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のんびりと。 日々感じたことを書くnote。 新明解国語辞典(新解さん)第七版の通読チ…

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のんびりと。 日々感じたことを書くnote。 新明解国語辞典(新解さん)第七版の通読チャレンジ中。

最近の記事

大袈裟

 左耳がガサガサする。  カタカタ、かもしれない。  とにかく耳の内側で取り損なったであろう耳垢が揺れている。  そのうち気にならなくなるだろうという予想を裏切り5日経ってもそれは消えず、寝る前や仕事中も主張を続けるそれに観念したわたしは耳鼻科を受診した。  内視鏡で覗けば立派な耳垢がそこにあった。  うるさい音が鳴りますが我慢してください。みたいなことを言われたが、歯科治療に比べらた全く気にならなかった。診察自体はものの10分とかからず、若干気怠そうに見える先生にあれこれ質

    • 黄桃

       普通、缶詰用。  新明解国語辞典によると、そうらしい。  たしかに夏にスーパーで見かける桃はどれも白桃だ。  試しに白桃を引いてみる。  そこには黄桃にはない「おいしい」の文字があった。  今年はあまり白桃を買わなかった。食べる頃合いを見計らっているうちに腐らせてしまう予感がしたのと、帰り道が暑すぎて桃を買う気力を無くしていた。持って帰る途中で、わたしはよく果物を潰してしまう。苺でエコバッグを真っ赤に染めた経験は一度だけではない。  缶詰なら潰す心配はない。  けれど、缶詰

      • 怏怏

         仕事に文句をつけられて、イラッとした。  それも、ずっと耐えてやっている仕事に対してで、文句を言ってきた相手にもやってほしい内容のことだった。  それで、瞬間的に沸騰してしまった。  でも真面目に怒れないわたしは、すぐに笑ってしまった。  スッキリせず、仕事中ずっと悶々としていた。  今日読み終わった短編小説集の作家さんの文章は、なぜBLになった途端に輝き出すのだろう。  ずっと仕事のことで悶々としていても仕方がない。だから気分を変える為に、他のことを考えてみた。  こ

        • 追い討ち

          「よくがんばりました」  小さい子を褒めるみたいな調子で言われて、だからわたしは口をゆすぎながら肩を震わせて笑ってしまった。  歯科で虫歯の治療を受けている。  先週受けた5年ぶりの歯科検診で虫歯が見つかってしまった。  銀歯を剥がしてみると、下は一面の焦茶色に変色していた。写真を見て思わず「うわぁ」と言ってしまうほどの惨状だった。  そして、盛大に削られた。 「痛くなかったですか?」  作業工程の都度、先生が聞いてくる。  痛くはない。ただ、不快だ。  でも先生の問いは痛

          えんやこら

           辞書に掛け声が載っている。  馴染みがあるかどうかは人それぞれだろう。  わたしは「えんやこら」のあとに「せーのどっこいせ」や「さっさ」を足したくなる。  この「えんやこら」のあとに「えんやら」というのも掛け声として載っているが、わたしは使ったことも聞いたこともない。  今日はとてもいい天気で、窓を開けるとふわりと金木犀の甘い香りがした。  出掛けよう。  そう思って出掛けはしたが、10分程度で家に戻ってきてしまった。  日差しが強く、遠くに行くなら日傘がいる。そのために

          えんやこら

          煙霞癖

           言われてみれば、わたしにもそんな性分があるかもしれない。ただし、景色の良さを勧められただけではなかなか行動に移すことがない。美味しい食べ物があり、気軽に行ける距離で尚且つ一緒に行ってくれる人がいれば行くかもしれない。  けれど、それと同じくらいの性分で、出無精というのがある。出掛けて疲れるくらいなら、自宅で本を読みながらのんびりしたい。そう思うし、読みたい本がありすぎて本から本へと飛び回っている。  本を読んで、どうしてもイタリアに行きたくなってしまった時期がある。そして実

          煙霞癖

          エルフ

          『あやかし』の語釈でも思ったことだが、『エルフ』の語釈は最新版では変わっているのだろうか。 「妖精の中でも特に小さいもの。」だなんて。あまりにも素っ気ない。  それではドワーフはどうだろうかと引いてみたが載っていない。  葬送の某アニメを観ている影響もあり、少し残念に思う。戦さの神の親子が旅するゲームの影響もある。  河童や座敷わらしは載っていて、そういえば海坊主も載っていたことを思い出した。  日本の妖怪の類はあらかた載っているのだろうか。天狗も載っている。  わたしの知っ

          エルフ

          笑み割れる

           小学生の頃によく遊んでいた広場の隅に大きな栗の木があって、毎年秋になるとその下に大量の毬栗が落ちていた。  当時のわたしは栗を見ても、食べれるものだとは思っていなかった。ただ、イガの中から覗く艶やかな茶色に惹かれて、せっせと栗を取り出していた。上級生がやっているのを見て、そういう遊びだと思っていた。そうして拾った栗をどうしたのかは記憶にはない。持って帰ってはいないはずだから、一緒に遊んでいた子にあげたのかもしれない。  そんな栗の状態を言い表す言葉があることを知った。

          笑み割れる

          エプロン

           雑貨屋さんで並んでいる色とりどりのエプロンを見ると、いいなぁ、ほしいなぁ、と思う。  一着持っているが、たまに気合を入れて料理をしたいときに着けるくらいで、普段はエプロンをしない。理由はない。ただ、エプロンの存在を忘れているだけだ。  だから、雑貨屋さんで売られているエプロンも眺めるだけで買いはしない。どうせ使わない。  そういえば学生時代に授業で何着かエプロンを作ったのだが、あれはどこへ行ったのだろう。  スカートやジーンズや浴衣やワンピースも、自分で作った衣類はすべて実

          エプロン

          えて公

           新明解国語辞典第七版を読んでいると、たまに「擬人化」という表記を見かける。  えて公、えて吉もその類だ。  真面目な調子で載っているのがおもしろくて、つい印をつけてしまう。しかも、わたしには馴染みがない言葉だ。  今朝洗濯物を干していると、視線を感じた。お隣さんの窓から女性がこちらを見ていて、ばっちり目が合った。びっくりして「うわっ」と声を上げてしまった。というのも、互いの窓から顔を合わせたことはなく、しかも、じっとこちらを見られるなんてことも今まで一度もなかった。  は

          抉る

           歯科検診を受けてきた。  5年ぶりの歯科だった。 「歯の写真、撮りますね〜」  そう言われて、嫌な予感がした。  5年前に治療した奥歯の被せ物の隙間から虫歯の黒ずみが見えた。  まあ。そりゃあ。5年も行かなければ、虫歯のひとつやふたつ出現するだろう。  もっと定期的に通っていれば、防げていたのだろうか。虫歯と歯口のチェックと歯のクリーニングだけで終わるなんてことが、現実にあるのだろうか。  とにかく、まずは虫歯の治療だ。  もしこれで定期的にくる頭痛が治れば嬉しいし、少しは

          ええと

           本を返却した。  厚みのある、ゴツイ文庫本だった。  他に借りている本もあって、とても二週間では読了できないだろうと思っていたが、内容がとても面白くて全部読んでしまった。  SFの短編集で、けれどすべて地球上の出来事だった。分かりやすいエイリアンが登場するわけでもなく、ただそれぞれの日常が何らかの特殊な状況によって混乱していた。長編だとまず読まないジャンルだ。短編でなければ、心が挫けていたと思う。  返却したあと、時間があってなんとなく書架をふらりと眺めていたら、読んでみた

          ええと

          営営

           よくがんばった。  連勤明けに自分を褒める。  毎日忙しく、痩せたような気がして久方ぶりに体重計に乗ってみると、電池切れで測れなかった。食事はしっかり食べているから、痩せたというのは気のせいかもしれない。  明日図書館に返却したい本を読んでいると、知らないうちに寝ていた。次の段へ目をやる、ほんの一瞬のことだった。  余程疲れているらしい。  それでも、やりたいことはたくさんある。  読書の続きのあとは、何をしようか。  部屋の模様替えをしたい。まずは物を減らさなくては。

          うんとこしょ

           カブをみんなで引き抜くときの掛け声だ。  運動会でも耳にしたような、でもなんの種目のときだったか。綱引きだろうか。  この掛け声が辞書に載っているとは思わなかった。  よっこいしょ、は載っていない。  よいしょ、は載っている。  どっこいしょ、はどっこいの中に載っている。  明日から「え」に入る。  辞書はたのしい。  毎日読むと意気込んでも、どうせすぐに飽きるだろうという予想は外れた。  ちなみに、昨日玉子焼きに出汁を入れ忘れたことは気づかれなかったようだ。  何故か

          うんとこしょ

          裏漏り

           つぎ方が下手なのか、つぎ口を伝って液体を垂らしてしまうことがある。  容器を傾けている本人は、当然垂らすつもりはない。それが何故か、頻繁に起こる。  その状態が『裏漏り』だ。  よくこぼすので、これからは伝い流れていく液体を眺めながら、ああ、裏漏りしている、と思うことだろう。  思う前に直したいところだが、いくら成功のイメージを描いても、いざやってみると盛大に垂れる。  だから、せめて最小限の裏漏りになるよう努力するつもりだ。  こんな些細なことにも、当て嵌まる言葉がある。

          梅酒

           キャラメルミルクを出す居酒屋によく通っていた。どの料理も美味しく、思わず笑みが溢れてしまうほどの絶品だった。あの店に出会わなければ、わたしの食に対する意識は低いままだっただろう。あらゆる理由をつけてはいろんな人と食べに行った。家族も友人も職場の人も。ひとりで行くのは勿体なかった。  わたしのリサーチ不足だろうが、今住んでいる付近ではキャラメルミルクを見かけない。キャラメルリキュールも見ない。アルコールが入っていないキャラメルソースは見つけたが、アルコールが入っていないとぐび