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3.研究方法 3-3.実地調査および文献調査

調査方法の3つ目です。岐阜県旧川上貞奴別荘愛知県八勝館御幸の間は、本修論にとってなくてはならないモチベーションでありキラーコンテンツです。写真は八勝館御幸の間の調査のためのロケハンとして家族でお食事した時のもの。お庭という演出装置を背景に私たちだけのために鮎をじっくり焼いている職人さんを眺める・・・という、贅沢すぎる舞台鑑賞のひとコマです。また伺いたいものです。修論からはやや脇道ですが〜。

3-3.実地調査および文献調査
近代和風建築総合調査報告書に室内装飾織物についての記載が確認された岐阜県の旧川上貞奴別荘と愛知県の八勝館御幸の間について現地調査および文献調査を行った。調査概要は次のとおりである。

3-3-1.岐阜県旧川上貞奴別荘(萬松園)実地調査
調査概要は次の通りである。
(1)調査日時
2019年8月26日(月)15:00〜17:00
(2)調査者
日本女子大学 森理恵教授、枦山智
(3)調査場所
岐阜県各務原市鵜沼宝積寺町3-82-2 旧川上家別邸 萬松園
(4)調査方法
目視による確認、写真撮影、関係者への聞き取り
(5)調査項目
室内装飾織物の使用箇所、染織の特徴、加飾技法、地色、文様、材質、その他

3-3-2.岐阜県旧川上貞奴別荘(萬松園)文献調査
次の4種類の文献について内容を確認した。
(1) 文化庁文化財部、2018、新指定の文化財 建造物、月刊文化財、659号
旧川上家別邸が2018年に国指定の重要文化財になった際に『月刊文化財(659号)』に掲載された文献である。
(2) 西和夫、2007、歴史と民俗 川上貞奴の菩提寺貞照寺と別荘萬松園-ひとりの女性先駆者の実績、平凡社
『歴史と民俗23』(神奈川大学日本常民文化研究所、2007、7-34)に掲載された文献である。
(3) 山田由香里、西和夫、大川井寛子、2006、川上貞の菩提寺貞照寺と別荘萬松園-各務原の歴史的建造物その2、日本建築学会大会学術講演梗概集(関東)、7-8
2005(平成17)年に行われた貞照寺と萬松園の建物の様相や歴史的背景についての調査報告である。(2)の参考文献である。調査後に萬松園の建物は国登録有形文化財となっている。
(4) 名古屋市住宅都市景観室、2005、登録有形文化財旧川上貞奴邸復元工事報告書、名古屋市
川上貞奴の晩年のパートナーである福沢桃介と川上貞奴の名古屋の本宅の復元工事報告書である。


3-3-3.愛知県八勝館御幸の間実地調査
調査概要は次の通りである。
(1)調査日時
2019年8月26日(月)12:00〜13:00
(2)調査者
日本女子大学 森理恵教授、枦山智
(3)調査場所
名古屋市昭和区広路町石坂29 八勝館
(4)調査方法
目視による確認、写真撮影、関係者への聞き取り
(5)調査項目
室内装飾織物の使用箇所、染織の特徴、加飾技法、地色、文様、材質、その他

3-3-4.愛知県八勝館御幸の間文献調査
次の3種類の文献について内容を確認した。
(1)堀口捨己、1978、堀口捨己作品・家と庭の空間構成、鹿島研究所出版会
御幸の間設計者堀口捨己の作品集である。住宅、旅館と料亭、サンパウロ日本館その他、学校の章から成り、料亭の一つとして八勝館を掲載している。
(2)池田俊彦、1990、数寄の名料亭[6]八勝館、毎日新聞社
数寄の名料亭シリーズの一冊である。
(3)松隈洋、中原まり、渡辺研司、太田泰人、2001、DOCONONO20 JAPAN 文化遺産としてのモダニズム建築展、文化遺産としてのモダニズム建築展実行委員会DOCOMOMO
JAPANの20選の一つとして八勝館御幸の間が掲載されている。


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