作業用モニターイヤホン/ヘッドホンの選び方のススメ。〜FitEarのfitearを買いました〜
良いイヤホンを買ったので、そのレビューと購入に至るまでをまとめてみました。
・なぜ良いイヤホンを買ったのか。
年明け以降、業務(音の)でヘッドホンかイヤホンを使うことが激増しそうだったこと。
ヘッドホンの長時間装着が苦手な(重さと側圧とで痛くなってくる)こと。
常に使えるように、常に持ち運ぶにはイヤホンが丁度良い。
本格的なMIXはスピーカー環境があるので、オペレーションや仮MIXでの使用を想定。
ということで、年内か年明け早いうちには予算をそれなりにかけて“信用できる音”のイヤホンを購入する計画を立てていて、先日実際に購入したのが、
FitEarというブランドのfitearというイヤホンで、77,000円くらいのモノです。高い。
実際に購入に至るまでの自分のプロセスを振り返りながら、選定理由等がこれから作業用のイヤホンやヘッドホン(リスニング用でも)を購入したい方の参考になればと思います。
fitearのレビューは最後半になりますので、レビューだけ読みたいという方は飛ばしてご覧ください。
・選定プロセス
1.様々な価格帯の有名イヤホンや、気になったイヤホンを聴いてみる。予算は全く考えない。
2.予算の希望値と上限を決める。
3.予算周辺で購入に値するイヤホンを見つける。
4.その周辺価格のイヤホンをとにかく聴きまくる。
5.購入
といったプロセスで、今回はいい出会いがあったこともあり、3-5を1日で行いました。
本来はもう少し時間をかけてもいいかと思います。
具体的に1プロセスづつ解説していきたいと思います。
1.予算を考えずに聴く
これは、それ以降のプロセスに大きく影響してくるので、とにかくしっかりとやったほうが良いと思います。
日頃からイヤホンに興味をもって聴いているということでもいいですが、購入予定より圧倒的に安いものから、圧倒的に高いものまで聴いてみましょう。
この価格帯ならこれくらいのモノが期待できるということを理解して、自分の予算に応じてどういう所をこだわって決めるのかの指標を作ることに役立つと思います。
このクラスまで予算を頑張ろう、なのか、コレを基準にどこを諦めるか。なのか、これだけ聴こえれば十分だからこの予算だな。なのか。
価格と性能を理解して納得して選んだ方が、後悔もなく自分にあったイヤホンを選べると思います。
2.予算の希望値と上限を決める。
1のプロセスで聴いたイヤホンで気になったモノ、価格帯による差、実際に出そうと思える金額、等を鑑みて予算を設定します。
僕の場合、とにかくCampFireAudioのAndromedaが抜群に気に入ってしまったのですが、14万は流石に無いなという感じ。
作業に使うので何に繋いでもいい音が出る必要があり、携帯から普通に流したときにも抜群に良かったところも惹かれていました。
そのため、CampFireAudioの下位機種である6万円台程度までに収まればいいなと。
どうしても本当にAndromedaが頭から離れなかったら、熟考しよう。と考えていました。
3.予算周辺のイヤホンで気になるモノを探す。
丁度先週末ポタフェスがあったので、ガッツリ試聴して探す日にしようと思い、秋葉原に出かけました。そこで数万円程度のイヤホンを大量に試聴し、また先行公開のものも含めCampFireAudio製品を様々聴いたりと、かなり長い時間と製品量を試聴したと思います。
良かったら買おうかと思っていたCampFireAudioの下位機種は正直思ったほど良くもなく、Andromedaはやはり良かったです。
その後一旦ポタフェスを後にし、新しくできたFinalのストアで試聴したB1とB3という機種が価格と音の感じがかなり良く、作業で使用するならB3いいんじゃないか?価格も収まっている。
と、第一候補にしながら、他と比較するためにeイヤホンに。
4.候補製品の周辺価格のイヤホンをとにかく聴いてみる。
eイヤホンには、5から7万程度(B1とB3の間の価格帯)の製品を色々聴いて、納得したらB3を購入するかな。という気持ちで行きました。
この試聴は、良くない環境を想定して携帯電話(Pixel4に純正USB-C変換)で行っています。
その試聴では、やはり7万円前後にかなりクオリティの高い製品が多いなという印象を受けました。FinalのB3は価格が少し落ちるなかでかなり健闘していて、サブローの部分を求めなければかなりコスパの良いイヤホンだと思いました。
B1もかなり良く、作業用途には向かないかもと感じましたが大きい音像でサブローまでしっかり聴きたいという好みの方は、価格帯の中で選択肢に入るでしょう。
もう一つ、カナルワークスのCW-U12aEXというモデル。
これは個人的に低域が不足しているように感じましたが、上のほうのバランスはものすごく良く、カスタムにしたら遮蔽して下もっと聴こえるかな。とか、ステージモニターとしては低域が外から混入すると考えると丁度いいかも。など、かなり自分の中で評価できるモノでした。
そして、出会ってしまいました。一目惚れならぬ一聴き惚れの、FitEarのfitear。
正直想定予算を超過していましたが、アンドロメダより圧倒的に安く収まっていることを考えれば、まぁ…というところもありました。
5.購入
FitEarといえばカスタムで有名なメーカーで、あまりにも良かったので“fitear”をカスタムで出来るのか聞いてみた所、ユニバーサル専用機だとのことで、同価格帯のFitearのUniversalというモデル(customのユニバーサル版?)と比べても圧倒的にfitearの方が気に入った為、カスタムという選択肢はやめて即日購入してしまいました。
その後、イヤーチップの交換はしましたが、とても気に入って使用しています。
FitEarのfiteatを選んだ理由、レビュー
ここまで飛ばした方も多いかと思いますが、レビューです。
fitearを気に入った理由として、
・音の抜けの良さが素晴らしく、かといって高域寄りではない。
・タイトでパンチのある、必要充分な低域。
・アタック感や勢いのある音。圧があるということではなく、アタックがしっかりしている。
・帯域的に特異な偏りは見えず、自分が信頼している環境でmixした音を概ねイメージ通りに鳴らしていると感じた。(映像作品を中心に、音楽も)
という所です。
超褒めれば、コンパクトにまとまったAmpionのOne18というスピーカーな感じ。
リスニング用途で言えば、もう少しサブローが出ると気持ちいいのですが、音源によってはしっかり聴こえるので、これでしっかり聴こえる音を作るというリファレンスには良いかもしれません。
もう少し低域が出ていた方が聴く音量を下げやすいので、耳に優しいなとは思うところも。
試聴機が旧仕様で006というケーブルがついていたのが、現在の仕様では005となっている点が違い、006の方が下が出るというレビューもあるのでそちらに変えればもう少し出るのかもしれませんが、どうしようかという感じです。しばらく使って考えます。
イヤーピースはspinfitのツインブレードを使用しています。前から好きなイヤピでfitearにも凄く合いますが、長時間になってくると耳の奥が痒くなることもたまにあり、慣れだなーとは。
ちなみに、FitEarのセミハードケース、最高に良いです。
必要十分の容量とコンパクトなサイズ。なにより内部の中心に芯があり、八の字に巻いて しまっておけば、鞄のなかで動いても絡まることがないので、最高です。本当に良い。
作業用のイヤホンを選ぶときに参考にして欲しいポイント
最後になりましたが、上記の方法で実際にイヤホンを選ぶ際にこういうポイントを参考にして欲しいなというところをまとめてみました。
・モニターという言葉に縛られない方がいい。
良く、モニターヘッドホンおすすめとかモニタースピーカーはコレ。という記載が有りますが、モニターって何よ?正直数万円以上クラスで売れている製品は、全帯域ちゃんと出ているし、思いっきり音を作ってるなという物でなければ、ある程度自分の好みを反映していいと思います。
スタジオで使うようなモニタースピーカーと言われるものも、サイズから音の鳴りから千差万別なものを好みで使っているわけです。
実際自分が音を作るとなったら、自分のイメージに近い音を作るわけで、自分好みの音が出ているイヤホンで作業した方が、実はバランスのいい音になるという風にも考えられます。
ただ、一応帯域に偏りがないかは考えながら聴いた方がいいと思います。自分のmixしたモノを持っていくのがいいでしょう。
・A/B比較をしすぎると、どんどん音が派手なイヤホンを選びがちになる。
fitearも正直音は派手目なイヤホンだと思います。
最後の決断に向けて、同じ音量、同じ音源を聴き比べてA/B検討をしていくと思いますが、これは派手な音で音が大きく出るイヤホンが有利です。
聴き比べた時に、どうしても地味な音がするイヤホンがしょぼく聴こえるでしょう。
僕は、派手な音が好きであるという自覚があり、そういう音を求めてもいましたが、そうでなくても、どんどん派手な音の方に寄っていってしまう事が考えられます。
ものすごく良いと思ったはずのイヤホンがあんまりだな?と感じた時、耳が派手なイヤホンに慣らされているかもしれません。
一度耳をやすめて、じっくりと選びなおすことも検討してみてください。
・上を見たらキリがない。
まぁなんでもそうですが、値段をちょっと上げて良いのがあった。その周りでちょっと上げたらもっと良いものがあった。それを繰り返していくと、結局購入出来ない金額になって何も買えなくなるということにもなりがちです。
必要だから買う。だから予算がある。
ということを忘れず、若干の予算オーバーは許容しつつも、沼にハマり込まないように気を付けましょう。
以上、超長文になりましたが、いかがだったでしょうか。
皆様が良い音に出会って、楽しく音と付き合っていけるといいなー。と思っております。
よろしければ感想等頂けると嬉しいです。Twitter@HAZE_ba
はぜでしたー。
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