごく普通の学生だ。 ごくごく普通の顔立ち、体型、声、趣味、偏差値。 ごくごく普通に生活し、友達と喋り、学業に励み、部活に励む。 ある程度仲のいい友達は数えきれないほどにいる。 会えば話すし、挨拶もするし、下の名前で呼び合う。 ただ、一定以上距離を詰めようとすると、どうしても息苦しい。

    • 好きについて

      私は、小さな村から、親元を離れて寮で暮らしている女子高生だ。 私は映画が好きだ。 ひとつの世界の住人になれた気がするから。 私は映画の後の時間が好きだ。 あまり自分の思いを話さなくなってしまった弟が、自分の感想を、思いを、私に伝えてくれるから。 私は家族との時間が好きだ。 余計な気を使う必要も無いし、弱い部分を隠す必要も無い。 私は眠ることが好きだ。 眠っている間は何も嫌なことは無い。 私は弟が好きだ。 誰よりも趣味が合うし、一緒にいて苦痛を感じることは無い。 本音を

      • 歯車仕掛けの天使

        序章 ___この世界は、時計と似ている___ どこかの誰かが、そんなことを言ったらしい。 曰く、大きな抗うことの出来ない流れに沿っているから。 曰く、表面的な変化はほとんど起こらないから。 曰く、見えない場所で無数の要素が動いているから。 曰く、一つでも欠けたら、全てが狂ってしまうから。 人々は時計の歯車だという。 手のひらほど大きな歯車もあれば、爪の粉ほどの小さな歯車もある。 しかし同じ形の歯車は一つとして存在せず、一つとして不要な歯車はない。 数十億の歯車が大時

      【一人でない】と【孤独でない】について