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初めて自分で買った帯のこと

その昔、就職して初めてのボーナスで購入したのは、なんと帯でした。どこでどう選んだのかは全く記憶にないのですが、これが私が初めて自分で買った帯になります。緑地に白色の丸いうさぎ柄の帯。6月に一重の白結城に合わせたり、1月に袷の結城に合わせていました。締めやすくて様々な紬の着物に合わせやすい大好きな帯でした。

その頃は、会社の福利厚生で着付教室がありましたので、大好きな着物を自分で着られるようになりたいとお稽古に通っていました。名古屋帯でしたらなんとか自分でも結べる程度になったと記憶しています。その後、育児や仕事でいっぱいいっぱいの生活のため、着物はお正月や披露宴などのハレの日だけのものとなり、日常的に着物を着るゆとりのない時代が長らく続きましたが、ようやくまた最近、昔習った着付けを思い出しながら日常着としての着物生活を楽しんでいるところです。母や親戚から譲り受けた古い着物に合わせて新しい帯をコーディネートしたりしています。

改めて、その昔、初ボーナスで購入したうさぎの帯を眺めてみたところ、懐かしさとともに今の私の年齢的にはその丸い白うさぎは少し子供っぽくも感じられました。ああ、もうこの帯を締めることはないだろうなぁ〜と思いつつも、これから歳を重ね、70代あたりになった私が締めたら、また違ったうさぎに見えるのではとも思います。20代の私が選んだ帯を70代の私が締めるなんてちょっとすごいかも・・・です。洋服はたとえサイズが変わらなかったとしても、20代で選んだものを70代で着る体験はなかなかできないことかもしれません。もうしばらく箪笥に寝かせておくことにしましょう。半世紀の時を経て繋ぐ予定の、初めての帯の着物がたりです。

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