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【創作BL】シスコン貴公子の真実の愛④

「おう、ルゥ。お前、ようやくレオン様のお手つきになったってな」

 新製品の中から、主人好みの茶菓子を吟味しているところで、突然店主に声をかけられた。ルゥは無視を貫いた。

「おいおい、無視すんなよ」

 ローゼス公爵の領地は北の寒い地域。はるか昔から、開拓民たちが力と知恵を合わせて極寒の冬を乗り越えてきたこともあってか、領主と領民の距離は、驚くほど近い。

 ルゥは他の貴族が治める土地のことを知らない。それでも、ローゼス家の人々は皆、街の人たちと気さくに話をすることに、最初は面食らったものだった。

 領主に対してすら、ざっくばらんな声かけをするのだ。そこに仕えている平民に向かっては、もっと下世話なことだって言う。

 ルゥはぎろりと店主を睨みつけた。菓子職人というよりも、山男に近い。この風貌の男のどこから、素朴で繊細、そして斬新なレシピが生まれるのか、甚だ疑問である。

「五度目」
「何が?」
「あんたに言われたようなことを言われるのが、今日五度目だって言ってんの!」

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1,272字
万が一続きで中編サイズのものを書くことになったときには、500円に値上げします。(たぶんない)

子どもの頃に自分を助けてくれたレオンに忠誠を誓い、あれこれと世話を焼くルゥ。美形で賢い貴公子のレオンには、唯一の欠点があった。それは極度の…

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