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自由からの逃走

 ふと自分の部屋の本棚の本をただ入れて戻す作業をしていた。大げさではなく、パラパラとページをめくるだけで、その本の自分の頭の引き出しが開く。昨日、久しぶりに受験問題を解いていても同じ感情が芽生えたなあ。

自分がこんな本を読んでいるのが恥ずかしいと思ったのか、カバーがかけられている本、奥にしまわれている本たちがいて、なぜ私は自分の部屋のものまで隠そうとしているんだと思った。彼らの一つに、「自由からの逃走」もあった。

自分について、恥ずかしい所がある。それを取り繕おうとしていた。なぜ恥ずかしいと感じるのか。それは「今」の自分の周りの人間が「良い」としているものと違うからだ。べつにいいじゃないか。自由じゃないか。そんなところも自分なんだって。

カバーは全て外して捨てた。

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