6/25 丸裸刑事 IN 中目黒キンケロシアター 道中記

2022年6月25日土曜日。


空はどんより曇り空。

どんより、を使って例文を作りなさい。ってあったよな。

うどんよりそばが好きだ。上手いから嫉妬する。

朝、久しぶりに地元の空港へ向かう。あまり懐かしいという気分にはならない。

そんなに飛行機に乗った事がないからだ。

道中は懐かしい。そうそう、あの滑走路横の丘の上で野宿したなとか。

飛び立つ飛行機に想いを馳せてた16歳の夏。ポケベルから始まる恋。

「大人になったらうち、東京に住んどるんじゃろうか?」

別にヤンキーでも無かったけど、タバコをふかしながらそんなことを考えていた。


空港に入る手前で、バスが停車した。

そういえば、と車掌さんを呼び止めICOCAを買った。私の財布の中にはPASPYしかなかったから(広島限定カード)。

これで東京でもモタつくことなく電車に乗れるだろう。多分。

そもそも左利きには自動改札のハードルは高いってもんだ。ピッとしたら逆の改札が開く私の気持ち、分かる?


そしていざ羽田へ。

広い空の上で酔い止めを飲まなかったことを後悔しながらフラフラと降り立つ。ここは…東京…?少し疑った。

気流の関係で少しの遅れが出ていた。待ち合わせの時間にはもう間に合わないが、それでもどうにか足掻く。

微妙な距離の動く歩道をヤキモキしながら突破し、滑り込んだ京急線。

席に座ると目の前をヒラつくもの。モンシロチョウだ。

何故車内に蝶々がいるのか。曲がりなりにも私は都会に来たはずなのに。

人に驚き、パニック映画のように飛び回る蝶々。勝手な奴である。

車内の人たちは皆手をヒラヒラさせ追い払う。根本的解決にならない。

仕方ない、と、立ち上がり、ふと地面に止まった蝶々を後ろから素早く捕まえ車外に投げた。

鱗粉の件は申し訳ない強く生きろ、と席に戻ると東京の人々の目線は冷たかった。

流石に「あの蝶々無銭乗車ですね」なんて言える雰囲気でもなく。別にヒーローになる訳でもなく。

品川までには私への興味も皆薄れ、日常に戻った。


品川からまた乗り換えなくてはならないらしい。

急に面倒くさくなった私は駅を飛び出しタクシーに飛び乗った。

「中目黒駅前の蔦屋まで」

「ルートはどうしましょうか」

「いや、全然知らないんですよね」

「畏まりました。では山手通りを進みます」

「(だから知らないんだって)」

悲しいかな、山手通りの知識はタバコの空き箱を捨てるくらいしか無い。


約束の時間を10分程度過ぎ、やっと友達と合流。

SNSで出会った仲間達。すぐに分かった。嬉しくて泣きそうだった。

実際に会えるまで約一年も掛かってしまった。

5人全員抱いてもいいと思った。


そして友達が予約してくれたアロハなお店へ。

お酒こそ飲めなかったが、仲間で乾杯することが出来て感無量。

お土産を渡し渡され、出会い、喜びと共にマグロアボガド丼を胃に流し込んだ。


いよいよ推しの舞台の時間が近付いてきた。

その前に劇場近くのアメージングコーヒーで舞台コラボのドリンクを買うことにした。

レモン、炭酸、そしてコーヒー。

私にはトラウマがあった。先日尾道でアメコの期間限定ショップがあり、そこで飲んだレモンスカッシュ×コーヒー。

それが、お世辞でも美味しいとは言えなかったのだ。(個人の感想です)

丸裸刑事コラボ、リッキーの濃いめのレモネード。

濃いめのレモネードが功を奏したのか美味しく飲むことが出来た。

アメコの店員さんは気さくな方で、「広島から来たんですよ」というと「えぇ!そうなんですね!」と驚いてくれた。

ただ、伝達が上手くいってなかったのかコーヒーを渡す際、私の後ろに並んでいた友達に「広島からありがとうございます」と声をかけてくれたらしい。惜しい。残念だったな俺はこっちだ。


はてさて友達と連れ立っていざキンケロシアターへ。

思ってたよりも更に小さなハコ。前から五列目という奇跡に感謝しながら着席。

その近さに眩暈を覚え、貰ったペンライトを使い影絵で遊ぶことで気を紛らわした。大変迷惑である。


ここから普通にネタバレしますのでご注意。

流れは順不同です。


開演。

柳沢慎吾を彷彿とさせるMCが止み、禁止事項などのアナウンスが流れる。

かなりリッキーがふざけていてそれだけで笑いがこみ上げた。


そして、ステージ上には大きな段ボールが二つ。

隙間から推しの目が見えた。それだけで目頭が熱くなった。どうか目潰しさせてほしい。

いや、あの中身は推しなのだと思うだけで私は今にも叫び出しそうだった。

もしかして舞台の最後まであのまま出てこなかったらそれはそれで面白いとも思った。


物語は進む。ここからは覚えているところだけつらつらと書いていく。


二人のダンス。リッキーの歌パート。Cな四角形が頭をよぎる。

将康、足が5mあると確信。

推し、最高に推し。アメージング。あまりの感動で心の臓が動く事を諦めそうになるが必死で動かす。

ジョーとリッキーの出会いのシーン。ヘリコプター。手を叩いて笑った。

競馬新聞を読むジョー。可愛いの具現化か?

そして、部長との電話シーンは大好きなスネークマンショーを思い出した。

そこで「アッ、ハイ、…3枚ですね」って言ってほしかった。このネタを意識していたのかどうかは分からないけれど。

「警察だ。お前を逮捕する」ネタも是非おざやすでやって欲しい。ここは警察じゃないよォ。

分からない人はググってください。


サスペンダーの抗争は一生見てられると思った。まさか推しの乳首を心配する日が来るなんて。

無駄に猪突猛進で熱いジョー。アメリカンな雰囲気を纏いコミカルな動きを見せるリッキー。

観客席は傍聴人、という設定はなるほど面白いと感心した。さながらトゥルーマンショーのような。

5onyのアンテナ事変。ゲストとのアドリブ合戦。涙のワンホールケーキ。

そして突然のナスカ。推しには悪いけどネタ的に「関係ない」に投票した時だった。

多分一瞬目が合った。いや、私の「AREA4Tシャツ」を見ていたのかもしれない。

おめでたい頭で何よりだ。


特に笑いのシーンでは無いところで、客席からふと「フッ」という男性の笑い声が聞こえた。私は確信した。あれは秋山さんだと。

長く一緒に過ごしてきた人じゃないと分からない何かの笑いだった。絆を感じて尊くなった。


そして、私たちの笑い声と混じる男の笑い声。

あれは寛太くんだったのだと後々分かった。居たのね…。


そんなこんなで終わってみれば舞台上に残されたのは「謎」だった。でもそれは「続く!」と同じ意味だ。

またキンケロシアターではないかもしれないけれど続きをきっと演るのだろう。悲しいけれど安心して席を立った。

全力で芝居に向き合い、ぶつかっていく姿を目の当たりにできたのは舞台ならではなんだろう。

配信では到底得ることのできない、とても贅沢な時間だった。


会場の外は信じられない暑さで、上演後の余韻を感じる間も与えてはくれなかった。そして、中目黒を探索するには危険すぎた。

あと一時間でも外に居れば蒸発してしまうだろう。特に暑い日だった。

せめて、とLDHの本社だけは行ってみたいと歩き出す。

該当ビルの前で記念撮影だけして、良からぬ想像を胸に秘め(※はざきみラジオ第四夜参照)カラオケへ急いだ。


夢の中目黒カラオケ。集まった全員チェリ家ということもあり、6名全員が一回ずつ心音を歌った。

広島から駆け付けた私の為にみんなが歌わせてくれた。そして完璧にハモってくれる友もいた。どうなってんだ。

大好きなEXILEのO'verを歌うことが出来て満足だったが、その後椎名林檎のギブスを歌っていてガチで声を出しそうになり中途半端になってしまったのは心残りである。ほんとごめんなさい。

そして楽しい時間はあっという間でお別れの時が近付く。

日帰りという強硬手段を取っていた私は、夕方17時には中目黒を離れなければならなかった。

大変悔やんだ。色々家庭の事情もあったが、次回は必ず一泊で来ようと誓った。

チェリまほの聖地も、中目黒の裏路地も次回までお預け。

楽しみが残っているのは良い事ではないか。

友と別れを惜しみながら慌ただしく別れた後、行きとは違うルートが良いとモノレールで羽田まで移動した。

遠くに見えるお台場。前に来たのはいつだったっけな。大体変な男絡みだったりするんだよな。

自分の恋愛について思いを馳せそうになったがやめた。


りの飛行機の中で暮れていく予感を残した空を見ながらぶわっと涙が溢れた。

いつもはスマホの向こうにいる友、そして推しに会えた喜びと、もう2時間後には日常に戻ることが分かっている世界。

空の旅は日常と非日常の狭間。

一日で色んな夢を見た。出来れば冷めないで欲しいけれど、またこの夢を見るには地上に降りなくちゃいけないんだ。


これで私の日帰り弾丸ツアーはおしまい。

初めての弾丸ツアーだった為、多くの反省点はあるが次回また何かあればその時に生かしていきたいと思う。


ありがとう丸裸刑事。

ありがとう小澤雄太。

ありがとう友よ。

みんな大好きです。


楽しかった!!


#丸裸刑事

#小澤雄太

#八木将康

#劇団EXILE



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