跡形もない泡沫
人はすぐに忘れてしまう
なのでなにかを作ったり伝えたりする
そんなことをしても仕方なく忘れていく
でもささやかなこの抵抗はきっとなにかを残す
自分じゃなくても、生きものじゃなくても
リレーみたいに、なにかがたぶん覚えていく
そう思いながら、画面を指でぽつぽつと触っている
私は 画面の中のキャラクターをタッチペンでさわって、初めて空へ飛ばした時の感動を覚えている
今ではこんなに当たり前になっている技術にも
生まれたての時代があったね
新作のゲーム機を買い与えてもらったときのこと
よく覚えている
もう手元に残ってない形
時間を持て余してたあの頃には戻れない
毎日に追われながら、ぽつぽつと毎日をつづっている
大人になって暫く経つ私の中身はいま
どんどん子どもに近づいていっていると思う
いまの仕事を初めて10年近く経つから。
もっと小さかった昔の自分についてよく考えているから。
あたまの中でなにかが光った時
(子どもみたいだ、って)笑って しまい込んでしまう思考が解る
でもそれって、結構大事にするべきことじゃないかなぁ
子どもの心の混沌さと、頼りなさと、つよさは凄い
ないがしろにしてはいけない
大人がいつでも、正しいわけではない。
子どもだけが未熟なわけでもない。
もっとみんなが簡単にまっすぐ生きられたらいいのにな。そうしたら争いは無くなって、傷つく必要だってなくて、あの人は死ななかったんじゃないかなんて思う
どんなアイデアももう試せないけれど
単純なうれしいことだけを全部あたまに住まわせて
思い出していられたら幸福
いやなことなんて入り込む隙もないくらいにぎゅうぎゅうに
私の思う素晴らしい世界を見つけられたら
透明な人のことも一緒に連れて行ってあげる。
くるくる巻かれた髪が嬉しかったこと
もらったお守りが温かかったこと
知った歌が優しかったこと
聞こえた声と仲よくなったこと
新しい約束とおいしいご飯
散歩道の夕やけと離れない自分の影
言葉が伝わった喜び、笑い声のぬくもり
人間同士のつらいこと、世の中から消えないけど
うれしいことも絶対消えない
だれかと目が合う。だれかの声がする。
名前を呼ばれる。私は応える。
足で地面を踏みしめている
ちゃんと心臓が動く
今日は新しい音楽をひとつ作りあげた。練習をして、今度ちゃんと録音するよ
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